■弥生賞(G2・中山芝2000m)フルゲート18頭/登録11頭
【コース総論】中山芝2000m Aコース使用
・コースの要所!
★3番人気以内馬の複勝回収率89%。信頼度も相応に高く、軽視は禁物。
★少頭数でもあり、枠番による有利・不利はないと考えて問題はない。
★もっとも信頼できるのは先行勢。上級条件でも、先行有利の前提で。
登録頭数11頭と、少頭数での開催となりそうな弥生賞。それに合わせて、今回は10頭立て〜12頭立てのレースに限定して、馬番別データを集計してみた。その結果、紛れの多い中山芝ながら、枠番による有利・不利はほとんど意識する必要ナシという結論に。一応は馬番9番〜12番がもっとも好成績だが、データの母数が少ないのもあり、これは意識しないほうがベターだと思われる。
次に脚質だが、こちらは中山らしく「先行有利」との結論に。集計対象を1000万下〜重賞に限定したデータでも、先行勢の連対率の高さは飛び抜けている。脚質について序列をつけるなら「先行>逃げ≧差し>>追込」といったところ。これまでのキャリアで、ある程度の先行力を見せてきた馬のほうが断然、買いやすい。
ふたケタ人気の超人気薄も平気で突っ込んでくるコースだが、同時に3番人気以内馬の期待値が高いコースでもあるのが、中山芝2000m。登録頭数が11頭となると、さすがに大波乱までは期待薄だろう。もっとも効率がいいのは、上位人気を軸に中穴のヒモに流すような馬券。具体的には、2番人気以内→6番人気〜8番人気あたりを狙うのがオススメだ。
【レース総論】弥生賞(G2) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気馬が7勝8連対と猛烈に強いレース。穴を狙うなら2着〜3着で。
★馬番1番〜4番が複勝率42.5%をマーク。毎年、1頭は馬券に絡む!
★コースデータ同様にレースも先行勢が優勢も、逃げ切りは期待薄。
★前走重賞組の強さと、距離延長組の期待値の高さが目立っている。
2012年〜2013年と続けて1番人気が飛んだが、それ以外の8年はすべて連対。しかも、そのうち7年で「1着」に来ているのだから、優秀としか言いようがない。また、2番人気も好成績で、2番人気以内馬はトータル[8-2-4-6]で複勝率70.0%、複勝回収率92%という高期待値。人気薄でのワンツーなどは、ちょっと考えづらいレースである。
注目すべきは馬番別データ。コース全体で見ると枠番による有利・不利はないのだが、レース単体で見た場合は、馬番1番〜4番の成績が突出。複勝率42.5%、複勝回収率136%、枠番値1.0というのは尋常ではない数値で、もう無条件に「買い」といっても過言ではない。馬場コンディションの良さも大いに関係していると思われ、ここはコースデータよりもレースデータを重視すべきだろう。
脚質についての傾向は、おおむねコースデータ同様。もっとも信頼できるのは先行馬で、次いで差し馬という序列となる。また、先行有利だが逃げ切るのは難しいのもポイントで、逃げて馬券に絡んだのは過去10年、2009年の1着馬ロジユニヴァースのみ。「ハナではなく好位に行く馬」を重視するのが、ここでのセオリーといえる。
好走馬のほとんどは前走重賞組であり、いちばんアテになるのは、前走中央重賞1着馬。前走で重賞以外に出走していた馬は、前走で4番人気以内に推されているのが、勝ち負けの必要条件となる。また、1600m〜1800mからの距離延長組は、人気でよし、人気薄でもよしという絶好の狙い目。積極的に狙っていく価値アリだ。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きAコース。馬場悪化の影響もあるが、先週は前残りが多発。
・天候予測
土曜日から天候が崩れそうで、今週も多少は渋る可能性アリか。
・注目血統
ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、スペシャルウィーク産駒▲、キングカメハメハ産駒△
先週から開幕した中山開催だが、土日ともに前残りが多発。日曜日に芝で1着に来た馬は、すべて4角を4番手以内で通過している。降雨の影響があったとはいえ、そもそもが前残り馬場であるという可能性が大。また、今週も土曜日に多少の降雨がありそうな気配で、そうなるとなおさら、この馬場バイアスが大きく変わるとは考えづらい。
血統については、ハーツクライ、ディープインパクト、キングカメハメハなど、成績上位をイマドキな種牡馬の産駒が独占。なかでも優秀なのがハーツクライ産駒で、回収率の面でも他を圧倒している。あとは、母父にKingmambo系、Nureyev系の種牡馬が入るパターンも好成績。血統の字面だけでいえば、いちばん面白そうなのはタガノエスプレッソだ。
★出走登録馬・総論×各論 昨年から2歳戦の番組がガラッと変更されたワケだが、その影響が強く出そうなのが、今年の弥生賞。阪神外回りの朝日杯FSで好走した馬を、ここで本当に信頼できるのか? そして、ホープフルSや京都2歳Sでの好走が、弥生賞での好走に繋がるのか? こういった部分については「やってみなきゃわかんねえ」としか言いようがない。下手すると、今年から傾向がガラッと変わる可能性もあるのだ。
……と逃げ口上を述べた上で話を進めるが、やはり中山を経験しているという点で有利なのが、ホープフルS組。しかも、そこで「先行して好走」しているのだから、シャイニングレイとコメートの2頭は、高く評価してしかるべきである。というわけで、トップ評価は
シャイニングレイ。1番人気に推されるようならば、信頼度はさらにアップする。
二番手評価に、朝日杯FSの3着馬である
クラリティスカイ。中山は未経験だが、急坂コースの阪神で未勝利を勝ち上がっていることや、2走前のいちょうSをハイペースで先行して勝っている点を高く評価した。コースは替わったが、1600mからの距離延長であることに変わりはなく、内枠を引いてスッと先行できるようならアッサリ勝ち負けまで。2000mの距離も、ギリギリ対応可能と見ている。
そして三番手評価が
コメート。前走、シャイニングレイと0秒2差の2着だった馬が、鞍上・嘉藤ジョッキーのせいで人気薄になるのであれば、こちらは大歓迎。スッと好位を取れるセンスのいい走りをする馬で、今回もコレが大きな武器となるはずだ。できるだけ人気薄となって、その上でファンをアッと言わせてもらいたい。
以下の序列は、完全に枠番次第。馬番1番〜4番にどの馬が入るかで、最終的な評価もガラッと変わると思われる。ただし、過去に先行したことがなく、今回も差す競馬をするであろうサトノクラウンとブライトエンブレムや、前走が非重賞であるトーセンバジルあたりは、割り引いて考えたいところ。先行力重視の姿勢は、最後まで貫きたい。
■チューリップ賞(G3・阪神芝1600m)フルゲート18頭/登録18頭
阪神芝の外回り1600mで開催されるようになって、今年で9年目となるチューリップ賞。桜花賞の最重要トライアルであるのは言うまでもなく、桜花賞の勝ち馬はおろか2着〜3着馬までもが、この登録馬18頭に含まれていると考えていい。先々を占うという意味では、弥生賞以上に重要な一戦といえそうだ。
こちらも弥生賞と同様に1番人気馬が非常に強く、馬券圏内を外したのは2013年のレッドオーヴァルただ1頭。また、阪神JFの上位馬がキッチリ結果を残す傾向にあるのも、このレースの大きな特徴。過去に14頭が出走して、[4-4-3-3]で連対率57.1%、複勝率78.6%は驚異的な数値で、もうフツーに「ここから買う」のがどう見ても正しい。
それ以外の組については、「前走2着以内」であるのが必要条件。となると、ここで買うべきはクルミナル、ココロノアイ、コンテッサトゥーレ、レッツゴードンキの人気4頭に絞られてしまう。まったくもってつまらない結論で恐縮ながら、阪神JFの最先着馬である
レッツゴードンキから、相手3頭に流す馬券をオススメしておこう。
■オーシャンS(G3・中山芝1200m)フルゲート16頭/登録34頭
今週の重賞で高配当を狙うなら、迷わずこのレース。アテになりそうな馬がまったく見当たらないという、何が起こっても不思議ではないメンバー構成である。また、レース自体も波乱傾向が強く、昨年も3連単は57万馬券。人気どおりの順当決着など、まず起こらないと断言してしまってもいいほどである。
重賞となった2006年以降、7番人気以下で馬券に絡んだのは12頭。それらに共通する、もっとも大きな特徴といえるのが……馬体が「デカい」ことだ。12頭のうち9頭までが馬体重500キロ以上馬であり、「当日7番人気以下かつ馬体重500キロ以上」の馬に限れば、複勝率25.0%と、なかなかの信頼度。しかも好都合なことに、今年はこの条件を満たす馬が非常に少ない。
出走が叶いそうな馬のなかでは、
ダッシャーゴーゴー、
ヘニーハウンド、
ワキノブレイブの3頭が、これをクリアしてきそう。当日の馬体重が500キロ以上で、鞍上が「関東所属ジョッキーの乗り替わり騎乗」であれば、期待値はさらに高まる。実際に筆者も、ここから徹底的に振り回した馬券を買う所存である。
■総論×各論・先週の馬券回顧
1着 13ダイワマッジョーレ
2着 05ミッキーアイル
3着 06ローブティサージュ
コパノリチャード(6着)を信頼した以上、これはもう納得の負け。「6連複なら当たってた」とか「中山記念はズバ当たりだった」なんて、捨てゼリフを言うのが精一杯ですよ(遠い目)。
※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。