スマートフォン版へ

ダノンシャークの全妹オンファロス

  • 2015年01月28日(水) 12時00分
アサクサキンボシ(牡 美浦・戸田博文 父ハービンジャー、母アイアムネオ)
 フェアリーS(GIII)2着、フローラS(GII)4着などの成績を残したアイアムネオの初子。2代母イクスペクトトゥシャインは「Mr.Prospector×Nureyev」という組み合わせ。これは日本ダービーを制したロジユニヴァースの2代母ソニンクと似ており、ロジユニは母アイアムネオと同じネオユニヴァース産駒なので、両者の配合構成はよく似ている。繁殖牝馬としても楽しみな存在だ。父ハービンジャーは初年度産駒がブレイクし、ベルーフ(15年京成杯-GIII)、トーセンバジル(14年葉牡丹賞-500万下)、ロードフェリーチェ(15年シンザン記念-GIII・2着)など多くの活躍馬を出している。イクスペクトトゥシャインに入る強めのアメリカ血統は好ましい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

オンファロス(牝 美浦・久保田貴士 父ディープインパクト、母カーラパワー)
 全兄ダノンシャーク(父ディープインパクト)は昨年秋のマイルチャンピオンシップ(GI)を含めて重賞を3勝している名馬。半姉ターキー(父Sinndar)はダイヤモンドS(GIII)6着、半兄スティルゴールド(父フジキセキ)はスプリングS(GII)7着、半姉レイカーラ(父キングカメハメハ)は東京新聞杯(GIII)6着と、産駒はコンスタントに走っている。母カーラパワーはFame and Glory(09年愛ダービー-愛G1、11年アスコットゴールドC-英G1など欧州でG1を5勝)と配合構成が似ているものの、Caerleonの素軽さがうまく出ているので鈍重さは伝えていない。牝馬なので兄以上の決め手があれば楽しみ。芝向きのマイラー。

ジェントルヴァウ(牝 栗東・藤原英昭 父Broken Vow、母Ranter)
 父Broken VowはUnbridledを経てMr.Prospectorにさかのぼる系統で、現役時代はアメリカで14戦9勝。G1勝ちこそないものの、フィリップH.アイズリンH(G2・ダ9f)、ベンアリS(G3・ダ9f)を制し、種牡馬となってからは現時点でG1馬を4頭送り出して成功している。母Ranterは名種牡馬Pulpitの半妹で、同じく種牡馬として成功したTale of the Catと同血(父が同じで母同士が全姉妹)の関係にある良血。本馬はNijinsky≒Storm Bird 3×3・5、Mr.Prospector 4×3というクロスを持ち、手堅く走ってくると思われる。芝適性がないわけではないが、本質的にはダート向きだろう。距離はマイル前後がいい。

フローレンスオーロ(牡 美浦・戸田博文 父ゴールドアリュール、母フローレンスガール)
 4分の3兄ミヤジタイガは弥生賞(GII)2着馬。母フローレンスガールはダ1400mで2勝。その父El CorredorはMr.Greeleyの子でMr.Prospector 3×4、といういかにも仕上がりの早いスピードタイプ。父ゴールドアリュールは現在のダート界においてキングカメハメハと勢力を二分する大物で、血統的にみて本馬は仕上がり早のダートのマイラーだろう。これまでにデビューした母の産駒2頭はどちらも2勝以上を挙げている。アメリカ血統の影響によりスピード面では確かなものがあると思われるので、マイル前後のダートで確実に走ってきそうだ。

レアリゼ(牝 栗東・吉田直弘 父フレンチデピュティ、母ドリームキセキ)
 準OPで2着の成績があるシルクドリーマー(父タニノギムレット)の半妹で、母ドリームキセキは現役時代に1000万条件で走っている。2代母ドリームロッチがSecretariat≒Sir Gaylord 3×4で、母ドリームキセキはそれを継続する形でMillicent≒Secretariat 4×4。手堅くスピードを伝えるタイプの繁殖牝馬だろう。本馬の父フレンチデピュティはDeputy Ministerの息子で、Deputy Ministerとフジキセキはニックスの関係にある。この組み合わせからはカネヒキリ、ミラクルレジェンド、トウショウカズン、カラフルデイズ、デグラーティア、メイケイペガスターといった活躍馬が出ている。芝向きのスピードタイプで、マイル以下で本領を発揮する。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング