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【特別対談(3)】四位×福永『ふたりで私設の競馬学校をやりたい』

  • 2015年01月20日(火) 18時01分
祐言実行

▲福永騎手の転機と四位騎手の逆転機、ふたりの対照的な騎手人生!?


リーディングを獲ったことが逆転機に


──2008年から2009年頃、福永さんに意識改革があって、藤原英厩舎で乗馬のベーシックな部分を一から学んだとのことですが、近くにいて感じるところはありましたか?

四位 祐一の連載を読んで知りました(笑)。すごくいいことだし、なかなかできることではないよね。30歳くらいでそこそこいい馬に乗っていれば、みんな何も考えなくなる。でも祐一は、そこで自分を見つめ直して、もう一段階スキルアップしようとしたわけだから。なんていうのかな、その意地汚さ?

福永 四位さん、そこは貪欲さって言ってください(笑)。

四位 いやいや、まだ上に行きたいのか、まだ勝ちたいのか、この野郎! みたいな(笑)。真面目な話、馬乗りにはゴールがないからね。あの豊さんでさえ、「もっとうまくなりたい」って言うくらいだから。ジョッキーでいる限り、その思いは持ち続けなければいけないと思う。そのなかで祐一は、アクションを起こした。コーチを付けるという、人がやったことのないところに目を付けて。

福永 伸びしろを増やすには人の手が必要だと思ったんですよね。今思えば、あの時期が転機でした。四位さんには転機ってありましたか? 挫折感を味わったこととか。

四位 北橋先生や瀬戸口先生に波に乗せてもらってからは、挫折らしい挫折はなかったと思う。俺の場合、いい馬に乗せてもらえるようになったのも、それによって結果を出せるようになったのも徐々にだったから。

福永 四位さんの場合、挫折とは違いますけど、リーディングを獲られたときが転機だったんじゃないですか? 転機は転機でも逆転機。「こんなしんどい思いをするのは、もうイヤや」っておっしゃってましたよね。

四位 ああ、あの年はしんどかったねぇ。数をこなすのがものすごくしんどかったんだけど、いっぽうで周りの人たちがものすごく応援してくれてね。それは本当にありがたかったんだけど、正直、「(長期でフランスに行っていた)豊さん、早く帰ってきて」って思った(笑)。

祐言実行

福永 確かに精神的にストレスが掛かりますよね。

四位 祐一とか岩田くんとか浜中とか、すごいなぁと思うよ。これだけ毎週、数を乗って、結果を出し続けているわけだからさ。俺は正直、そこから逃げたのかもしれない。リーディング争いをするとなると、1頭の馬に対して考える時間がすごく少なくなるでしょ? それがすごくストレスでね。もちろん、ジョッキーはより多くの勝ち星を挙げてなんぼだっていうことはわかっているんだけど、俺はちょっと違ったのかなぁ。

福永 リーディングを獲って初めて、それに気づいたんですね。

四位 そう考えると、祐一の言うようにあれが逆転機だったのかも。あの年は疲れた。本当に疲れた…。

若い子を育ててみたい気持ちも


──福永さんは大きな転機を経て、リーディングを獲るまでになったわけですが、ここ数年の福永さんの変化は、四位さんの目にはどう映ってらっしゃいますか?

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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