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クラシックを見据えて!ダノンメジャーで挑むホープフルSの勝算

  • 2014年12月23日(火) 18時00分
小牧太

今週はダノンメジャーで挑むホープフルSの勝算に迫ります!


京都2歳S、チャンピオンズC、阪神ジュベナイルFと、注目のレースが続いた小牧騎手。今回は、それらのレースを今一度じっくりと振り返るとともに、今週ダノンメジャーで挑むホープフルSの勝算に迫ります!
(取材・文/不破由妃子)


京都2歳Sは、出遅れがなかったら楽勝やったね

──チャンピオンズCは惜しい2着。でも強い競馬でしたね。

小牧 やっぱり、うまいこといくときはいくもんやなぁと思ったわ。ちょっと出遅れ気味にゲートを出たけど、1コーナーではいつの間にか一番いいポジションにいて。

──そういえば、ゲートでかなり手こずってましたね。

小牧 嫌がってたねぇ。注意されましたわ。まぁ今回はちょっとひどかったけど、いつものことやからね。それにしても、道中は理想のポジションで。もう絶好やと思って、4コーナーで「これは勝つわ」と思ったんやけどねぇ。ホッコータルマエも、おいでおいで状態やったから。

──4コーナーを回る手応えを見て、これはくる!と思ってゾクゾクしましたよ。

小牧 僕も、「よしッ!」と思った。しかし、勝つのは難しいねぇ。上がってきて、1着と2着はこれほど違うものかと思ったわ。でも、今年はこれまでになくGIに手が届くところまできたような気がするので、そのうちなんとかなるやろ(笑)。

──ナムラビクターですが、追い切りは相変わらず動きませんでしたね。59秒8ですから。

小牧 うん。もちろん乗ってもいないし、見ると不安が増しそうやから見らんかった。変なイメージができても嫌なので、あえて詳しく聞かんかったし。でもね、今回はレース前日にいい動きをしてたみたいでね。

──そのようですね。それにしてもあの馬、本当に調教は関係ないんですね。でも、その調教のせいか、相変わらず人気がなくて(8番人気)。

小牧 あの追い切りじゃあねぇ(笑)。ただ、ファンもそろそろ調教は関係ないと気づいてきてるんちゃう? 普通に走れば、あれくらい走っても全然おかしくないからね。でもまぁ、改めて力があることがわかりましたわ。あとは馬の気持ち次第やね。

──続いては阪神ジュベナイルFですが、馬込みでだいぶ揉まれたのでは?

小牧 ジュベナイルは、まったく競馬ができなかった。隣の馬(エフェクト)が、僕がいるのに持ち切れんと頭を上げてね。佑介も「すみませーん」って言うとったわ。間に突っ込んでくる形になってしまって、それで僕の馬もバランスを崩して、つれて後ろの馬たちも崩れて。もうどうしようもなくて、下がっていかざるを得なかった。

──馬も戦意喪失?

小牧 うん、もう舌を出して。全然力を出しきってない。とにかくあのレースは参考外や。ただ、抑えが利いていたから、うまく折り合いがつきそうな感触があったわ。年明けは、フィリーズレビューから桜花賞というローテーションが決まっているけど、抑えが利けば距離も大丈夫そうやね。

──最後は、今週ホープフルSに出走予定のダノンメジャー。前走の京都2歳は、負けて強しといっていい一戦でした。

小牧 うん。あの一戦で、やっぱり走ることがわかりましたね。ただ、出遅れがねぇ…、アレが一番の敗因ですわ。力はもう、一番強いのはわかったし。

──4角で不利もあったそうですね。それが大きかったと。

小牧 ああ、あれはもう1馬身半くらいの不利ちゃう? 直線に向いたとき、少頭数なのに真ん中がパックリ空いてましたやん。それくらい外に張られたんですわ。内から2、3頭目のところにいたのに、ものすごい外に行ってしまって。あれはちょっとひどかった。

──その不利がなければ…。

小牧 勝つには勝ってるね。でも出遅れが一番やな…。ちょっとゲート練習しますわ。

──63秒1というスローペースでしたが、折り合いはいかがでしたか?

小牧 噛んでたよ、やっぱり。あのペースじゃ、どの馬もそりゃあ噛むやろうね。ダノンメジャーもいつもより噛んではいたけど、我慢は利きましたわ。本当はもうちょっといい位置でレースをしようと思ってたんやけど、ゲートのなかでゴソゴソしはじめて…。4コーナーの不利以前に、出遅れがなかったら楽勝してるわ。

──あのメンバーに入っても、それくらい力が上ということですね。

小牧 そうやね。力はホンマにあります。それでも負けるときは負けるんやからねぇ。競馬はわからん。

──ホープフルSが控えた段階ではありますが、春に向けてじわじわと手応えを感じてきたのでは?

小牧 いや〜、もう一戦一戦ですわ。今回(ホープフルS)も乗せ替えられるんかなと思ったもん。だからほんとに一戦一戦ですわ。

──ダノンメジャーにとって初の東上となりますが、最後にホープフルSの勝算を。

小牧 馬の力を信じて乗っていくだけやね。あとはやっぱり不利がないように…。競馬には絶対がないからね。中山の2000mは、またごちゃごちゃするんですわ。だからといって、ある程度いい位置につけようと思ったら、ダービーにつながらんし。馬が位置を取りにいく競馬を覚えてしまったら、ダービーが難しくなるからね。かといって、控えていって負けたら負けたで、次がないかもしれんし。ホンマに難しい!

── 一戦一戦とは、そういうことですね。

小牧 そう。あまり無理をせずに勝っていくのが一番やけど、考えすぎんと乗りますわ。そうそう、ホープフルSは有馬記念当日やから、有馬記念に乗りたいなぁと思ったけど、結局乗り馬がおらんかった。となれば、9レースで終わるから、混雑を避けて早めに帰りますわ。

─え〜! 有馬記念、観ないんですか!?

小牧 だって観てたらものすごい混むやん(笑)。有馬記念は、あとでゆ〜っくり觀ますわ。今年最後の競馬やし、勝って気持ちよく帰りたいなぁ。

小牧太

だって(有馬記念)観てたらものすごい混むやん(笑)


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【次回の太論は!?】
 有馬記念当日の小牧騎手を直撃し、終わったばかりのホープフルSについて、根掘り葉掘り聞いちゃいます。2014年の喜怒哀楽、2015年の豊富も!

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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