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POG向きの仕上がりの早さを備えたディープ産駒ノーブルワルツ

  • 2015年04月15日(水) 12時00分
【2歳】
ウィズエモーション(牡 美浦・栗田博憲 父クロフネ、母ミスアルダント)
 母ミスアルダントはJRAで8戦3勝、900万条件の競走馬だった。セールスポイントはその血統。日本ダービー馬タヤスツヨシの全妹にあたる。これにクロフネを付けて誕生したのが本馬。「クロフネ×サンデーサイレンス+La Troienne」という構成は悪くない。Mr.Prospectorがあればベストだが、おそらくダート向きに出ると思われるので問題ないだろう。仕上がりは早く、マイル前後に向く。

セキサンシップ(牝 栗東・坂口正則 父クロフネ、母セキサンダンスイン)
 母セキサンダンスインは1勝馬で、その兄弟はグレートステージ(05年兵庫チャンピオンシップ-GII・4着)など地味ながらコンスタントに走っている。2代母セキサンシラオキは小倉3歳S(GIII)4着馬、3代母はサンエイソロン(重賞4勝)の4分の3妹、さかのぼればシラオキに至るという在来の名門牝系に属している。本馬は初子。母方に入って好影響を与えるマルゼンスキーを抱え、Nijinsky 3×3という強度のインブリードを持っているので繁殖牝馬として期待できる。芝・ダート兼用のマイラー。

ドルフィンマーク(牡 栗東・須貝尚介 父ヴィクトワールピサ、母レッドクローシュ)
 半兄ペプチドアマゾン(父アグネスタキオン)は京都新聞杯(GII)2着、日本ダービー(GI)4着という好成績を残している。父ヴィクトワールピサは今年の新種牡馬。現役時代にドバイワールドC(首G1)、皐月賞(GI)、有馬記念(GI)などを制した名馬で、初年度の血統登録頭数は102頭。社台グループは良質な繁殖牝馬を用意してバックアップしている。本馬は社台グループの生産馬ではないが、母は追分ファームの生産馬で「トニービン×ノーザンテースト+ハマナス牝系」なので純社台血統。父がどの程度の素軽さを伝えられるかが問題で、現代的なスピード血統をさほど含んでいないこの母のような血統からコンスタントに活躍馬を出すことができれば前途は明るい。芝向きの中距離タイプだろう。

ノーブルワルツ(牡 美浦・成島英春 父ディープインパクト、母ワルツオブキャット)
 準OPまで出世したジョングルールの4分の3同血(父が同じで母同士が親子)。母ジュエリーは中央未出走のまま登録を抹消、ホッカイドウ競馬に移って馬名をワルツオブキャットと変更し、6戦4勝の成績を残した。母の父Songandaprayerはサープラスシンガー(07年函館スプリントS-GIII・2着)を筆頭にスピード豊かな産駒を送り出した芝・ダート兼用タイプ。その父Unbridled's Songは父ディープインパクトと相性がよく、「ディープ×Unbridled's Song」の組み合わせから朝日杯フューチュリティS(GI)を勝ったダノンプラチナが出ている。また、2代母の父Storm Catと父の相性の良さはあらためて説明するまでもないだろう。マイルから中距離で活躍が期待できる好配合馬だ。仕上がりは早く、2歳戦からガンガン走りそうなタイプなのでPOG向き。

【3歳】
スリーロード(牡 栗東・藤沢則雄 父スズカフェニックス、母スリーローマン)
 母スリーローマンはオペラハット(99年東京王冠賞、ジャパンダートダービー-GI・2着)の半妹で、現役時代に府中牝馬S(GIII)で3着となったほか、繁殖牝馬として菊花賞馬スリーロールス(父ダンスインザダーク)の母となった。スリーロールスの半弟にあたる本馬はスズカフェニックスの子。母方にRobertoが入るところは父の代表産駒マイネルホウオウ(13年NHKマイルC-GI)と同じ。馬名登録がだいぶ遅くなってしまったが、POG期間内に出走できればいきなり勝ち上がることも可能だろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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