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今年も強い馬がキッチリ勝つ!/ジャパンカップ

  • 2014年11月26日(水) 18時00分
■ジャパンカップ(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録19頭

【コース基本情報】東京芝2400m Cコース使用

・コース回収率
 [やや低め] 単勝62%・複勝73% 人気サイドの信頼度や期待値が高いコース

・馬連万馬券出現率
 [低め] 10.3%(平均値↓2.1% 馬連平均配当4411円)

・枠番別複勝率(16頭立て以上)
 [1枠〜2枠] 勝率10.5% 連対率15.8% 複勝率23.7% 複回率101% 枠番値+0.6
 [3枠〜4枠] 勝率 6.2% 連対率 9.3% 複勝率16.4% 複回率 63% 枠番値-0.2
 [5枠〜6枠] 勝率 3.5% 連対率11.0% 複勝率17.1% 複回率 67% 枠番値+0.2
 [7枠〜8枠] 勝率 4.1% 連対率10.9% 複勝率14.3% 複回率 36% 枠番値-0.3
 ────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 7.8% 連対率12.9% 複勝率20.0% 複回率 81% 枠番値+0.1
 [10番〜18番] 勝率 3.9% 連対率10.3% 複勝率15.1% 複回率 46% 枠番値-0.2
 →内枠である1枠〜2枠の信頼度は他を圧倒。内外での勝率差も大きいコース

・脚質別信頼度
 差し>先行>逃げ>追込 差し優勢もすべては能力次第

・推定ラップ&タイム
 [底力] 35.9-36.6-36.4-34.9=2.23.8 一貫して速い底力必須の厳しい流れ

 昨年は前半3F通過が37秒0と、かなりゆったりした流れとなったジャパンカップ。とはいえ、ここまでスローとなるのは珍しく、2分22秒台での決着もフツーにあるレース。それでいて速い上がりもキッチリ要求されるのだから、流れは厳しくなって当然。勝ち負けには、非常に高いレベルの総合力を要求される。

 そういった頂上決戦が行われる舞台でもあり、コース全体の回収率は単勝62%、複勝73%とやや低め。波乱決着がないわけではないが、順当に人気上位で決着することのほうが、はるかに多い。馬連万馬券の出現率は10.3%と平均を大きく下回っており、馬連平均配当も4411円と低めの水準。基本的には、そう荒れるコースではない。

 次に枠番についてだが、これが意外なほどに内枠有利。1枠〜2枠の勝率が10.5%と突出しており、複勝率や複勝回収率、枠番値といった指標においても、他を完全に引き離す結果となった。単純に内外を比較した場合でも、勝率は内が7.8%で外が3.9%と、その差はちょうど2倍。もっとも、外が悪いというよりも「内枠が超有利」と見るべきか。

 直線の長い東京の芝コースでもあり、基本的には差し優勢。しかし、序盤〜中盤が緩む下級条件ならともかく、ジャパンカップのような頂上決戦で、最後方からの大外一気などそうそう決まりはしない。過去10年、3コーナー10番手以下のポジションから勝った馬はディープインパクトだけで、そのディープにしても4角では7番手と、早めの仕掛け。4角10番手以下からでは間に合わない──と考えたほうがいい。

【レース基本情報】ジャパンカップ(G1) 過去10年
・レース平均配当
 単勝910円 馬連2361円 3連複1万6766円

・1番人気馬成績
 [4-3-2-1] 勝率40.0% 連対率70.0% 複勝率90.0%

・3番人気以内馬成績
 [7-6-5-12] 勝率23.3% 連対率43.3% 複勝率60.0%

・4番人気〜6番人気馬成績
 [2-3-1-24] 勝率 6.7% 連対率16.7% 複勝率20.0%

・7番人気〜9番人気馬成績
 [1-1-2-26] 勝率 3.3% 連対率 6.7% 複勝率13.3%

・10番人気以下馬成績
 [0-0-2-74] 勝率 0% 連対率 0% 複勝率 2.6%

・1着馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 20.0% [差し] 80.0% [追込] 0%

・3着以内馬脚質シェア
 [逃げ] 0% [先行] 33.3% [差し] 43.3% [追込] 20.0% [マクリ] 3.3%

・年齢別成績
 [3歳馬] 2-4-3-24 連対率18.2% 複勝率27.3%
 [4歳馬] 5-4-2-32 連対率20.9% 複勝率25.6%
 [5歳馬] 3-1-3-37 連対率 9.1% 複勝率15.9%
 [6歳馬] 0-1-0-22 連対率 4.3% 複勝率 4.3%
 [7歳↑] 0-0-2-21 連対率 0% 複勝率 8.7%
 ────────────────────────
 [3歳〜4歳] 7-8-5-56 連対率19.7% 複勝率26.3%
 [3歳〜5歳] 10-9-8-93 連対率15.8% 複勝率22.5%
 [6歳〜9歳] 0-1-2-43 連対率 2.2% 複勝率 6.5%

・性別成績
 [牡馬] 6-8-7-122 連対率 9.8% 複勝率14.7%
 [牝馬] 4-2-3-14 連対率26.1% 複勝率39.1%

・枠番別成績 ※枠番値については末尾参照
 [1枠〜3枠] 勝率 7.0% 連対率 8.8% 複勝率19.3% 複回率 85% 枠番値+0.9
 [4枠〜6枠] 勝率 5.3% 連対率14.0% 複勝率19.3% 複回率 37% 枠番値-0.5
 [7枠〜8枠] 勝率 5.8% 連対率13.5% 複勝率15.4% 複回率 40% 枠番値-0.4
 ─────────────────────────────────────
 [01番〜09番] 勝率 7.8% 連対率12.2% 複勝率21.1% 複回率 72% 枠番値+0.5
 [10番〜18番] 勝率 3.9% 連対率11.8% 複勝率14.5% 複回率 34% 枠番値-0.6

・厩舎所属別成績
 [美浦] 2-0-2-25 連対率 6.9% 複勝率13.8%
 [栗東] 7-9-7-63 連対率18.6% 複勝率26.7%
 [外国] 1-0-1-43 連対率 2.2% 複勝率 4.4%

・日本馬 前走距離別成績
 [芝1800↓] 0-0-0-3 連対率 0% 複勝率 0%
 [芝2000m] 6-6-7-45 連対率18.8% 複勝率29.7%
 [芝2200m] 0-1-0-7 連対率12.5% 複勝率12.5%
 [芝2400m] 1-1-1-11 連対率14.3% 複勝率21.4%
 [芝2500m] 1-0-0-11 連対率 8.3% 複勝率 8.3%
 [芝3000↑] 1-2-1-14 連対率16.7% 複勝率22.2%
 [ダート戦] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%

・日本馬 前走クラス別成績
 [中央G1] 7-9-8-60 連対率19.0% 複勝率28.6%
 [中央G2] 1-0-0-24 連対率 4.0% 複勝率 4.0%
 [中央G3] 0-0-0-1 連対率 0% 複勝率 0%
 [OP特別] 0-0-0-2 連対率 0% 複勝率 0%
 [海外戦] 1-1-1-5 連対率25.0% 複勝率37.5%

・日本馬 前走主要レース別成績
 [天皇賞秋] 5-6-6-41 連対率19.0% 複勝率29.3%
 [菊 花 賞] 1-2-1-12 連対率18.8% 複勝率25.0%
 [凱旋門賞] 1-1-1-2 連対率40.0% 複勝率60.0%

・注目出走パターン
 [絶好] 前走天皇賞・秋で2番人気以内(連対率58.3%・複勝率91.7%)
 [買い] 前走凱旋門賞出走の日本馬(連対率40.0%・複勝率60.0%)
 [買い] 外国人ジョッキー騎乗の日本馬(連対率29.0%、複勝率41.9%)
 [買い] 前走天皇賞・秋で4番人気以内(連対率43.5%・複勝率60.9%)
 [不振] 前走10番人気以下または前走10着以下の日本馬(0-0-1-36)
 [不振] 6歳以上馬(0-1-2-43)
 [全滅] 当日4番人気以下の外国馬(0-0-0-41)

 近年にジャパンカップがいかに堅く決まっているかが、単勝910円、馬連2361円という平均配当にクッキリ。3連複こそ1万6766円とソコソコの水準にあるが、過去10年で3連複万馬券が出たのは、2013年と2011年の2回だけしかない。1番人気は[4-3-2-1]で複勝率90.0%と鉄板級の信頼度で、対照的にふたケタ人気馬は[0-0-2-74]と低迷。もう、穴党がさじを投げるほどの堅さである。

 逃げ馬は1頭も3着以内に粘れておらず、脚質的にはやはり差し優勢。ただし、勝ち馬に関してはいわゆる好位差しが多く、後方からスパッとキレる脚で突っ込んでくる馬は、届かず2着〜3着に惜敗する場合がほとんどだ。つまり、差し有利ではあるのだが、ベストポジションは「好位の少し後ろ」あたり。4角を10番手以下で回ると、勝ち負けに持ち込むのは一気に厳しくなる。

 年齢については3歳〜5歳であるのが好走の必要条件で、6歳以上馬は大苦戦。昨年のトーセンジョーダンのように「たまに」は来るが、アテにはしづらい。近年、牝馬が非常に強いのはよく知られるところで、昨年も牝馬によるワンツー決着。ここに挑んでくるような牝馬は、陣営がそれだけの手応えを感じているからに他ならない。

 続いて枠番。コースデータで有利と断じた内枠の成績がイマイチと感じるかもしれないが、枠番値に注目していただきたい。1枠〜3枠の枠番値は+0.9という高さで、人気よりも上の着順に来ている率に関しては圧倒的。結果的に上位に食い込めてはいないが、やはり好走はしているのである。内枠を引いた馬には、かなり大きなプラス評価を与えたい。

 ローテ面について「天皇賞・秋の人気馬&好走馬が強い」という、いたってフツーの結果に。今年は菊花賞組の3歳馬がワンアンドオンリーしか登録していないので、なおさら天皇賞・秋からの出走組をどう扱うかが重要となる。アンコイルドやタマモベストプレイのように、前走でG1に出走していない馬は、きわめて期待薄。前走大敗からの巻き返しもきかないレースであり、前走レースの「格」とそこでの人気&着順が、結果にキッチリ正比例すると考えていい。

 外国馬3頭については、当日4番人気以内になるか否かが分水嶺。そして、今年登録の日本馬が錚々たるメンツであることを考えると、この条件を満たす可能性はほぼゼロだ。もっと丁重に扱うべきゲストではあるのだが、日本の特殊馬場で、しかもこの相手関係で好走するのは、そうとう厳しいはずだ。

 あとは、外国人ジョッキーの好成績が「猛烈に」目立つレースであるのも、ぜひ覚えておきたいポイント。過去10年、このレースを勝っている日本人ジョッキーは、武豊騎手と岩田康誠騎手の2人しかいない。とくに素晴らしいのが「日本馬×外国人ジョッキー」の組み合わせで、昨年3着激走のトーセンジョーダンもこのパターンだった。

【現在の馬場&血統情報】
・現在の馬場
 引き続きCコース。外差しが決まりやすいコンディションといった印象。

・天候予測
 なかなか微妙な空模様。馬場が渋るケースも考えておいたほうがよさそう。

・勝利数トップ種牡馬
 ディープインパクト 勝率14.5% 連対率24.6% 複勝率36.2%

・著者の注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○

 東京開催の最終週でもあり、さすがにダメージが感じられる馬場状態。時計はそれなりに出ているが、週末に降雨があってもおかしくない天気図で、土曜日の競馬でコンディションやバイアスが一気に変化する可能性もある。先週と同じであれば「やや差し有利」程度だが、馬場についての結論が出せるのはおそらく、レース当日であろう。

 血統に関してはディープ&ハーツの独壇場。出走数の差で勝利数はディープ産駒の勝ちだが、連対率や複勝率はハーツクライ産駒のほうが上で、距離を考えると適性自体は「ハーツ>ディープ」と思われる。それに次ぐのがステイゴールド産駒だが、信頼度にはかなりの差があり、こちらはプラス評価に至らず。フジキセキ産駒のイスラボニータも、ダービー2着という実績はあるが、血統的に適性が高いとは思えない。

 外国馬については、父のTeofiloがこの系統にしては軽さがあるガリレオの産駒で、母父Sinndar、母母父Irish Riverという血統構成のトレーディングレザーに、個人的にはもっとも適性を感じる。同じSadler's Wells系でも、アイヴァンホウより速い脚が使えそう。また実績的にも、もし外国馬の好走があるとすれば、この馬ではなかろうか。

★総論×各論

 考えられるほぼ最高の顔ぶれとなりそうな、今年のジャパンカップ。女傑ジェンティルドンナに凱旋門賞組のハープスター&ジャスタウェイ。3歳牡馬もイスラボニータ、ワンアンドオンリーがエントリーし、さらに天皇賞・秋を制したスピルバーグやエピファネイア、フェノーメノなどなど、芝・中長距離のG1馬がズラリ勢ぞろいである。

 当データ分析がもっとも高い評価を下したのは、現在このレースを二連覇中の女傑ジェンティルドンナ。秋の緒戦となった天皇賞・秋で差のない2着に好走し、その地力の高さを改めて印象づけた。東京適性の高さは今さら言うまでもなく、鞍上にムーア騎手を迎えるのも大きなプラス。迷わず本命に推せるほど、ポジティブな材料が多い。

 二番手に、3歳馬イスラボニータ。前走の天皇賞・秋では3着に敗れているが、馬番15番から先行して、さらに直線では「ソラを使った」ことを考えると、負けて強しの結果である。鞍上が乗り慣れた蛯名ジョッキーに戻ることで、こういった癖に対するフォローも期待できそう。ここは、前走からの巻き返しを期待したい。

 そして、三番手にハープスター。凱旋門賞は結果こそ6着と振るわなかったが、その末脚の素晴らしさはロンシャンでも健在だった。この馬の場合は「どう乗るか」がいちばんの課題となりそうだが、その能力が古馬相手に通用するのは証明済みであり、斤量53キロも大きな魅力。脚質面を除き、割り引く材料はまったくない。

 ここまでの3頭が上位評価組で、以下は四番手にデニムアンドルビー、五番手にジャスタウェイ。以下は、エピファネイア、スピルバーグ、ワンアンドオンリーといった序列となった。岩田ジョッキー騎乗と発表されたフェノーメノは、今回に関しては意外なほどプラス評価の項目がなく、前走の大敗も懸念材料。ここは「消し」ジャッジで行きたい。

■京阪杯(G3・京都芝1200m内)フルゲート18頭/登録24頭

 距離が1200m戦に短縮されてから9年目となる京阪杯。今年はジャパンカップと同じく、日曜日の最終レースに組まれている。レッドオーヴァルにローブティサージュ、エピセアローム、ウイングザムーンなど、ここは牝馬が人気を集めそう。人気薄の牝馬がよく激走するレースでもあり、フォーエバーマークあたりも侮れない。

 当然ながらスプリンターズS組が人気の中心となるのだが、トータル[1-0-1-10]とこれが意外にアテにならない。昨年もマヤノリュウジンが3番人気9着と人気を裏切っており、人気馬でも過信は禁物。今年これに該当するレッドオーヴァルやローブティサージュも、人気ほどにはアテにできないと考えたほうがいい。

 同様に前走G2〜G3組も[1-3-4-28]と強調はできず、前走で条件戦やオープン特別を使われてきた組のほうが、ここは優勢。とくに強いのがそこで3番人気以内に推されていた馬で、ここに限れば[5-3-3-19]で連対率26.7%、複勝率36.7%とかなりの高信頼度。回収率も単勝228%、複勝174%と、前走G1組などよりもはるかに期待値は高い。

 出走が叶いそうなところでは、アンバルブライベンニザエモンワキノブレイブの3頭が、この条件を見事にクリア。いずれも人気薄となりそうで、なおさら食指が動く。

■京都2歳S(G3・京都芝2000m内)フルゲート18頭/登録8頭

 これまでオープン特別として行われてきたが、2歳重賞路線の再編にともない、今年から重賞への昇格を果たした京都2歳S。その記念すべき第1回となる今年だが、登録頭数わずか8頭とは寂しいかぎり。もっとも、素質が高く評価されている登録馬が多く、ハイレベルな精鋭による一戦と言えなくもない。

 このレースでまず言えるのが、1番人気馬がアホほど強いということ。[5-2-2-1]で連対率70.0%、複勝率90.0%という鉄板級の信頼度で、しかも4着以下に敗れたのは2004年のこと。つまり、今年の1番人気馬が馬券圏内に来ると、過去10年の複勝率100%という穴党泣かせな金字塔が打ち立てられる。

 好走の必要条件となるのが「前走上がり順位3位以内」で、これを満たさず好走しているのは、前走で重賞を使われてきた組くらいのもの。そのうえで、鞍上が乗り替わらず継続騎乗する馬であれば、トータル[7-4-5-14]で連対率36.7%、複勝率53.9%という高確率で好走が見込める。

 あとは、前走で単勝1倍台の支持を集めていた馬が[4-2-1-4]と猛烈に強いことなども加味すると、ダノンメジャーティルナノーグシュヴァルグランの3頭が上位評価組となりそう。今年も順当に決着する可能性が高いと見るが、どうか。

※コースデータ&血統データは2009年以降、レースデータは2004年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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