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データ的には「1強」かも!?/天皇賞・春

  • 2015年04月29日(水) 18時00分

■天皇賞・春(G1・京都芝3200m外)フルゲート18頭/登録18頭


【コース総論】京都芝3200m外 Cコース使用

※今回は「京都芝2200m〜3200mの外回りコース」を集計対象としています

・コースの要所!

★人気馬がキッチリ強い印象で、超人気薄の激走率はかなり低めのコース。
★イメージ以上に内枠有利。馬番1番〜6番の信頼度は他と比較にならない。
★先行脚質が飛び抜けて好成績。差しも決まるが取りこぼしも多く過信禁物。





 京都の芝3200mは現在、天皇賞・春の専用コースとなっている。そこで特例として、今回は京都芝2200m〜3200mの「外回り」を集計対象とした。かなりアバウトな分析となってしまうが、こればっかりは致し方ないのでご了承いただきたい。「まあ、それなりにはアテになるかな」程度に考えていただければと。

 で、まずは全体的な傾向から。長距離戦でもあり展開のアヤがありそうなイメージだが、上位人気の信頼度はかなり高く、対照的に人気薄はイマイチ。中穴はけっこう馬券に絡んでいるが、大穴狙いでブンブン振り回すのは効率がよくない。人気薄を狙う場合でも、それなりの人気馬から流すヒモとしてチョイスするのが望ましい。

 続いて枠番だが、ちょっと驚いてしまうほどに内枠有利。集計条件における馬番1番〜6番の連対率は18.2%と、中枠や外枠とは比較にならないほどの高さを誇っている。平均人気が高いというのも理由のひとつだが、それでいて枠番値はプラス0.6という高水準。好位〜中団のポジションが取れる馬なら、期待値はさらに高くなる。

 続いて脚質だが、こちらは先行脚質の好成績が目立っている。複勝率ベースで比較するとそれほど差はないのだが、これが連対率になるとその差は圧倒的。穴をあけているのも先行勢が圧倒的に多く、ここは徹底的にマークしておく必要がある。差しも決まるコースだが、2着〜3着に取りこぼすケースも多いので、過信は禁物だ。

【レース総論】天皇賞・春(G1) 過去10年

・レースの要所!

★ふたケタ人気馬が3勝5連対と大活躍。波乱傾向がきわめて強いレース。
★内枠は人気薄でも「買い」がセオリー。昨年も12番人気で3着に激走している。
★7歳以上の高齢馬は大幅割引。4歳馬〜5歳馬を中心に馬券を組み立てるべき。








 3連複でも、2万円を超える高配当が毎年のように飛び出している天皇賞・春。1番人気が[1-0-1-8]と不振なのも要因だが、それにしてもふたケタ人気馬が強い。ビートブラック、マイネルキッツ、スズカマンボと3頭の勝ち馬が出ているように、大穴がアタマで来るのがこのレース。馬券は、かなり手広く買ったほうがいい。

 次に枠番についてだが、コースデータで好成績だった馬番1番〜6番の「内枠」が、ここでも存在感を発揮。信頼度では差がないのだが、人気薄での激走率が異様に高いのである。平均人気は9.5ともっとも低く、それでいて平均着順は8.2というぶっちぎりの高さ。人気薄を取捨する上で、何よりも優先すべきは枠番といえる。

 データは掲載していないが、脚質についても少し触れておこう。ここで注意したいのが追い込み勢の不振で、4角10番手以下のポジションだと、その時点でほぼアウト。直線の長い外回りコースだが、直線一気などまず決まらない。最悪でも中団の位置は欲しいところで、好位が取れればベスト。とくに軸馬に関しては、脚質をしっかり意識しておきたい。

 年齢別成績で、5歳以下馬が圧倒的に強いのも押さえておきたいポイント。勝ち馬が出ておらず信頼度も低い7歳以上馬に関しては、かなり割り引いて考えるべきだ。あとは、いわゆる「中央はえぬき」のジョッキーが、元地方ジョッキーや外国人ジョッキーと互角に張り合っているのも、天皇賞・春の特徴といえる。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 路盤に鉄板でも入れたのかというくらいに超・高速馬場。そうそう差せない。

・天候予測
 週末まで好天が続きそうで、パンパンの良馬場となる見込み。時計も速い。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ハーツクライ産駒▲、アドマイヤドン産駒☆

 アホほど高速馬場になることでおなじみ、この時期の京都芝コース。開幕週に行われたマイラーズCでは「上がり3F32秒9で勝ったレッドアリオンが上がり順位5位タイ」という、笑えないほどの高速上がり決着となった。最後方からの競馬だったディアデラマドレにいたっては、31秒9という史上最速クラスの上がりをマーク。こんな馬場で前が簡単に止まるワケがなく、ハナ〜好位勢にかなり有利と思われる。

 血統面は瞬発力コースに強い「いつもの面々」を順当に高評価。京都芝の申し子であるディープインパクト産駒の強さはさすがで、連対率、複勝率ともにぶっちぎりの高さをマークしている。注目はアドマイヤドン産駒で、アドマイヤデウス以外にもアドマイヤケルソがこの条件で好成績を残しており、適性はかなり高いはず。血統的に面白そうな馬を1頭あげろといわれれば、迷わずアドマイヤデウスを推したい。

★出走登録馬・総論×各論

 昨年の雪辱を期するキズナに、阪神大賞典を快勝して今年こそはと意気込むゴールドシップ、このレース三連覇を狙うフェノーメノなど、今年も好メンバーがそろった天皇賞・春の登録馬。重賞連勝と勢いのあるアドマイヤデウスや、昨年の菊花賞2着馬サウンズオブアースなども侮れず、混戦&熱戦が期待できそうだ。

 一応の好走条件といえるのが、前走で「大阪杯3着以内・日経賞2着以内・阪神大賞典1着」であること。これをクリアするのは4頭だけで、さらにその他のデータ面も加味して考えると、中心となりそうな馬は2頭にまで絞られる。それがアドマイヤデウスとキズナで、評価順もここがワンツーとなった。

 トップ評価はアドマイヤデウス。クラシック戦線では結果を残せなかったが、日経新春杯と日経賞を連勝と、もっとも勢いのある1頭だ。大きな割引材料は見当たらず、ローテ面や年齢、血統などプラス評価の多さもトップクラス。京都芝で4着以下なしというコース実績も心強く、一線級が相手でも好勝負になると見ている。

 二番手に、おそらく1番人気となるであろうキズナ。しかし、アドマイヤデウスから少し離れての二番手であり、三番手以下との差はほとんどない。パターン的には間違いなく「買い」なのだが、この馬の場合は脚質が大きなネック。昨年も最後方からの競馬で4着に敗れているが、それが繰り返されるのではないか──という不安が頭をよぎる。

 僅差の三番手にサウンズオブアース。前走では4着に敗れたが、久々のレースでもあり、序盤から流れにうまく乗れなかったのが大きかった。叩かれての上積みは大きいはずで、こちらは内田博ジョッキー騎乗でもあり、中団より前のポジションを取りに行きそう。いっそのこと好位にでも行ってくれれば、かなり面白い。

 ここまでの3頭が上位評価組で、以下はウインバリアシオン、ラブリーデイ、フェイムゲーム、ラストインパクト、スズカデヴィアス、クリールカイザーといった序列ながら、実際はどんぐりの背比べ。ゴールドシップは「超高速馬場の外回り」を、フェノーメノは近2走のイマイチな成績を理由に、ここは消し評価とした。

 もっとも、ここは枠番が結果を大きく左右するレース。現時点で低評価だったとしても「馬番1番〜6番に入った中団より前が取れる馬」であれば、もうノータイムで買うべきである。人気馬がそれぞれ不安材料を抱えているレースだけに、今年も波乱決着となる可能性はかなり高そう。ここで儲けて、いいゴールデンウィークを過ごしたいものだ。


■青葉賞(G2・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録19頭


 ダービーへの切符をかけて、どの馬も意地でも2着までに入りたい青葉賞。1番人気は[5-1-1-3]と好成績を残しているが、上位人気でキッチリ決まるといったレース傾向にはなく、10番人気ショウナンラグーンが制した昨年のような結果が大いにありうる一戦だ。

 まずはバッサリと切り捨てたいのが、連闘〜中2週で出走する馬と、中8週よりも長い間隔での出走となる馬。中3週〜中8週で出走する馬に、ターゲットを絞り込んでしまおう。また、前走で1800m以下戦に出走していた馬よりも、前走で2000m以上戦に出走していた馬のほうが[7-8-9-79]と信頼度は格段に高い。

 あとは、瞬発力が要求される東京芝らしく、前走での上がり3F順位も要チェック。「前走芝で2番人気以内かつ上がり3F順位2位以内」の馬も、トータル[6-6-7-33]で連対率23.1%、複勝率36.5%と高信頼度だ。そして、ここまでにあげた好走条件をすべてクリアするのが、レーヴミストラルカカドゥタンタアレグリア。素直にここを買うか、もしくはここからヒモ穴に流すのが正解──といった結果になりそうな気配を感じる。


■総論×各論・先週の馬券回顧




1着 05シングウィズジョイ
2着 06ディアマイダーリン
3着 01マキシマムドパリ

スケベ馬券、いろいろな意味で失敗(赤面)。一応、マキシマムドパリが2着に届いていればプラス(馬単05→01は36.4倍)とはいえ、ヒモ荒れを狙った馬券でこの結果とは、読み違えもいいところデスヨ。そもそも3着だし!

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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