■東京新聞杯(G3・東京芝1600m)フルゲート16頭/登録23頭
【コース総論】東京芝1600m Dコース使用
・コースの要所!
★コース回収率は単85%、複81%と高め。中穴狙いのスタンスが正解。
★枠番はフラット。信頼度が低いのは外枠も、枠番値が高く割引は不要。
★差し優勢。速い上がりを使える馬は、それだけで買う価値アリといえる。
安田記念、ヴィクトリアマイル、NHKマイルCと、3つのG1が開催される東京芝1600m。コース全体での回収率が非常に高く、重賞全体では複勝回収率85%、G1に限れば109%と、波乱傾向もけっこう強い。4番人気〜9番人気あたりの中穴を積極的に買うスタンスが、もっとも効率がいいと言えそうだ。
最初のコーナーに進入するまでが非常に長いコース形態であり、枠番による有利・不利はほとんどナシ。外枠である7枠〜8枠の複勝率が、ほかと比較して4%ほど低くなっているが、これは「平均人気」の低さに起因するもので、大きく割り引く必要はない。また、内枠が有利というわけでもなく、いちばん成績がいいのは5枠〜6枠である。
直線の長いコースらしく、脚質はかなり差し優勢。差した馬の複勝回収率が99%もあるというのは、きわめて珍しい。上がり3F順位が3位以内の馬は複勝回収率200%以上と、その期待値の高さはそうとうなモノ。脚質的な不器用さのある馬でも、末脚がキレるのであれば、それだけで狙ってみる価値がある。コースデータからは「5枠〜6枠から差せる中穴人気」を、もっともアツいパターンとして推奨したい。
【レース総論】東京新聞杯(G3) 過去10年
・レースの要所!
★3番人気以内馬の信頼度は低めで、複勝率は4番人気〜6番人気と同じ!
★好走馬における6歳以下馬の比率が高い。7歳以上の高齢馬は大幅割引。
★コースデータほど差し優勢ではなく、逃げ〜先行勢もよく残っている。
★休養明けの馬が不振。中8週よりも長いローテの馬は人気でも嫌いたい。
・注目出走パターン
[特注] 前走重賞以外に出走して3着以内(複勝率40.0%、複回率134%)
[買い] 前走5番人気以内、かつひとケタ着順(複勝率30.9%)
[不振] 中8週よりも長いローテ(2-0-1-38)
[不振] 7歳以上馬(0-1-1-41)
[不振] 前走4着以下の馬体重500キロ以上馬(0-1-0-32)
コース同様に、レースの回収率や平均配当も高め。けっこう波乱含みであるのは、人気サイドである3番人気以内馬の[4-4-2-20]という成績からも一目瞭然だ。過去10年でわずか2勝という1番人気を筆頭に、上位人気は総じて信頼度が低め。対照的に、好成績かつ妙味アリなのが4番人気〜9番人気で、ふたケタ人気の超穴馬も材料次第では買える。
年齢別では、4歳馬〜6歳馬の成績がほとんど変わらないのに対して、7歳以上の高齢馬は[0-1-1-41]と絶不調。人気薄となるケースが多いとはいえ、これはさすがに買いづらい。あとは「人気薄の関東馬」が1着に来ることが多いのも、このレースの特徴。2006年のフジサイレンス(11番人気)を筆頭に、2012年のガルボ(8番人気)、昨年のホエールキャプチャ(8番人気)など、勝っているのは人気薄ばかりだ。
あとは、臨戦過程も要チェック。中8週よりも長いローテで出走した馬は全体的に低調で、なんと4番人気以内に推された馬でも[0-0-0-10]と全滅。ほかに買い材料のある人気薄であれば一考の価値アリだが、大幅に割り引いて考えるのが、このレースにおけるセオリーである。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きDコース。土日ともに差しが決まりまくっており、前は厳しいか。
・天候予測
土曜日は晴れそうだが日曜日は降雨があるかも。冷え込みもかなり厳しい。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、シンボリクリスエス産駒○、ダイワメジャー産駒▲、キングカメハメハ産駒△
開幕週から、バンバン差しや追い込みが決まっていた東京の芝コース。差し優勢であるのはいつものことだが、それにしても前が残せていない。ある程度は差せる脚がないと、お話にならない状況といえそうだ。天候については何ともビミョーで、軽い降雨や降雪があってもおかしくない。気温も低く、路盤はかなり硬くなるはずである。
種牡馬成績をモノサシにして考えると、瞬発力が重要ではあるが、けっこうパワーも要求されるといった印象。シンボリクリスエス産駒やダイワメジャー産駒が強いというのは、その影響が大と思われる。「ディープ×トニービン」といったキレに特化した配合よりも、母系にパワーの血が入るパターンのほうが向きそうなコースだといえる。
★出走登録馬・総論×各論 もっとも高い評価となったのは、人気の一角となりそうな
フルーキーだ。京都金杯から中4週で出走する5歳馬で、鞍上も岩田ジョッキーが継続騎乗という想定。さらに、馬格が大きすぎないことや近走内容、「リダウツチョイス×母父サンデー」という適度にパワーがある配合に至るまで、ここは買い材料のオンパレード。気になるのは、東京新聞杯における人気馬の弱さくらいのものだ。
二番手評価に、現在3連勝中の
ヴァンセンヌ。こちらも買い材料が豊富な1頭で、割引材料はほとんど見当たらない。プロフィル的に過剰に人気しそうな点が気がかりだが、4番人気以下となるのであれば、こちらから入る手もありそうだ。脚質もこのレースに向いているし、こちらも継続騎乗予定で、血統も良好。上位に評価してしかるべきである。
三番手評価は
エキストラエンド。こちらを二番手にしようか迷ったほどで、当然ながら買い材料が多く、割引材料がほとんどない優秀な内容。京都金杯では展開に泣かされたが、ここはそれなりに前が流れてくれるだろうし、持ち前の末脚を存分に発揮してくれそうだ。
以下は、マイネルメリエンダ、サトノギャラント、アルフレード、リルダヴァルといった評価順。さんざん「波乱傾向が強い」と煽っておいてアレなのだが、今年の東京新聞杯はコレという穴馬が見当たらず、わりと順当な評価となってしまった。一発があるなら、四番手に評価したマイネルメリエンダか。
■きさらぎ賞(G3・京都芝1800m外)フルゲート18頭/登録9頭
登録頭数はわずか9頭ながら、そのメンツが異様なまでに「濃い」、今年のきさらぎ賞。アッシュゴールド、ポルトドートウィユ、ネオスターダムなどの超良血馬に、百日草特別をレコードで圧勝した牝馬ルージュバック、新馬戦を快勝してこのレースに挑んできたスイープトウショウの子レガッタなど、非常に面白いメンバーとなった。
好走の必要条件は、クラスを問わず「前走4番人気かつ3着以内」であること。過去10年で馬券に絡んだ30頭のうち、25頭までがこの条件をクリアしている。ところが、今年の登録馬でこの条件を満たすのは、ネオスターダム、ポルトドートウィユ、ルージュバック、レガッタの4頭だけ。アッシュゴールドやダノンリバティの過信は禁物といえる。
また、前走距離は長ければ長いほどベターで、ベストはトータル[6-5-5-21]で複勝率43.2%の、前走2000m戦出走組。あとは、新馬戦を勝ったばかりのキャリア1戦馬が全滅している点も重視したいところ。以上のようなファクターから、ここは
ルージュバックと
ポルトドートウィユの2頭を、好走期待度の高い注目馬にあげておきたい。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。