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【障害200勝達成】“歴史のひとかけらくらいに”熊沢重文騎手特別インタビュー(後編)

  • 2015年04月20日(月) 17時59分

大台の1000勝へ向けてカウントダウン


 平地と障害双方に乗り続ける、稀有な存在の熊沢重文。何度ケガをしても、何度理不尽な想いをしても、騎手を辞めたいと思ったことは一度もないという。

「馬に乗るのが好きなんです。馬が好き、馬乗りが好きっていうのを外さなければ、理不尽なことにも耐えられる。たまに悩ませてくれる馬もいるので、それもプラスなんだと思います。ままならないことが多いのが、好きでいられる要因なのかもしれませんね。簡単にクリア出来たらつまらないじゃないですか。

今はほぼ完成された馬が競馬場に来るけど、昔は背中すら触らせない馬がいっぱいいて、鞍付けから馴らして行ったんです。僕はそういう時代だったので、馬を育てて行くというチャンスを与えてもらいました。今の若い子は完成に近い馬に乗るのが当たり前なので、感覚的には僕らと違うと思います。

経験している人間からすると、一番大変だけど一番面白いところを省いて乗っているから。そういう経験がないというのはマイナスにはならないけど、一つ引き出しが少ないかなというのはありますね」

熊沢重文騎手

▲「たまに悩ませてくれる馬もいる、それもプラスなんだと思います」


 熊沢は47歳になった現在も、火曜日から金曜日まで毎朝調教に出ている。追い切り日の水・木のみという騎手も多い中で、長年そのスタンスを崩すことはない。

「僕は特にトレーニングとかはしていないんですけど、毎朝の調教がトレーニング代わりになっていると思います。ずっと続けて来たからこそ、今の体力がある。ポリシーなんてこともないけど、仕事をしないとレースに乗れないですから。積み重ねなんでね、何でもそうでしょうけど」

 現役生活29年目。30年の節目が迫っている。ここまでの騎手人生は、熊沢にとってどんなものだったのだろうか。

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