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外枠からの差しを狙え!/高松宮記念

  • 2015年03月25日(水) 18時00分

■高松宮記念(G1・中京芝1200m)フルゲート18頭/登録20頭


【コース総論】中京芝1200m Aコース使用

・コースの要所!

★人気薄が非常に強いコース。穴をいかに拾うかが勝負のカギとなる。
★信頼度、回収率、枠番値のいずれもトップが「外枠」の特殊コース。
★差し脚質の強さは圧倒的。アタマを差し馬に決め打つのがセオリー。





 中京芝1200mは、かなり波乱度の高いコース。18頭立てのレースにおいて、4番人気〜9番人気に支持された「中穴」が複勝率19.9%と高確率で馬券絡みしており、10番人気以下も[8-9-5-437]で複勝率4.8%と高水準。当然、そのぶん人気馬の信頼度は低いワケで、人気どおりの順当決着を狙うのはナンセンス。積極的に穴を拾いにいくべきコースだ。

 このコースの特徴が、外枠が非常に強いこと。これでもコース改修直後よりは弱くなったのだが、過去3年分のデータをトータルでみると、勝率・連対率・複勝率のいずれも、外枠である13番〜18番がトップ。単勝回収率や枠番値の優秀さが目立っていることから、枠番データからは「外枠の人気薄」をもっとも高く評価したい。

 そして脚質だが、短距離戦とは思えないほどに差し優勢。連対数からして圧倒的で、勝率や連対率にも非常に大きな差が出ている。このデータから、中団から差す馬を連軸に選ぶべきであるのは明白。先行勢は、「3着」で狙うのがベターな選択といえる。外枠から中団待機→直線で鋭く伸びて1着というのが、勝ち馬のイメージである。

【レース総論】高松宮記念(G1) 過去3年

・レースの要所!

★3番人気以内馬は鉄板級も、さすがにそろそろ荒れそうな気配!?
★外枠である13番〜18番の枠番値が異常なまでの高さ。激走警戒!
★スプリント戦らしく馬格の有無が重要。480キロ〜519キロが理想的。







 新・中京での開催となってから、今年で4年目。正直なところ、データ母数の少なさから、アテになるとは言いづらい状況である。あくまで参考データ程度に考えてもらったほうがベターだが、それでもいくつかは攻略の糸口となりそうなモノもあるので、さらっと紹介しておこう。

 3番人気以内馬は[3-2-2-2]で連対率55.6%、複勝率77.8%と信頼度が非常に高く、3年連続で2頭以上が馬券に絡んでいる。ただし、これは波乱傾向が強いコースデータから考えると、いささか「できすぎ」感のある結果。そろそろ大きく紛れてもおかしくない──というのが(個人的な願望込みでの)印象である。

 もっとも注目すべきは、馬番別データ。外枠が強いコースであるのは前述したが、高松宮記念においても、枠番値なんと2.4と「人気よりも上の着順に来る可能性が圧倒的に高い」という結果が出ている。昨年8番人気で2着に好走したスノードラゴンも、8枠17番からのスタート。外枠に入った人気薄は、徹底的にマークしたい。

 あとはスプリント戦らしく、馬体重の大きな馬が強い傾向にあるのも、押さえておきたいポイントだ。過去3年の連対馬6頭はすべて前走馬体重480キロ以上で、前走馬体重479キロ以下馬は3着が精一杯。今年の登録馬では、ストレイトガール、ダイワマッジョーレ、レッドオーヴァルなど人気になりそうな馬が、前走馬体重479キロ以下だ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 引き続きAコース。今年は昨年ほど差し馬場ではなくフラットな印象。

・天候予測
 穏やかな好天が週末まで続く見込み。良馬場前提の予想でオッケイ。

・注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、サクラバクシンオー産駒○、フジキセキ産駒▲

 先週の中京芝はけっこう前が残っており、差し〜追い込み勢が3着に終わっているケースが目立つ。昨年はとんでもない差し馬場だったが、今年に関してはかなりフラットな状況にあると考えていいだろう。天候も、春らしい穏やかな陽気が続くようで、まず間違いなく良馬場での開催となりそう。いいスピード勝負が見られそうだ。

 血統面では、アドマイヤムーンやサクラバクシンオーといった、スプリント適性の高い種牡馬の産駒が好調。ただし、キングカメハメハ産駒(※登録なし)の強さを考えると、純然たるスプリント指向の血統よりも、「少し長め」の距離に適性がありそうな血統を選んだほうがいいかもしれない。

 外国馬エアロヴェロシティについては専門家にお任せするが、とんでもなく異系色の強い血統の持ち主で、日本の芝適性についてはサッパリ予測できない。もっとも、香港のトップスプリンターという時点で、そのスピード能力が日本馬にひけを取らないのは間違いなく、オセアニア血統は日本の馬場への親和性も意外に高く、やはり侮れない。

★出走登録馬・総論×各論

 正直なところ、今週に関しては「枠番確定を待ってくれ」と言いたい気持ちでいっぱい。それくらい、中京芝1200mと高松宮記念は、枠番が重要な予想ファクターである。人気馬ならばそこまで枠番を気にする必要はないが、人気薄の取捨においては何よりも優先すべき──というのが、当データ分析の見立てである。

 まずは、昨年の香港スプリントの覇者であるエアロヴェロシティについて。ゲートに難があるのが気がかりだが、結論からいえば「買い」ジャッジだ。ハナにこだわる徹底先行型ではないのが非常に大きく、前走馬体重540キロという巨体も、このレースについてはプラス評価。鞍上のザカリー・パートン騎手のすばらしい手腕も、強調材料だ。

 逆に、けっこう危なっかしい印象なのがストレイトガール。実績的に軽くは扱えないが、「本番直行」というのは大きな割引材料だ。前哨戦を叩かれずに好走した馬は、過去3年で好走例ゼロ。あっさり勝っておかしくない地力の持ち主だが、馬格の小ささ(前走馬体重457キロ)なども気がかりで、ここは大きく評価を落としている。

 人気薄で注目したいのが「外枠を引いた場合」のサドンストームサクラゴスペル。これだけ先行勢がいれば速い流れになるのは当然で、展開次第で一気に浮上する可能性を秘めている。人気馬では、コパノリチャード、ダイワマッジョーレ、ミッキーアイルの3頭も、買いジャッジとなった。

 あとは枠番次第、オッズ次第だが、今年の高松宮記念は先行勢が楽をできる展開にはならないはず。思い切って、外枠から差せる人気薄に本命を打つのもアリだ。今年は混戦模様でもあり、過去3年よりも荒れる可能性はかなり高いはず。穴馬を積極的に拾って、ぜひ高配当を狙っていただきたい。


■日経賞(G2・中山芝2500m)フルゲート16頭/登録12頭


 休養明け初戦となる馬も出走してくるが、日経賞は「中4週〜中8週」のローテで出走する馬が非常に強いレース。今年だと、AJCCからのローテとなるクリールカイザー、フラガラッハ、マイネルメダリストと、前走ダイヤモンドSのステラウインド、ラブイズブーシェがこの条件に該当する。

 また、集計期間内の勝ち馬がすべて「前走関東出走馬」であるのも、大きな特徴。前走西開催出走組はトータル[0-6-4-36]と、好走はするも勝てていないのだ。サウンズオブアースやアドマイヤデウスをアタマで狙うのは、データ的には推奨しかねる。あとは、6歳以下馬と7歳以上馬で成績差があるのも、ポイントといえる。

 以上の理由から、ここはクリールカイザーステラウインドラブイズブーシェの3頭を注目馬にピックアップ。波乱の余地も十分にあると思われるので、ここはけっこう手広く買うのをオススメしておきたい。


■毎日杯(G3・阪神芝1800m)フルゲート18頭/登録18頭


 現在、大混戦となっている皐月賞への出走ロード。その最終切符をかけて争われるのが、この毎日杯である。順当決着傾向のかなり強いレースで、7番人気以下馬はトータル[0-1-2-60]で連対率1.6%という超・低信頼度。高配当を狙ってブンブン振り回すのに向くレースでないのは、間違いない。

 重要なのが、[8-2-1-23]で勝率が23.5%と非常に高い「前走重賞組」であること。また、瞬発力勝負となりやすい阪神芝の外回りコースでもあり、前走での上がり3F順位が「3位以内」であるのが望ましい。この両方を満たす登録馬は、グリュイエールナヴィオンロードフェリーチェの3頭だけだ。

 今年はアッシュゴールド、アンビシャス、ミュゼエイリアンなど、人気を集めそうな馬が「前走上がり順位4位以下」であるのが懸案事項。このあたりを少し割り引いて、それ以外の人気馬から入ったほうが、好結果を呼び込めそうだ。


■マーチS(G3・中山ダ1800m)フルゲート16頭/登録33頭


 1番人気のアテにならなさが、数ある重賞のなかでもトップクラスである、マーチS。昨年も、1番人気のエーシンゴールドがキッチリ4着以下に沈み、これで4年連続となった。象徴的なのが5番人気以内馬の[5-1-7-32]という成績で、2着には毎年のように「6番人気以下」の穴馬が来ているということ。人気薄を買ってナンボのレースである。

 このレースで何より信頼すべきは、[5-1-3-13]で勝率22.7%、複勝率40.9%と絶好調の、ハンデ57.5キロ以上馬。今年の登録馬ではグレープブランデー、ソロル、ダノンカモン、ランフォルセの4頭が、この条件に合致する。なおかつ、当日7番人気以内に推されていれば、鬼に金棒。登録段階では、ソロルグレープブランデーに、その可能性がありそうだ。

 ここから、1番人気を消した上で徹底的に手広く流すのが、マーチSとの正しい付き合い方。ヒモを6番人気以下に限定して流す馬単などは、かなり効率がいいはずだ。筆者も、実際この通りに馬券を買って、直線では「ヘンなの来い!」と叫ぶ所存である。


■総論×各論・先週の馬券回顧




1着 01キタサンブラック
2着 06リアルスティール
3着 08ダノンプラチナ

トップ評価の06リアルスティールはキッチリ来るも、相手の05ブラックバゴが掲示板にも載れず。念には念を入れてワイドまで買ったというのに、アツく叫べる瞬間はまったくございませんでした(貧血)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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