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ゴールドシップの扱いをどうするか?

  • 2015年06月23日(火) 12時00分


今回のゴールドシップは隙がないように思える。隙があるとしたら…

 今年の宝塚記念、主役はどう考えてもゴールドシップである。昨年の覇者であり、前走の天皇賞春にも優勝。理屈上は隙がないように思える。

 隙があるとしたら、人気だ。どんな馬でも絶対に勝つということはない。展開や不利などによって負けたり、馬券の対象から外れることもある。その可能性を上回って人気が集中してしまうと、馬に落ち度はなくても馬券上の選択肢としてはいまひとつということになってしまう。

 そこで今回は、2つの角度から過去の事例を調べてみた。ひとつは、牡馬の出走できる古馬GI(距離不問だが芝のみ、対象レースについては以下同様)に優勝した馬が、同一年および翌年に古馬GI(こちらも牝馬限定戦は含まず)に出走したケース。もうひとつは、そのうち「勝ったGIの次走で、またGI」というケースのみについてである。

 起点となるGIを1995年以降にすると、該当レースは170レース(カク外優勝時は除く)。先に「勝った次走でまたGI」のほうを紹介すると、[14-12-12-29]で回収率は単75%・複106%。1番人気に推された場合は[11-7-4-2]で単94%・複118%。ほとんど馬券に絡んでいる。

 勝ったGIと同年および翌年まで範囲を広げると、[92-72-54-232]で回収率は単70%・複88%。1番人気に推されたケースは[68-42-23-30]で単92%・複101%だ。複勝率は次走1番人気で91.7%、同年か翌年1番人気で81.6%。こうしてみると、今回ゴールドシップを外すという選択は難しいし、回収率も高めだからわざわざ外す必要はない。

 ただ、勝率についてはどんな馬でも限界がある。いまのケースだとそれぞれ45.8%と41.7%。今回は同じ1番人気でもかなりかぶるだろうからそこまで低くは見積もれないが、それでも3連単なら「順番違いの好配当」は期待できる。ゴールドシップが2、3着になるとしたらどんなケースで、どんな馬が前に残っているのか。そんなイメージで予想をしてみたい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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