スマートフォン版へ

あの牝馬も勝ち負けになる!?/大阪杯

  • 2015年04月01日(水) 18時00分

■大阪杯(G2・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録15頭


【コース総論】阪神芝2000m内 Bコース使用

・コースの要所!

★勝ち馬の20%近くが7番人気以下。人気薄の激走に要注意のコース。
★枠番の内外による成績差は小さめ。枠番はそう気にする必要なし。
★差しも届くが直線の短い内回り。後方からの直線一気だとキツい。





 まず驚かされたのが、人気薄が1着にくる確率の高さだ。7番人気以下はトータル[20-20-23-645]で連対率5.6%、複勝率8.9%と意外なほど好走率が高く、13番人気が4回も馬券に絡むなど大活躍。中穴はもちろんのこと、ふたケタ人気の大穴から入ってみるのも悪くはない──と思わせる、そんなコースなのである。

 スタート直後に急坂を駆け上がるコース形態もあってか、序盤のペースはそう速くはならない。それもあってか、枠番による有利・不利も、それほど大きくはない印象だ。信頼度がもっとも高いのは馬番5番〜8番で、こちらは枠番値もプラス0.4と上々。あまり気にする必要はないが、センター枠番が多少は有利といえそうである。

 脚質もかなりフラットで、逃げ馬から追い込み馬まで、まんべんなく馬券に絡んでいる。軸馬で狙うなら連対率の高い差し脚質がオススメだが、穴をあける確率が高いのは、やはり先行勢。「差し→先行」といった決着パターンを想定して、2着〜3着のヒモに人気薄の先行勢を組み込んでいくのが、もっとも効率が良さそうだ。

【レース総論】大阪杯(G2) 過去8年

・レースの要所!

★1番人気は複勝率100%と超優秀。順当決着傾向はかなりの強さ。
★高齢馬は全体的に弱く、若い馬が圧倒的に優勢。中心は4歳馬。
★軸馬で狙うべきは間違いなく「距離短縮の前走G1〜G2出走組」。








 近年の大阪杯は順当決着傾向が非常に強く、1番人気馬は[4-2-2-0]と馬券圏内をまったく外していない。対照的に、ふたケタ人気の大穴は1頭も3着以内に来ておらず、ここを狙うのは正直なところ無理スジ。穴を狙うにしても7番人気〜9番人気あたりが精一杯であり、それなら素直に人気サイドから買ったほうが、はるかに効率がいい。

 年齢別成績で目立っているのが、高齢馬の不振だ。7歳以上馬は[0-1-0-23]とサッパリで、6歳馬も連対率11.5%とイマイチ。4歳〜5歳を重視すべきで、「前走G1〜G2出走組」であればモアベターである。集計期間内の勝ち馬はすべて関西馬だが、関東馬の期待値が低いワケではなく、ここを割り引いて考える必要はない。

 注目したいのが、前走距離別の成績データだ。前走で芝2200m以上のレースに出走していた馬は、トータル[5-3-7-20]で連対率22.9%、複勝率42.9%と高信頼度。対照的に、前走で芝2000m以下戦に出走していた馬は、連対率14.8%、複勝率16.7%と分が悪い。つまり「距離短縮組で前走G1〜G2出走の5歳以下馬」が、近年の大阪杯でもっとも信頼できるパターンといえる。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース→Bコース。先週まではかなりフラットな馬場コンディション。

・天候予測
 金曜日から降雨で、日曜日まで降り続く見込み。重〜不良まであるか。

・注目血統
 ディープインパクト産駒○、ダイワメジャー産駒△、キングカメハメハ産駒△

 今週からBコース替わり。先週まではかなりフラットな馬場コンディションだった印象だが、今週末はあいにくの天候で、大幅な馬場悪化が予測される。直線の短い内回りコースでもあり、そうそう楽に差せる馬場にはならないのではないか──というのが現段階での読みだが、このあたりは土曜日の結果を見たうえで判断したい。

 血統については「あんまり気にしなくてよさそう」というのが素直なイメージ。複勝率43.9%というディープインパクト産駒の好成績が目立つ程度で、ほかに特筆に値するような種牡馬は見当たらない。ならば、ディープ産駒であると同時に、コースと好相性の「母父Storm Cat」でもある、キズナとラキシスの2頭を上位に評価すべきか。

★出走登録馬・総論×各論

 イスラボニータが脚部不安で回避したことにより、昨年の覇者であるキズナの一強ムードとなりそうな、今年の大阪杯。ジャパンカップ以来となるスピルバーグや、近走好調のロゴタイプも上位人気に推されそうだが、オッズにはかなりの開きがありそうだ。キズナをどう扱うかで、おおむね勝敗が決するといっても過言ではない。

 レースデータの項目でも述べたが、近年の大阪杯でもっとも信頼できるのは「芝の距離短縮組かつ前走G1〜G2出走の5歳以下馬」だ。そして、今年の登録馬でこの条件をクリアするのは、キズナとショウナンパンドラ、ラキシスの3頭だけ。また、順当決着傾向が非常に強く、1番人気馬が圧倒的に強いことも、加味して考える必要がある。

 となれば、普通に考えればキズナがトップ評価だ。前走の京都記念は人気を裏切る結果となったが、馬体重+22キロと余裕残しのつくりで、それでいて上がりは最速。今回も脚質的な難しさから信頼しきれない部分はあるのだが、それでも「買い」か「消し」かでいえば、間違いなく前者である。

 そんなキズナを逆転する可能性を秘めるのが、牝馬のラキシス。そう馬格のあるタイプではないだけに、パワーを求められる馬場となった場合に不安はあるが、好位〜中団で流れに乗れるというのは大きなプラス材料。有馬記念も、積極的な競馬をしたうえで6着にきているのだから、やはり力がある。狙ってみる価値は十分すぎるほどだ。

 そして、危なっかしいのがスピルバーグだ。約4ヵ月の休養明けであり、末一手の脚質も大幅マイナス。戦ってきた相手を考えると軽くは扱いづらいが、阪神の外回りならばともかく、内回りで人気に推されて買いやすいタイプではない。さらにいえば、右回りでの出走も一昨年の夏以来。やはり、プラス材料よりマイナス材料のほうが目立つ。

 ……というわけで、今回の上位評価組はキズナとラキシスの2頭だけ。以下は大接戦で、タガノグランパ、ロゴタイプ、エアソミュール、カレンブラックヒル、スピルバーグ、ショウナンパンドラ、デウスウルトといった序列である。ここでまさかの「人気薄の一発」があるとすればタガノグランパとみるが、どうか。


■ダービー卿チャレンジT(G3・中山芝1600m)フルゲート16頭/登録26頭


 中山での過去9回で、2番人気以内馬が[1-1-1-15]と飛びまくっている、ダービー卿CT。昨年もこの両方が飛んで、3連単31万馬券という波乱決着となった。この傾向は今年も継続する可能性のほうが高いはずで、ならば当然、穴狙いのほうがオススメ。今回は、7番人気以下で好走した馬のデータから、激走パターンを探ってみたい。

 間違いなくいえるのが「前走芝マイル戦組(シェア68.8%)」で、なおかつ「5歳以下馬(シェア68.8%)」を狙うべきということ。人気薄で激走した馬の7割近くがこのパターンで、この両方を満たした馬の複勝回収率は、なんと264%もある。ちなみに、昨年2着のカオスモスと同3着のインプロヴァイズは、どちらもこの条件をクリアしていた。

 今年の登録馬では、インパルスヒーロークラリティシチーマイネルメリエンダの3頭に、激走条件クリアの期待が持てそう。読み通りに人気薄となるようであれば、積極的に買う価値アリだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧





1着 04エアロヴェロシティ
2着 15ハクサンムーン
3着 16ミッキーアイル

ハイどーも馬券下手です。直前の雨でガラッと外差し馬場へとシフトしたワケですが、それに発走直前まで惑わされまくり。いかに自信がなかったかが、複勝というチョイスによく出てますねー。そして見事に、06サドンストームは4着に終わるという(吐血)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング