枠順の有利不利はほとんどない
多分にトリッキーな中山コースから、阪神に移った。おそらく前傾バランスのハイペースは生じにくい。枠順の有利不利もほとんどない。自在性のあるマイラーには、流れに恵まれず…の敗因はなくなるだろう。阪神JFとそっくり同じ性格をもつ、2歳馬のマイルG1に変わる。
特殊な中山のマイル戦から、阪神に移り、これに例年は関西所属馬にクラシック候補が数多く含まれることを重ねて考えると、同じマイル戦ではあっても、これまでより翌年の「牡馬クラシック」と結びつきが深まるかもしれない。
完成度の高いマイル適性と、自在性が問われる平均ペースのマイル戦になるとみて、
クラリティスカイから入る。阪神1800mの未勝利戦が2歳コースレコードと0秒2差の1分46秒8。高速の芝の平均ペースを、流れに乗って自分からスパート。先行馬崩れではない。上がりを34秒0でまとめる完勝だった。
東京1600mの新設重賞いちょうSは、やっぱり高速の芝を考慮し、早め早めにスパート態勢に入って1分33秒5のコースレコード。自身の上がりは34秒0。2012年の朝日杯FSと、皐月賞を勝つことになるロゴタイプのレコード(ベゴニア賞)を0秒1とはいえ更新したから価値がある。馬場差はあるが、ロゴタイプの上がりも34秒0である。
自分からスパートして2戦連続上がり34秒0は、スピード系マイラーとしての完成度の高さを示す数字と思える。
父クロフネの産駒は、総じてというなら、早い時期にレース巧者として高い完成度を誇るところがあるが、いかにもそんな記録である。
母方も、祖母タイキダイヤを筆頭に、その半弟タイキリオン、NHKマイルCを1分32秒6で制した長兄タイキフォーチュンなど、早い時期の3歳重賞で活躍する、完成されるのが早いマイラーの一族である。3代母パテントリークリアからさかのぼる牝系は、エリザベス女王陛下の所有馬オリオール、ハイクレアなどが属するファミリーであり、つまり、ディープインパクトの牝系でもある。
そのディープインパクトの、阪神JFと同様にただ1頭の産駒
ダノンプラチナと、マイルならツボにはまる可能性がある大型馬
ジャストドゥイングを本線に、
ネオルミエール、
アッシュゴールド、
ブライトエンブレムに流し、穴馬に、前回の中身が侮れない
セカンドテーブル、まともなら切れる
ワキノヒビキを加えたい。