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トップ評価は意外なあの馬!/日経新春杯

  • 2015年01月14日(水) 18時00分

■日経新春杯(G2・京都芝2400m外)フルゲート18頭/登録21頭


【コース総論】京都芝2400m外 Aコース使用

・コースの要所!

★コース全体での単勝回収率100%以上! 波乱傾向はかなり強め。
★完全に内枠有利で、馬番1番〜4番はとくに優秀。人気薄でも買い。
★差し優勢も追い込みは不振。好位〜中団から差せる馬を狙いたい。


 日経新春杯、京都大賞典とふたつの重賞が行われている、京都芝2400m外。実績馬が多く出走するG2だけに堅く決着しそうなイメージだが、コース全体での単勝回収率102%と、波乱傾向がけっこう強いコース。人気薄の1着が多いからこんな数値が出てくるワケで、人気サイドの過信は禁物。実際は、けっこう紛れるコースなのである。

 枠番については、ハッキリと内枠有利。少頭数で行われるレースが多いので、今回は馬番別にデータをまとめているが、それでも1番〜6番の勝率の高さはかなりのもの。本当に好成績なのは馬番1番〜4番で、ここに限れば複勝率30.9%、単勝回収率186%、複勝回収率104%をマーク。枠番値もプラスと、その期待値は非常に高い。

 直線の長いコースでもあって脚質は差し優勢だが、4コーナーを10番手以下で回った馬はトータル[4-3-6-195]と大不振。追い込みが届かないわけではないが、積極的に狙うだけの価値はない。最低でも、4コーナーを「9番手以内」で回れるポジションでなければ、勝ち負けは厳しいと考えるべきだ。

【レース総論】日経新春杯(G2) 過去10年

・レースの要所!

★圧倒的に5歳以下馬が強いレース。6歳以上馬は軽視のスタンスで。
★連対馬の7割が3番人気以内馬。人気薄を狙うなら3着のヒモが正解か。
★コース同様にレースもかなり差し優勢だが、逃げ切りには警戒が必要。
★信頼度が高いのはやはり内枠。勝率はとくに内外差が大きいので注意。







・注目出走パターン
 [特注] 前走で重賞以外に出走していた5歳以下馬(複勝率40.6%、複勝回収率218%)
 [買い] 5歳以下馬(複勝率39.4%)
 [全滅] 前走で1800m以下戦に出走して3着以下(0-0-0-28)
 [全滅] 前走G1以外に出走のハンデ56.5キロ以上牡馬(0-0-0-7)
 [不振] 6歳以上馬(2-1-1-65)

 コースデータともっとも大きな違いが「人気馬が非常に強い」ということ。3番人気以内馬はトータル[7-7-3-13]で連対率46.7%と絶好調で、昨年も2番人気のサトノノブレスが1着、1番人気のアドマイヤフライトが2着、さらに3着も4番人気のフーラブライドと、人気サイドでのガチガチ決着だった。荒れるときはドカン!と荒れるが、基本的には順当決着傾向が強いレースだといえる。

 異様なまでに5歳以下馬が強いというのも、大きな特徴。5歳以下馬[8-9-9-40]に対して6歳以上馬[2-1-1-65]と、比較するのがばかばかしくなるほどの成績差である。また、前走レースの「格」がまったく結果に繋がらず、前走条件戦出走組でも平気で好走可能。G2だが、格より勢いがモノを言う。関東馬が過去10年で1回しか馬券に絡んでいないのも、押さえておきたいポイントだ。

 ハンデは重すぎても軽すぎてもダメという印象で、もっとも信頼度が高いのは56キロ〜57キロあたり。あとは、コースデータと同様に、レースでも内枠有利の傾向にある。データを掲載した以外では「継続騎乗>乗り替わり」であるのも、わりと重要。イメージ的には「内枠から馬群のなかで脚をタメられる5歳以下かつハンデ56キロ以下の関西馬」に期待が持てそうである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース。やや差し馬場へとシフトしてきている印象だが今週はどうか。

・天候予測
 木曜日に降雨。土曜日にも降雨がありそうで少し渋る可能性もありそう。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ハーツクライ産駒○、フジキセキ産駒▲、キングカメハメハ産駒△

 まだ馬場に痛みは見られないのだが、先週あたりからけっこう差せる馬場になってきた印象。とくに、土曜日と日曜日は差し馬の活躍が目立っていた。これが今週になってどうかだが「やや差し優勢」くらいを想定しておくべきか。少なくとも、前有利の状況からは確実に変化している。

 血統面は、わかりやすく瞬発力コース。ディープインパクト産駒が叩き出している連対率43.5%、複勝率54.8%という数値は圧倒的ですらある。その他も、複勝率42.1%のハーツクライ産駒や、回収率が非常に高いキングカメハメハ産駒など、種牡馬リーディングの上位級がそのまま強いコース。意外なところでは、フジキセキ産駒の活躍も目立っている。

★出走登録馬・総論×各論

 前述したように、日経新春杯はG2ながら「格より勢い」のレース。5歳以下馬が6歳以上馬を圧倒しているのも、勢いが問われるレースであるからに他ならない。レースは順当決着傾向が強いが、まだ伸び盛りのフレッシュな馬であれば、人気薄でも狙ってみる価値は十分ありそう。今年のような混戦であれば、なおさらだろう。

 ……と自分を信じ込ませた上で、おそらく人気薄となるであろうトウシンモンステラを、臆せずトップ評価としたい。準オープンを3戦で卒業しての重賞挑戦だが、データ面で割り引く材料は、ハンデ54キロという点くらいのもの。臨戦過程から血統に至るまでプラス評価の項目が並んでおり、武豊ジョッキーが(おそらく)継続騎乗するのも歓迎材料。格上相手でも、ここは買う価値アリだ。

 以下は、二番手評価にサトノノブレス、三番手評価がタマモベストプレイ、四番手ダコールまでが上位評価組。人気馬が強いレースでもあり、このあたりはキッチリ押さえておく必要がある。以下のヒモ候補は、フーラブライド、ゼンノルジェロ、アドマイヤデウス、コウエイオトメ、ホーカーテンペストといった評価順。おそらく初富士Sへと向かうであろうシャドウダンサーとラングレーも、もし出走が叶えば侮れない。


■京成杯(G3・中山芝2000m)フルゲート17頭/登録19頭


 昨年は5番人気のプレイアンドリアルが制したが、それでもレースの単勝回収率は37%と激低。つまり、京成杯はそれくらい「クソ堅い」レースであるということだ。昨年にしても、1番人気のキングズオブザサンは、キッチリ2着を確保。3着も4番人気のアデイインザライフと、なんだかんだで人気馬は上位に来ている。

 ★前走5着以内 [9-9-10-74]
 ★キャリア2戦〜6戦 [10-10-8-81]
 ☆前走単勝オッズ10倍未満 [8-5-6-48]
 ☆前走1700m以上戦[8-8-10-83]

 好走条件は以上の4項目で、★の2項目は必要条件といえるもの。これらの条件を「すべて」満たす馬から、前走がダート戦であるイーデンホールを除外すると、残るのは、クラージュシチー、ソールインパクト、タケルラムセス、バルビエール、ブライトバローズ、ベルーフの6頭だ。意外に人気と穴のバランスもいいので、このまま素直に買ってみるのも悪くないはずである。


■総論×各論・先週の馬券回顧



1着 09グァンチャーレ
2着 11ロードフェリーチェ
3着 12ナヴィオン

軸に選んだダッシングブレイズが4着ではドモナラズ。もっと前の位置を取れるかと思いきや……思いっきり後方待機やないかい(呆然)。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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