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近走の内容から距離延長に不安はない/フローラS

  • 2015年04月25日(土) 18時00分


今年のフローラSは余計、重要になるかもしれない

 本番のオークスでは、最近10年、

▽桜花賞から直行組が【1着-8頭、2着-6頭、3着-4頭】。馬券に関係した30頭の、60%に当たる「18頭」を占めている。勝率が光る。

▽ ほかのステップでオークスを快走した馬は12頭となるが、中では、このフローラS組の【1着-1頭、2着-3頭、3着-4頭】=8頭がもっとも多い。また、フローラS好走からオークスに出走して3着以内に快走した8頭のうち、7頭はフローラSの1、2着馬だった。

▽ その他のステップでオークスを好走した馬は、全部で4頭にとどまる。フローラSは思われるより、かなり重要なトライアルである。

 とくに今年は、オークスに直結するはずの桜花賞が、レベルを推し量れない異常な流れになったため、オークスのベースになるのは例年通りとなるだろうが、総合能力が不明である。余計、フローラSは重要になるかもしれない。

 少し脱線するが、JRAの担当者もあまりにひどいレース内容に混乱したのだろう。着差だけでレッツゴードンキに「112」という、ジェンティルドンナを上回り、ブエナビスタと同じレーティングを与えてしまった。これは同じ阪神1600mで回を重ねる桜花賞の歴史の中、GIでは最も基本のタテの比較という整合性を欠いている。残念ながらマト外れだろう。離された2着以下は、同日の未勝利より劣る中味だったから、3ケタのレーティングは成立しない。さすがにあそこまでひどいと、4馬身差には意味がない。多場や他国のマイル戦との比較ではなく、同じ阪神1600mのレースで走った馬には、整合性を持たせるためにタイム比較も重要である。ジャパンCのエピファネイアの数値を、他機関から指摘されて大幅に変更した失敗があったが、これは早めに修正したほうがいい。歴代的な恥になり、来年からもっと整合性を欠くレーティングを出し続けることになりかねない。レッツゴードンキの能力が低いという意味ではなく、あれはレースが破綻している。

 東京コース【2-0-0-0】のディアマイダーリンから入りたい。前走はスタートで出負け。スローを察知して早めに動いたが、全体のペースアップとタイミングが合ってしまい、結果、なし崩しに脚を使った形になってしまった。休み明けの不利もあったろう。

 この時期からどんどんパワーアップして不思議ないハーツクライ産駒。キングマンボ産駒の母は、ゴールドアリュールなどの母として知られるニキーヤの半姉。こちらも成長力はある。1800mの内容から、距離延長に不安はない。

 柔らかな動きが光るフロレットアレーと、前回1800mの内容がいいシングウィズジョイが相手の本線。伏兵では、ロックキャンディと、目下波に乗るキングカメハメハ産駒のバンゴールに魅力がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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