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信頼に足る馬をしっかり見極めよ!/安田記念

  • 2015年06月03日(水) 18時00分

■安田記念(G1・東京芝1600m)フルゲート18頭/登録19頭


【コース総論】東京芝1600m Cコース使用

・コースの要所!

★人気馬の信頼度はそう高くはなく、中穴狙いのスタンスが効率的。
★コースの内外を気にする必要はほとんどないが、少しだけ内有利か。
★勝利数は差し脚質が圧倒的多数。中団から差せる馬を重視したい。






 この春だけで3回も分析対象としているコース。NHKマイルCがAコース、ヴィクトリアマイルがBコース、そして安田記念がCコースという変遷だが、一貫して前の馬が残っているのは意識しておきたいところ。NHKマイルCとヴィクトリアマイルは、奇しくも両方が「5番手からの好位差しと2番手の前残り」による決着だった。

 また、1番人気馬が4着以下に沈んでいるのも共通で、これは当コースの傾向にも当てはまる。3番人気以内馬の信頼度はけっして高くはなく、期待値も低め。10番人気以下が10勝もしていることからもわかるように、波乱傾向のけっこう強いコースなのである。今回も、中穴〜大穴を積極的に狙っていきたいところだ。

 枠番については「内外で大きな差はない」というのが結論。ただし、信頼度の面でも期待値の面でも内のほうがベターであるのも事実だ。枠番によって評価をガラッと変える必要はないが、チョイスに悩んだ場合は内枠を優先したほうが、好結果に繋がる可能性は高くなるはず。「内枠〜中枠から中団待機→直線で早めに抜け出す」という競馬が理想的なコースといえる。

【レース総論】安田記念(G1) 過去10年

・レースの要所!

★1番人気はわずか3勝。ロードカナロアなどの超G1級しか信用できない印象。
★内枠有利の傾向がコースデータよりも大幅に強まる。内枠重視がオススメ。
★前走上がり3F順位が3位以下だと勝つのは厳しい。軸馬には2位以内馬を。








 昨年は1番人気のジャスタウェイが人気に応えるも、2着に16番人気のグランプリボスが、3着にも10番人気ショウナンマイティが突っ込み高配当に。上位を人気馬が独占したケースは過去10年で一度もなく、波乱傾向の強さはかなりのもの。ふたケタ人気の超人気薄を、積極的に狙うべきレースである。

 まず注目したいのが馬番別データだ。コースデータ分析では「内外の差はほとんどない」という結論だったが、レースデータでは内枠有利の傾向がクッキリ。平均人気が高いのも内枠が強い理由のひとつだが、連対率や複勝率にこれだけの差が出ているとなると、無視はできない。レースデータ重視で、内枠の評価を上げたほうがいいだろう。

 あとは、差し優勢のコースでもあり、瞬発力の有無もしっかり見極めたいところ。前走での上がり3F順位が「2位以内」の馬が圧倒的優勢で、3位以下の馬はトータル[1-4-4-91]と大不振。2着〜3着のヒモに狙うなら問題ないが、連軸や1着軸に指名する馬は、前走上がり順位が2位以内であることを必須条件とすべきだ。

 ひねった系のデータでは、「前走馬体重」による成績差もなかなか面白い。前走馬体重が479キロ以下だった馬は、トータル[1-2-4-55]で連対率4.8%、複勝率11.3%とイマイチの成績。前走馬体重480キロ以上馬と比較すると、その信頼度は半分程度でしかない。ダイワマッジョーレ、ダノンシャーク、フルーキーの3頭は、意外にアテにならない可能性もありそうである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Cコース継続。内枠の先行勢に有利な馬場コンディションである印象。

・天候予測
 金曜日〜土曜日が雨予報。これが後ろにズレると馬場の大幅悪化も。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○

 雨が降るとの予報だった先週末が、晴天&パンパンの良馬場。天候の変わりやすい時期だけに何とも言えない部分はあるが、現時点では金曜日〜土曜日にかけて、天候が崩れるとの予報が出ている。今週こそ馬場の悪化がある可能性が高いとみて、軽いキレが持ち味のタイプは、少し割り引いて考えておいたほうがいいかも。

 血統については、ごくフツーにディープインパクト産駒とダイワメジャー産駒を上位に評価。ハッキリ優秀といえるのはこの両者くらいのもので、以下は似たり寄ったりという印象である。ちょっと気になるのがスクリーンヒーロー産駒の不振で、上位人気に推された馬が何頭もいるのに、期間内未勝利。「モーリスは別モノ」という考え方もあるかもしれないが、母系に入る血の重さを考えると、一抹の不安を覚えてしまう。

★出走登録馬・総論×各論

 今年の安田記念は、例年にも増して難しいレースとなりそうだ。その最大の理由が、このメンバーの手薄さ。あえて酷い表現をすれば、G1ではなくG2かG3と言われたほうが、しっくりくるほどだ。昨年秋のマイル王ダノンシャークや、豪G1を制して帰国したリアルインパクト、強烈な末脚で破竹の3連勝中のモーリスなどが入り乱れての大混戦で、一筋縄ではいかないレースになりそうである。

 当データ分析のトップ評価はフィエロ。前走のマイラーズCでは人気に応えられず僅差の3着に終わったが、調整面で難しさのある「海外遠征後の休養明け初戦」であったことを考えれば、上々の結果といえる。昨年のマイルCSで2着に来た実績もあり、血統面や前走レース内容など、好走の裏付けとなる材料も豊富。このレースで数少ない、アテになりそうな人気馬といえる。

 ここからのヒモ荒れを狙うイメージで、二番手にはサンライズメジャーを抜擢。昨年の秋にはミッキーアイルと差のないレースをしており、前走も勝ち馬とクビ差の接戦と、力のあるところを見せている。うまく内枠でも引ければしめたもので、前走同様にハナを切って逃げるのも面白そう。大舞台に強い池添ジョッキーが騎乗予定というのにも、食指が動かされる。

 三番手に、マイラーズCの勝ち馬であるレッドアリオン。成績がイマイチな前走1400m戦組よりも、やはり前走マイル戦組を上位に狙いたいところ。母系からもマイルがベストであるのは間違いなく、ここにきてようやく素質が開花してきた感もある。能力的にもそう差はないと見て、ここは「狙い頃」と見ているが、どうか。

 そして、四番手にモーリス。「前走最速上がりの1600m戦組」で、本来もっと高く評価してしかるべき馬ではある。しかし、毎度のように出遅れるのは、やはり大幅なマイナス材料。勝ちっぷりが派手すぎて過剰に人気しそうであることや、恐らく1番人気に推されるであろうことも、割り引いて考えた理由のひとつ。過信は絶対に禁物だ。

 以下は、リアルインパクト、ダノンシャーク、ミッキーアイル、ヴァンセンヌという評価順。もっとも、安田記念が内枠有利であるのは前述した通りで、枠番次第でこの評価はガラッと入れ替わる可能性がある。個人的に狙いたいのは、フィエロからのヒモ紛れ決着。人気とオッズ次第では、ここからかなり手広く流す馬券で勝負するかもしれない。


■鳴尾記念(G3・阪神芝2000m)フルゲート16頭/登録13頭


 登録の時点で13頭と、今年も昨年同様にフルゲートを大幅に割り込みそうな鳴尾記念。現在の施行条件となってから今年で4年目だが、ここからのローテで宝塚記念を好走した馬が連続して出ており、そういった意味でも注目しておきたい一戦である。

 意識しておきたいのが、内回りの2000m戦であること。昨年の勝ち馬エアソミュールは差し切り勝ちだったが、2013年の覇者トウケイヘイローや2012年のトゥザグローリーなど、好位からの先行抜け出しで好走するケースの多さが目立っている。昨年9番人気で2着に激走したアドマイヤタイシも、道中は3番手追走。開幕週であることや出走頭数の少なさから考えても、かなり前有利の展開となる可能性が高い。

 あとは、好走馬が前走重賞出走組に集中していることや、6歳以上馬の成績がイマイチであるのも、考慮しておきたい要素。こういった傾向から考えると、いちばん信頼に足るのがラブリーデイであるのは間違いない。人気薄からも注目馬をあげるなら、コース適性の高さやひと叩きされての上積みを期待してのアズマシャトルか。


■総論×各論・先週の馬券回顧




1着 14ドゥラメンテ
2着 01サトノラーゼン
3着 11サトノクラウン

馬単2220円的中!

先週分の原稿を読み直してみたところ、わりといいこと言ってた気がする(増長)。3連単でも獲れたとは思うケド、ダービーというレースの馬券が当たること自体が喜ばしいので、不満はまったくナシ。あんまり儲かってないんですけどね(笑)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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