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ブラックエンブレム産駒のアストラエンブレムが中京でデビュー!

  • 2015年06月29日(月) 18時00分


【栗東】
◆シュウジ(牡、父キンシャサノキセキ、母カストリア、栗東・橋口弘次郎厩舎)
デビュー馬

 半兄ツルマルレオンは2013年北九州記念を制した重賞ウイナー。この馬名が出ると「体型を見ると、決してハーツクライの仔と思えなかったね」と笑みを浮かべる橋口弘次郎調教師だが、この馬の体型はツルマルレオンに似ている。
 兄のデビューは2歳秋だったので、こちらの方が仕上がり早。そして、追い切りの動きもこちらの方が上。デビュー前は坂路4F53秒そこそこしか動けなかった兄に対して、こちらは6月25日の追い切りで坂路4F51.4秒をマーク。しかも古馬クールオープニングと併せて最後は馬なりで突き放すのだから、その脚力は新馬離れしている。デビュー予定の7月4日(土)中京芝1400mでは人気の中心となるだろうが、それに応えるだけの下地はできている。なお、鞍上は小牧太騎手を予定している。

◆スノードルフィン(牡、父ストーミングホーム、母スノーキトゥン、栗東・野中賢二厩舎)
デビュー馬

 野中賢二厩舎では、新馬3頭が同じようなペースで調教を進めていたが「この馬が一番動くようになってきたかな」と野中賢二調教師が話す本馬。半姉スキースクール(父パイロ)はダート1200mで2勝を挙げており、ダート短距離での実績がある血統。
 そんなこともあって、7月4日(土)福島ダート1150mでデビュー戦を迎えるが、6月24日のCWでの3頭併せでは実に軽快な動きが目立っていた。栗東から福島競馬場までの輸送距離は少し長くなるが、トレセンにいる時と同じような状態で出走することができれば、あっさりとデビュー勝ちを決めて不思議ではない。なお、鞍上は石橋脩騎手を予定している。

◆エスティタート(牝、父ドリームジャーニー、母スキッフル、栗東・松永幹夫厩舎)
デビュー馬

 中京記念を連覇したフラガラッハ(父デュランダル)をはじめとして、イリュミナンス(父マンハッタンカフェ)、フェルメッツァ(父ディープインパクト)の松永幹夫厩舎で管理された3頭の兄姉はすべて2勝以上を挙げて、重賞への出走経験もある、厩舎ゆかりの走る血統。
 今年が初年度となるドリームジャーニー産駒ということで、その動きに注目していたが、週を追うごとに矢印急上昇といった感じ。特にレースでも騎乗予定の武豊騎手が跨った6月24日の坂路は圧巻。追いかけた3歳未勝利に先着したのはともかく、ラスト1Fを12.1秒で上がってきたのだから驚き。しかもそれが馬なりなのだから「ジョッキーも『動くわ』って言ってましたね」(松永幹夫調教師)のコメントも納得。デビュー戦は7月5日(日)中京芝1400m(牝)が予定されている。

◆ゼットフーリ(牝、父ワークフォース、母ゼットフウリン、栗東・宮徹厩舎)
デビュー馬

 おじにダートで6勝を挙げたスマートタイタン(父タニノギムレット)がいる血統で、父ワークホースは今年の2歳世代が初産駒の新種牡馬。まだJRAで勝ち上がった馬はいないものの、2戦2着2回のダイワダッチェスなど勝つのは時間の問題だろう。
 本馬は栗東へ入厩した当初から松山弘平騎手(レースでも騎乗予定)が跨って調教されており、その期待の大きさを物語っている。「ここまで順調ですね」と宮徹調教師は大きなことを口にしないし、6月28日の坂路でも4F57.1秒と時計が地味なので、決して人気することはないだろうが、最近の併せ馬では先着が目立っており、前向きさも十分に備わっている。7月5日(日)中京芝1600mでデビューする予定。

【美浦】
◆シャクンタラー(牝、父ゼンノロブロイ、母ムガール、美浦・鹿戸雄一厩舎)
 オープンまで出世したノーステアの全妹。当初は東京で使うプランも浮上していたが、530キロほどある大型牝馬でもあり、じっくりと乗り込まれてきた。「背中がいいし、今のところは気性的な難しさもない。稽古では余裕のある動きを見せているし、いいところがありそう。どんな競馬をしてくれるか楽しみ」と鹿戸雄一調教師。7月5日、福島の芝1800mを戸崎圭太騎手で予定している

◆ミュゼリバイアサン(牡、父Intense Focus、母スキャンダルシート、美浦・黒岩陽一厩舎)
 昨年のセレクトセールに上場され、3100万円で落札された。Giant's Causeway産駒の父はイギリスの2歳G1・デューハーストS(芝7F)の勝ち馬。近親には現種牡馬のストーミングホームがいる。4月に入厩して以来、入念に追い切りの本数を積んできた。「大きな馬で緩さがあるし、本当に良くなるのは先だと思うけど、ひと追い毎にしっかりとしてきました。いいモノを持っていると思います」と黒岩陽一調教師。7月5日、福島の芝1800mを田辺裕信騎手で予定している。

◆ローズクランス(牡、父ネオユニヴァース、母エリドゥバビロン、美浦・手塚貴久厩舎)
 牝系を遡ると欧米の重賞ウイナーが並び、一族からはオークス3着のアイスフォーリスが出ている。「追い切りの本数は少ないわりに水準の時計で動けているし、まずまずの動き。ネオユニヴァース産駒らしいテンションの高さがあるけど、うまく流れに乗って調教通りに走れれば楽しみはある」と手塚貴久調教師。7月5日、福島の芝1800mを武士沢友治騎手で予定している。

◆アストラエンブレム(牡、父ダイワメジャー、母ブラックエンブレム、美浦・小島茂之厩舎)
 母は秋華賞の勝ち馬。1歳上の半兄ブライトエンブレムは札幌2歳Sを勝ち、弥生賞2着、皐月賞4着など今春のクラシック戦線で活躍した。2歳上の半兄テスタメント(現3勝)も新馬勝ちを決めている。先週の更新でも紹介したが、抽選で除外に…。関係者が協議した結果、中京で仕切り直しのデビュー戦を迎えることになった。「上の2頭より、新馬勝ちを意識できるタイプ」と小島茂之調教師。7月5日、中京の芝1600mを秋山真一郎騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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