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3歳から重賞戦線で活躍したバトードール、待望の重賞初制覇

  • 2015年03月02日(月) 18時01分
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▲報知グランプリCを勝利、陣営からは笑みがこぼれた


担当はアブクマポーロを育てた厩務員


 皆さん、こんにちは! 南関東競馬をフィールドに取材活動をしている高橋華代子です。南関東の重賞戦線は元中央馬たちの姿が以前よりも多く見られるようになり、新天地でみんな日々奮闘しています。

 2月11日に船橋競馬場で行われた報知グランプリCは、頭数が少なく11頭立てでしたが、そのうち6頭が元中央所属馬。馬名順でお伝えすると、ウインペンタゴン、ガンマーバースト、トーセンアドミラル、トーセンアレス、バトードール、プレファシオと、中央のオープンや準オープンで頑張ってきた馬たちですね。

 なお、プレファシオは左前繋靭帯不全断裂で出走取消となり、そのまま引退して千葉県にある殿山ガーデン乗馬クラブで過ごすことになりました。そこには、一足早く中央から南関東の一員となり10歳まで走ったスターシップが、船橋競馬場の誘導馬になることを目指して訓練中です。

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▲現役時代のスターシップとプレファシオ


 さて、報知グランプリCは、バトードールが今野忠成騎手を背に豪快な差し脚を繰り出しての完勝でした(2着はトーセンアレス)。中央時代はユニコーンS2着やジャパンダートダービー3着の実績はありましたが、3歳の端午S以降勝ち星からは遠ざかっていました。転厩初戦の千葉日報賞で4年半ぶりの勝利を挙げて、ここで待望の重賞初制覇!!!

「身体能力の高い馬だし、うちに来た時からまだやれるって感触はありましたね。前にいたトーセンルーチェ(元中央馬で南関東では3つのタイトルを奪取)と同じ感覚でした。オーバーホールをして調教内容や飼料なども変えて、こうやって結果が出たことは本当にうれしいです。まだ伸びしろはあるので、もっとタイトルを取らせてあげたいです」と川島正一調教師。

 バトードールを担当しているのは、地方競馬を代表するアブクマポーロなど数多くの重賞ウイナーを育て上げてきた楠新二厩務員です。

「ここまで変わってくれるとはね。最初はササ針をして、まだ休み明けかなぁって感じの動きだったけど、追い切りをするごとによくなっていって、初戦の最終追い切りはものすごく動く馬と併せたんだけど、(バトードールは)持ったままで、抜群の手応えで走ってくれたから、これはやれるなって思った。

入れ込むこともあるけど、性格は至っていい仔で、パワーはすごいものがある。スタミナもあって息もすぐに整うから心臓もいいんだろうね。担当馬は子供と一緒で、俺は褒めながら育てていく。持っている能力を生かしてあげるようにするだけだよ」(楠厩務員)

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▲アブクマポーロを育てた楠厩務員とバトードール


 楠厩務員は現在62歳で、朝3時頃から3頭の競走馬のお世話や乗り運動をしていて、現役バリバリです。息子の友廣さんは美浦の木村哲也厩舎の調教助手として所属馬の調教をつけているそうで、友廣さんが関わった馬を応援するのも楠厩務員の楽しみの一つになっているそうです。

 さて、バトードールは今年8歳になりましたが、まだまだ年齢を感じさせません。南関東では最年長馬13歳のマズルブラストを筆頭に、元気な高齢馬たちがそろっています。マズルブラストに比べたら、バドードールも年齢の面では若造ということで(笑)。

「馬のハリはすごいね。体だけでいったら、まだ5、6歳くらいにしか見えないんじゃないかな。食欲旺盛なのは俺と一緒」と楠厩務員はニッコリ。今の充実ぶりでバトードールがこれからどんな走りをしていくのか楽しみです。

 さて、3月11日にはダイオライト記念(船橋2400m)が行われます。南関東からも頼もしいメンバーが出走予定。中央から金沢を経由して昨年のNARグランプリ年度代表馬に輝いたサミットストーンや東京ダービー馬のプレティオラス&インサイドザパーク、羽田盃馬アウトジェネラル、成長著しいドラゴンエアルなどがスタンバイしています。ご注目ください!

南関東競馬リポーター。宮城県仙台市出身。元NHK山形放送局キャスター。タイキフォーチュンがきっかけで競馬の世界を知り魅了され、競馬を伝える仕事に就きたく上京。MXテレビ大井競馬中継を経て、現在は南関東競馬内で取材活動を行っている。南関東競馬公式ウェブサイト内・南関魂、大井競馬ホームページ、サンケイスポーツ、楽天、ウェブハロン、ターファイトクラブ会報誌、馬事通信など。

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