この時期に20キロ以上も前走から馬体が増えることは基本的によいことではないと判断してください
今週は3日間開催。年始の雪も影響して、調整の難しい期間が続いたものの、トレセンニュースでもお伝えしたように、ウッドチップの状態が良好で、時計が出る馬場状態は強い調教を課したい馬にはプラス材料となった模様。特に終い重点の予定で、しっかりと動けている馬は順調そのものなので、今週はラスト1F最速ラップが好走を見せるレースも少なくないでしょう。
あとは当日の馬体重。先週は20キロ以上増加した馬が16頭出走して、3着が2頭。人気に推された馬も少なかっただけに、馬券にどれほど役立つ情報なのか分かりませんが、やはりこの時期に20キロ以上も前走から馬体が増えることは基本的によいことではないと判断してください。
【シンザン記念/ダッシングブレイズ】
新馬1着、こうやまき賞2着で崩れていない戦績。追い切りがしっかりとしているので、中身が出来ているのでしょう。この中間も坂路で本数を乗り込み、最終追い切りはCWで3頭併せ。C.デムーロ騎手が手綱を握って、感触を確かめるという内容でした。
スマートレジェンド、ショウナンサアーダを追走して、直線は最内から先着。6F83.8秒、1F12.0秒という数字はもちろん優秀ですし、軽快な動きを見せたあたり、仕上がりが順調であることは間違いありません。
軽快な動きを見せたあたり、仕上がりが順調であることは間違いないダッシングブレイズ(1月8日撮影)
【シンザン記念/グァンチャーレ】
デビュー前はラスト1Fの脚は素晴らしいものの、4F時計が遅いという追い切り内容。それが、最近では全体時計が速めの追い切りにシフト。その結果、レースでも先行することができるようになりました。
ただ、前走は出遅れで後方から。それもあって、この中間はゲート練習を敢行。1月7日の調教では普通に出ていました。そして、最終追い切りには武豊騎手が跨って、速い4F時計をマークしつつ、ラスト1Fが最速ラップ。併せ馬にもきっちり先着しており、これで負けたら仕方ない、くらいの仕上げができたと思います。
併せ馬にもきっちり先着しており、これで負けたら仕方ない、くらいの仕上げができたグァンチャーレ(1月7日撮影)
【シンザン記念/ナヴィオン】
前走の敗因は馬場。これで間違いないかも知れませんが、1週前追い切りの時点で動けていなかったことも多少は影響したように思います。それだけに、今回の中2週は1週前を行っていないローテーションが判断を迷わせています。
しかし、最終追い切りで馬なりのスクワドロンを捕まえることができなかった動きを見ると、使い詰めて、良化している印象はありません。能力の高さは認めても、今回の追い切り内容から高い評価をするわけにはいきません。
【シンザン記念/ヤマニンマンドール】
中11週だった前走は追い切り本数が少なかったこともあり、見せ場のない11着。それでも4番人気に支持されたのは、未勝利の勝ちっぷりと時計内容でしょう。ですから、ひと叩きしたことで良化する可能性は十分だと思っていました。
今回は中1週。1月5日にそれなりに速い時計の追い切りを消化した上、8日もこの馬にしては、しっかりやった4F56.9秒。ラスト1F12.4秒は高く評価できますし、レース当日は4キロそこそこ馬体が絞れていれば、重賞でも通用する走りを見せてくれると思います。
【フェアリーS/コートシャルマン】
画像は7日の調教後ですが、馬体は小柄な印象。よって、中山競馬場までの輸送がある今回、どのような調整を選択するか、興味深いところでしたが、坂路で4F56.7秒。非常に遅い時計でソフトな仕上げとなりました。それでも、C.デムーロ騎手が跨ったところに大きな意味はあったと思います。
松永幹夫調教師は「前走がやりすぎた感もあったので、今回はソフトに。これで結果が出ないようなら、距離適性について検討する必要があるかも知れません」とのこと。中間に短期放牧を挟んでおり、前走の疲れを心配することはないでしょう。あとは、輸送で大きく馬体が減らなければ。
輸送で大きく馬体が減らなければよいコートシャルマン(1月7日撮影)
◆次走要注意
・1/4 京都 京都金杯【
ブレイズアトレイル】(10人/9着)
最終追い切りがCWで単走でしたが、やや集中力を欠く仕草を見せていて、これが実戦にどのような影響を及ぼすか、気になっていました。9着という結果だけを見ると、よくない行為に思いますが、メンバー最速上がりを使ったことを考えると、むしろプラスだったかも。
今回の敗因は大幅な馬体重増加でしょうから、絞れてくれば、十分に重賞で勝ち負けできる末脚だと思います。
[メモ登録用コメント] [ローカル重賞]最終追い切りがCWでラスト1F最速ラップなら勝ち負け
・1/5 中山 寒竹賞【
デバイスドライバー】(5人/4着)
4コーナーで置かれた時には脚がないように見えましたが、直線に向いてから再度の伸び。レースラップを見ると、最後の800mから400mの区間が11秒台だったので、ここで置かれただけでしょう。
それでも走る気をなくしていないので、勝負根性はそれなり。今回のレースが必ず次走以降に繋がります。
[メモ登録用コメント] [芝2000m]最終追い切り場所が南Wなら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・3歳未勝利【
ヘイムダル】
過去3走はすべて芝。追い切りの動きが目立っていただけに、7着という結果は意外。今回はようやくダートに転戦。最終追い切り、DPでもスピード感こそないものの、時計は出ており、やはりダートの方がよさそうです。
【次回公開日変更のお知らせ】
次回の「調教Gメン研究所」更新は前週が3日間開催のため1月15日18時の公開となります。予めご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。