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【特別対談(2)】四位×福永『ジョッキーから見た“騎手・田原成貴”の凄味』

  • 2015年01月13日(火) 18時01分
(つづき)

祐言実行

▲普段は福永騎手を褒めないという四位騎手、……しかし、今回ついに!?


勝つときは誰よりも鮮やかだった


──福永さんがもうひとり、ファンと同じ目線で憧れていたというのが田原成貴さん。四位さんも尊敬されていたそうですが、改めて、“ジョッキー・田原成貴”のすごさについてお聞きしたいのですが。

四位 成貴さんはね、騎手として競馬場で見せる雰囲気というか、独特の色気があったよね。同じベテランのなかでも、成貴さんだけはちょっとオーラが違ってた。ジョッキールームにいるときも、競馬に乗っているときも、つねにそれは感じてた。もちろん、技術があってのことだよ。勝つときは誰よりも鮮やかだったしね。

福永 それがまたビシッとハマるんですよね。四位さんを介して成貴さんともお話させていただくようになって。

四位 マンツーマンでいろいろ教えてもらっていた時期もあったよな。

福永 はい。成貴さんが自宅まできてくださって。忙しい方だったから、途中でフェードアウトしてしまったんですけど。

四位 飽きたんだよ、きっと(笑)。

福永 デビューしたばかりというのもあって、結局、成貴さんの本当のすごさはわからずじまいだったかもしれません。

四位 そうかもしれないね。でも、俺も言葉ではうまく説明できない。なんていうのかなぁ、マヤノトップガンで天皇賞(春)を勝ったでしょ? ああいうレースができちゃう人なんだよね。トウカイテイオーの有馬記念も、俺はライブで観ていたんだけど、スタートした瞬間に「この人、勝つな」って思った。なんかね、伝わってくるものがあったんだよね。

祐言実行

▲四位騎手も魅入ってしまったという田原元騎手の騎乗(マヤノトップガンの天皇賞)


福永 へぇ〜、スタートした瞬間に感じたっていうのはすごいですね。

四位 田原成貴の凄味や雰囲気は、当時の祐一には伝わらなかったと思う。今だったらわかると思うけどね。しかし、あの成貴さんに「教えてください!」って言えた祐一も、ある意味、すごい若手だったよな。

福永 あのですね、四位さんと話せる若手も自分くらいでしたよ。みんな怖いって言ってましたもん。

四位 らしいね(笑)。

エピファネイアの菊花賞は苦しかったと思う


──福永さんいわく、田原さんや四位さんは感覚派で、いわゆるセンスがあるジョッキーだと。馬乗りに必要なセンスというのは、磨かれるものなんでしょうか?

四位 センスそのものが磨かれることはないと思う。でも、本人の努力次第で、もともとセンスのある人に追いつけるだろうし、超えることもできると俺は思ってる。たとえば、料理の盛り付けを例に取っても、最初はプロと素人では雲泥の差があるけど、本人の頑張り次第でプロより上に行ける可能性もある。

福永 そうですよね。最初からセンスがないことは自分でもわかっていたので、別の方法で上を目指そうと思いました。

四位 祐一は本当に頑張ったよ。今でも本当に頑張っている。祐一は

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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