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【香港国際競走】日本馬は香港スプリント、香港マイルでの3着が最高/現地観戦記

  • 2014年12月15日(月) 12時00分
香港現地観戦記

▲香港スプリントは地元勢のワンツー、勝ったのはアエロヴェロシティ


グランプリボス、単勝71倍ながら激走の3着


 今回の香港国際競走には、日本から過去最多の10頭が遠征した(これまでの最多は2006年の7頭)。残念ながら香港Cに出走予定だったマイネルラクリマが現地到着後に左第1指骨々折を発症して回避となり、日本調教馬の出走は9頭。日本以外からの遠征馬は計14頭で、そのうちオフシーズンの欧州調教馬が11頭。香港vs日本vs欧州とでもいうべき争いとなった。

 日本からこれだけの頭数が遠征すれば、6頭の遠征で香港スプリント以外の3つの国際レースを制した2001年の日本馬の活躍が思い出されるが、香港スプリント、香港マイルでの3着が最高という成績。欧州調教馬が香港ヴァーズを勝ったものの、それ以外の3レースは地元香港調教馬がワンツーという圧倒的な強さを見せる結果となった。

 思えば日本馬が3勝を挙げた2001年ごろまで香港には国際的な活躍馬はごくわずかで、出走する地元馬はほとんどが格下という時代だった。その後、香港は国際的なレベルまで競馬全体の質が上がり、しかしそれがおそらく国外からの遠征を遠ざける要因のひとつになっているであろうことは、ジャパンCと同じ。

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▲香港ヴァーズに出走したカレンミロティックは5着


 カレンミロティックが出走した香港ヴァーズは、1番人気に支持されたフランスのフリントシャーの末脚が切れた。中団後ろを追走し、4コーナーで8番手という位置から直線半ばで抜け出した。地元のウィリーカザルスが追ってきて半馬身差まで迫ったが、フリントシャーは着差以上の完勝。今シーズンはここまで勝ち星がなかったものの、2着が4回(うち3戦がGI)。しかも凱旋門賞2着のあと、アメリカのブリーダーズCターフに遠征(2着)して、そして年末の香港でGIタイトルを得たというタフさはさすがといえよう。

 カレンミロティックは4番手の好位追走から、4コーナーでも手応え十分のまま2番手に位置取りを上げて直線を向いたが、1、2着馬の切れに屈しての5着。この2400mの路線は地元香港勢の層が薄く、したがって道中はゆったり流れて直線勝負という欧州的な流れとなることが多い。それゆえ、勝ったフリントシャーが見せたような競馬か、もしくはそうした馬の末脚を封じるには、早めに動いて直線を向いたときには十分なリードをつけておくしかない。

 今回のカレンミロティックは後者を狙っていたようだが、宝塚記念以来という休み明けのぶんもあったのだろう。それでも初めての海外遠征で勝ち馬から2馬身3/4差ということでは、いい経験になったのではないか。

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▲日本馬3頭が出走した香港スプリント、ストレイトガールは3着


 日本馬3頭が出走した香港スプリントは、地元の人気2頭がハナ差でのワンツー。ストレイトガールは、2着馬と同じ脚色で伸びたが、1馬身ほど及ばずの3着だった。「勝ちパターンに持ち込めた」(藤原調教師)、「直線に入ったときには勝てると思いましたが…」(岩田騎手)というところでの3着は、さすがにこの路線の香港馬は層が厚い。

 かつて日本馬にとっては鬼門となっていた香港スプリントだが、一昨年、昨年とロードカナロアが連覇したことで、この路線での日本馬を国際的なレベルまで押し上げることとなった。今回、勝つことができなかったとはいえ、GIタイトルのないストレイトガールが、GI勝ちのある遠征馬、ゴードンロードバイロン(4着)やバッファリング(6着)に先着したことでは、

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