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高知の帝王 VS 赤い彗星の戦い勃発!

  • 2015年05月12日(火) 18時00分
赤岡修次騎手と永森大智騎手

赤岡修次騎手(左)と永森大智騎手(右)



新しい局面を迎えた高知のツートップ、赤岡修次騎手と永森大智騎手にお話を伺いました



 高知競馬場では、長い間赤岡修次騎手の1強時代が続いていました。しかし昨年の秋から、赤い彗星こと永森大智騎手が覚醒、2強時代に突入しています。新しい局面を迎えた高知のツートップにお話を伺いました。

 まずは、11日から初の南関東期間限定騎乗に挑戦している赤岡修次騎手。初日の初騎乗から勝利を挙げ、早速存在感をアピールしました!

赤見:早く1勝したい!と仰っていましたが、速攻で決めましたね。

赤岡:ありがとうございます。いい馬に乗せていただいて感謝しています。1つ勝ててホッとしました。これまでもスポットで南関東で騎乗したことはありますが、約2か月腰を据えて乗るのが初めてなので、戸惑うこともありますね。特に小向トレセンでの調教は難しいです。競馬場と違ってコースの間に切れ目があるし、体感時計もまだしっくりこない感じで…。ただ、周りの方々に本当によくしてもらっているので、とても有難いです。今の自分がどこまでやれるのか、どこまで通用するのか、ジョッキーとしてのレベルを知るのにいい機会だと思っています。

赤見:赤岡騎手にとっては、初めての長期遠征になりますね。

赤岡:そうですね。オフシーズンがある競馬場だと期間限定騎乗をしやすいのかもしれないですけど、高知は通年で開催しているし、基本的に人手が足りない競馬場なので。たくさんのいい馬を任せてもらっているし、なかなか長期間競馬場を空けるという選択はできなかったです。ただ今回は、ワールドスーパージョッキーズシリーズの時のアメリカンダイナーの騎乗を見て、「一度やってみませんか?」という風に声を掛けていただいたので、思い切って挑戦することにしました。

赤見:南関東での活躍も楽しみですけれども、高知でのリーディング争いもものすごかったですね!今年の初めは永森大智騎手の独走かと思われましたが、赤岡騎手が一気にひっくり返すという。

赤岡:僕もびっくりしました(笑)。永森くんはすごく頑張っているし、全国リーディングの雑賀厩舎が全面バックアップしているので。一時期は20勝近く離されたんですけど、そこからいろいろな馬たちが頑張ってくれました。僕としては、後輩が頑張っているからといって、「はい、どうぞ」とリーディングを明け渡すわけにはいかないんでね。南関東に来るまでに抜くことができて良かったです。でも永森くんにとったら、かなりキツイと思いますよ。僕が2か月抜けて自分がリーディングを獲っても、結局獲った気持ちにはなれないでしょうから。

赤見:赤岡騎手1強の時代から、永森騎手が台頭してきて、見ている方としてはとても面白いです。

赤岡:高知はみんな頑張っているんでね、本当にどんどん成長していますよ。永森くんはここからが勝負だと思います。僕もそうだったんですけど、地元でリーディングを獲って、高知の代表として県外にいって、そこで結果を出せるかなんです。そうなって初めて高知のリーディングとして認めてもらえると思うんですよ。だから、今年のスーパージョッキーズトライアルは僕は予選(ワイルドカード/5月26日金沢)からで、永森くんが本戦(第1ステージ7月7日/大井)から出場なんでね、そういう場面で成長しながら結果を出して行ければと思います。僕もまだまだ負けないように頑張ります!

***

続いては、昨年一気に勝ち星を増やし、帝王赤岡騎手に迫っている永森大智騎手。

赤見:赤岡騎手が南関東に行きましたけれども、高知のレースは何か変わりましたか?

永森:乗り馬的には僕はあまり影響はないんですけど、レースの中で威圧感みたいなものがないですね。いない間に勝ち星を増やしてと思っています。なるべく引き離さないと。

赤見:今年に入ってから永森騎手の独走でしたけど、そこから1つずつ追い上げられるというのは、けっこうキツかったんじゃないですか?

永森:そうですね。15勝以上あったのに、一気にひっくり返されましたから。修次さん相手では、15勝くらいの差じゃダメなんだと思いました。もともとすごい人だとは思ってましたけど、改めてそのすごさを実感しました。

赤見:赤岡騎手はどんなところがすごいと思います?

永森:乗り馬の質でいえば、僕の方がいい馬に乗せてもらっているんです。だから絶対にリーディングを獲らなきゃいけない。でも修次さんは、癖のある馬とか能力的に劣る馬に乗っても勝負できるんです。スタートだったり道中の位置取りだったり、いろいろなところがすごいと思います。実際に短期間でも自分が高知の1位になってみて、その立場の重みというものも感じました。修次さんが迫って来た時は焦ったけど、こんな人と並んで勝負ができるというのはすごいことなんだって気持ちを切り替えました。

赤見:4月30日に笠松競馬場で行われたオグリキャップ記念では、リワードレブロンとのコンビで2連覇を達成しました!今年のレースは昨年以上に強かったですね。

20015年オグリキャップ記念

リワードレブロンとのコンビでオグリキャップ記念2連覇を達成した永森大智騎手



永森:外枠がどうかなと思ったんですけど、終わってみればいつでも動ける場所に居られたので良かったです。向正面で岡部さんの馬(ブルースイショウ3着)が来た時に馬も反応してくれて、4コーナーでなんとかなるんじゃないかって思いました。去年よりも強いレースでしたね。馬場も合っているんだと思います。

赤見:赤岡騎手も仰っていましたが、県外で結果を出すというのは大きいんじゃないですか?

永森:本当にそうですね。修次さんが通って来た道を僕も今少しずつ歩いていると思っています。まだまだ背中は遠いけど、前はその背中さえも見えないくらいの存在だったので。修次さんが抜けて高知がつまらなくなったとは言われたくないですし、修次さん以外にもジョッキーがいるっていうことを見せたいです。今年は僕にとって勝負の年なので、精いっぱい頑張ります!

常石勝義
1977年8月2日生まれ、大阪府出身。96年3月にJRAで騎手デビュー。「花の12期生」福永祐一、和田竜二らが同期。同月10日タニノレセプションで初勝利を挙げ、デビュー5か月で12勝をマーク。しかし同年8月の落馬事故で意識不明に。その後奇跡的な回復で復帰し、03年には中山GJでGI制覇(ビッグテースト)。 04年8月28日の豊国JS(小倉)で再び落馬。復帰を目指してリハビリを行っていたが、07年2月28日付で引退。現在は栗東トレセンを中心に取材活動を行っているほか、えふえむ草津(785MHz)の『常石勝義のお馬塾』(毎週金曜日17:30〜)に出演中。

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