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目指せ母子2代オークス制覇、パルテノン

  • 2015年01月14日(水) 12時00分
アヴァンギャルド(牡 栗東・笹田和秀 父マンハッタンカフェ、母チリエージェ)
 セントウルS(GII)、アイビスサマーダッシュ(GIII)、京阪杯(GIII)を制したハクサンムーンの半弟。母チリエージェはセントウルS(GIII)で5着という成績がある。「マンハッタンカフェ×サクラバクシンオー」はJRAで6頭デビューし、これといって大物感のある馬は出ていない。しかし、サクラバクシンオーの父サクラユタカオーとの組み合わせでは、ベストメンバー(09年京都新聞杯-GII)を含めて10頭中3頭のOP馬が出ている。母の能力の高さに期待したい。芝向きのマイラー。

アルタンツェツグ(牝 栗東・五十嵐忠男 父エンパイアメーカー、母リベラノ)
 2代母がSkillful Joyなので、ジャングルポケットの従兄妹にあたる。母の父Rubianoはタイキエニグマやタイキヴァンベールの父で、エーシンモアオバーの母の父。ダート向きのスピードを伝えている。本馬はその父Fappianoを3×3で持っている。FappianoとIn Realityはニックスの関係にあり、本馬の2代父Unbridledと母の父Rubianoは、いずれもFappianoとIn Realityのニックスから誕生している。Unbridled≒Rubiano 2×2といってもいい。この大胆な配合からどんな馬ができるのか興味深い。ダート向きのマイラーだろう。

エイシンパライソ(牡 栗東・藤岡健一 父Zensational、母Champagne Royale)
 昨年9月、米キーンランドのセプテンバーイヤリングセールにおいて栄進堂に10万ドル(約1050万円)で落札された。父Zensationalは現役時代、トリプルベンドH(米G1・AW7f)などオールウェザーの6〜7ハロンで3つのG1を制したスピード馬。これまで日本に入った3頭のうち2頭が勝ち上がり、とくにエイシンスパルタン(現4歳)は芝で5戦3勝、芝1400m1分19秒9という持ち時計がある。日本向きの資質を秘めた種牡馬なので期待できる。母の父フレンチデピュティは本邦輸入種牡馬。母Champagne Royaleはステークス2着という成績がある。父Zensationalは芝・ダート兼用の適性を伝えているが、本馬は母方がパワータイプなのでダート向きかもしれない。

ジェイエルフリート(牡 栗東・南井克巳 父クロフネ、母ホウライサンデー)
 デイリー杯2歳S(GII)と小倉2歳S(GIII)を勝ったホウライアキコの半弟。3代母Catopetlは本邦輸入種牡馬セクレトの全妹にあたる良血で、2代母ホウライコメットはNasrullah≒Royal Charger 5・5×5・5をベースにMr.Prospector、Northern Dancer、Secretariat、Tom Fool、Busanda≒Strikingといったメジャーなアメリカ血統で構成されている。「クロフネ×サンデー系+Mr.Prospector+La Troienne血脈」という構成は、フサイチリシャール(05年朝日杯フューチュリティS-GIなど重賞3勝)、ブラボーデイジー(10年エンプレス杯-JpnII、09年福島牝馬S-GIII)、セイコーライコウ(14年アイビスサマーダッシュ-GIII)、クラリティスカイ(14年いちょうS-重賞)などを出している成功パターン。芝向きのマイラーだろう。

パルテノン(牝 栗東・藤原英昭 父キングカメハメハ、母レディパステル)
 母レディパステルは、オークス(GI)、中山牝馬S(GIII)、府中牝馬S(GIII)を勝った名牝。現役を引退後、ヨーロッパで繁殖生活に入り、ロードバロック(父ロックオブジブラルタル/2勝)、ロードロックスター(父ロックオブジブラルタル/09年京都新聞杯-GII・3着)を出産。その後、日本に帰国してからロードアクレイム(父ディープインパクト/12年神戸新聞杯-GII・2着)の母となった。優れた資質を伝える一方、ロードアクレイムは脚部不安に泣かされ、その全兄エアジャクソンは調教中に故障して予後不良となるなど、脚もとの弱さも垣間見える。その点、父キングカメハメハは丈夫さがひとつのセールスポイントなので悪くない。「キングカメハメハ×トニービン」はルーラーシップと同じで、2代母ピンクタートルとキングカメハメハの組み合わせからはビンテージチャート(OP)が出ている(本馬の4分の3同血)。芝向きの中距離タイプ。

ルールソヴァール(牡 美浦・高木登 父フレンチデピュティ、母キョウエイトルース)
 全兄サウンドトゥルーはユニコーンS(GIII)3着馬。Deputy Ministerとフジキセキのニックスを持っている。この配合は必ずしもダート向きではないが、「フレンチデピュティ×フジキセキ」の場合、両者の硬さが表現されるためか芝向きに出ることは少ない。加えて本馬は、ほぼダート専用種牡馬だった2代母の父プラウドデボネアの影響もある。プラウドデボネアも父フレンチデピュティも総じてツナギが硬く立ち気味。その影響は本馬にも感じられる。兄と同じくダート向きとなりそうだ。半兄コンフォーコ(父トワイニング)、半姉ツインクルスター(父サクラバクシンオー)はいずれもOPまで出世しており、母の繁殖牝馬としての能力は高い。ダート向きのマイラー。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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