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第40回TVh杯栄冠賞

  • 2015年07月01日(水) 18時00分
タイニーダンサー

第40回栄冠賞を制したタイニーダンサー



後に出世する馬を輩出することでも知られている栄冠賞を制したのはタイニーダンサー

 北海道もこのところすっきりしない天候が続いており、しばらく太陽を拝んでいない。加えて気温も低く、半袖ではやや辛いくらいの気温である。

 昨日もそんな天候であった。日高の西部に雨雲が次々に入り込み、門別競馬場も降ったり止んだりを繰り返した。

 そんな中で、昨夜、日本一早い2歳馬重賞の「第40回栄冠賞」(距離1200m)が行われた。4月22日の開幕以来、開催日ごとに実施されてきた認定競走を勝ち上がった12頭がエントリーしてきた。このレースは、後に出世する馬を輩出することでも知られており、過去の勝ち馬には、オリオンザサンクス(東京ダービー、ジャパンダートダービー)やエンゼルカロ(函館3歳ステークス)、ネフェルメモリー(東京2歳優駿牝馬、桜花賞=浦和)、クラーベセクレタ(羽田盃、東京ダービー)などの名前が並ぶ。

 今回も例年以上に素質あるメンバーが揃ったという評判であった。1勝クラスの力量比較が難しいことから実力伯仲の混戦状態で、1番人気は10番スティールキング(父シルバーチャーム)の2.0倍。2番人気は6番モダンウーマン(父サウスヴィグラス)の3.1倍。3番人気が開幕日のスーパーフレッシュチャレンジ競走を勝ったプレイザゲーム(父パイロ)の7倍と続いた。

 1番人気スティールキングは前走のアタックチャレンジ競走(5/28、1200m)を7馬身差で圧勝しており、好調さを維持していることから支持を集めた。また2番人気のモダンウーマンも、デビュー戦のフレッシュチャレンジ競走(5/27)1000mを8馬身差の楽勝劇を演じていることが評価された。

 午後8時40分の第12レースが栄冠賞であった。直前まで小雨がぱらつく空模様だったが、幸いにも発走間際になって雨が止んでくれた。

栄冠賞当日

栄冠賞当日の場内風景



 レースは6番モダンウーマンが先行し、その直後を外側から7番ランランランが併せるように進んだ。コーナーを回ったところでランランランが後退し、脚色の衰えていないモダンウーマンがそのまま逃げ切るかという展開になったが、この2頭の後方内側を追走していた5番タイニーダンサーが、残り200mを過ぎたところでモダンウーマンの外側に持ち出し、一気に交わしてリードを広げ、3馬身差でゴールした。

 2着にはモダンウーマン、3着は最後に追い込んだ3番プレイザゲームが入線した。勝ったタイニーダンサーは、父サウスヴィグラス、母キハク、母の父アサティスという血統の鹿毛牝馬。前走のウイナーズチャレンジ(2歳オープン)でリンダリンダの2着に敗退していたせいか今回は5番人気の評価であった。しかし、血統的には仕上がりは早く、ダートの短距離に強いサウスヴィグラス産駒で、今回は完勝であった。

 桑村真明騎手が騎乗。角川秀樹厩舎所属。馬主、生産者ともに(有)グランド牧場。桑村騎手は2009年オノユウに続いて2度目の優勝。また角川厩舎はこれで4度目の優勝となった。

 なお、2着モダンウーマンも、同じ角川厩舎、(有)グランド牧場の生産・所有馬で、しかも父も同じくサウスヴィグラスという珍しい結果であった。

栄冠賞口取り風景

栄冠賞の口取り風景



 また優勝馬タイニーダンサーには、TVh(テレビ北海道)から記念品が、JBC協会からアイルハヴアナザーの配合権利が副賞として贈られた。

 余談ながらこの日、第9レースはC4-5組による「うらかわ馬フェスタ賞」が行われ、門別にはミスシンザンの鎌田結衣さんと上山愛美さん(ともに21歳)が来場していた。レース前にはスタジオから坂田博昭アナとのトークコーナーも設けられていたが、残念なことに“出番”はこれのみで、その後の口取りも表彰式も姿が見えなかった。

ミスシンザン

トークコーナーに参加したミスシンザン(写真左が坂田博昭アナ、中が鎌田結衣さん、右が上山愛美さん)



 せっかくの機会なので、もう少し露出する場面があっても良かったと思う。このミスシンザン2人の任期も後わずか。今月下旬に開催されるうらかわ馬フェスタ(7月25日、26日)の際に次期ミスシンザンと交代することになっている。

 小雨の降る天候だったせいか、この日の門別は割と閑散としていた。入場人員569人は重賞が組まれていない通常の開催日よりもやや多い程度で、ゆったり観戦できるのはありがたいものの、やや寂しい光景でもある。もう少し賑わいが欲しいところだが、それにはどんな方法があるのか。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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