■七夕賞(G3・福島芝2000m)フルゲート16頭/登録20頭
【コース総論】福島芝2000m Aコース使用
・コースの要所!
★ふたケタ人気馬のトータル複勝率7.0%と高め。波乱傾向はかなり強い。
★内枠が好成績で外枠が不振。軸馬は馬番13番より内であるのが望ましい。
★先行勢の勝率が非常に高いコース。先行勢を重視のスタンスで取捨選択。
平均配当は単勝が1136円、馬連が5636円で、馬単や3連複などは当然ながら万馬券。さすがといえる波乱傾向の強さで、ふたケタ人気馬が馬券に絡む確率は、コース全体で7.0%もある。1番人気だけはそれなりの信頼度をキープしているが、それ以外の上位人気は、そうアテにはできないコースである。
続いて枠番だが、単純に内外で比較した場合は「差はナシ」という結論に。しかし、内枠である1〜4番と外枠の13〜16番では、平均着順に0.9もの差が出ている。勝率や連対率も外枠がもっとも低く、やや割り引いて考えたほうがよさそう。1〜12番ならばオッケイで、1〜4番であればモアベターとしておきたい。
脚質は、明らかに先行有利。単純に成績だけを見ても、差し〜追い込み勢が前を捉まえきれていないのがわかる。また、速い上がりを使った馬の勝率や単勝回収率が低いのも、このコースが前有利である証明。前々で流れに乗って、ソコソコ速い上がりを繰り出せるようなタイプのほうが、格段に向いているといえる。
【レース総論】七夕賞(G3) 福島過去10年
・レースの要所!
★1番人気以外の人気サイドはアテにならず。ある程度は荒れる前提がベター。
★内枠が好成績で外枠が不振。外枠に入った場合は人気馬でも割引が必要不可欠。
★斤量を「背負っている」組が強い。買い目はハンデ55キロ以上馬を中心に構築。
ハンデ戦でもあり、コースデータよりもさらに波乱傾向が強まる七夕賞。1番人気が[3-2-2-2]で連対率55.6%、複勝率77.8%と健闘しているにもかかわらず、馬連平均配当8738円、3連複平均配当2万5060円と、かなりの荒れ模様となっている。2〜5番人気あたりの信頼度が非常に低いというのを、しっかり意識しておきたい。
枠番における内枠有利・外枠不利の傾向は、レースデータになるとさらに加速。内外の単純な比較においても、圧倒的に内のほうが好成績となった。とくに目立っているのが13〜16番の不振で、平均人気が低いとはいえ、連対率3.2%はさすがに低すぎ。人気馬が入った場合でも、かなり信用できないと考えたほうがいい。
次に年齢別成績だが、こちらは7歳以上馬の不振が目立つ。今年はフラアンジェリコやメイショウナルトなどが人気となってもおかしくないが、その期待値の低さは6歳以下馬とは比べものにならないほどだ。また、ハンデについては「背負っている馬のほうが強い」という結論で間違いなし。ハンデ55キロ以上を背負う実績馬をアテにしたい。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
引き続きAコース。先週はやはり先行勢の前残りが目立っていた印象。
・天候予測
現在降雨があるが週末の降水確率は低め。良馬場前提で問題なさそう。
・注目血統
ゼンノロブロイ産駒◎、ハーツクライ産駒○
先週は開幕週であり、先行勢の粘りが目立っていたのは当然の帰結。先週よりも多少は傷んでくるだろうが、それでも一気に差し馬場へとシフトするとは考えづらく、引き続き前有利の状況になると想定しておきたい。
注目したいのが、ディープインパクト産駒の「取りこぼし」の多さである。1着4回に対して2着15回と勝ちきれないケースが非常に多く、末脚のキレ勝負では突き抜けられない様子。当コースがいかに前有利であるかを裏付けるデータといえる。サンデー系でも、もう少しパワー型であるゼンノロブロイ産駒やハーツクライ産駒のほうが、ここは適性の高い舞台。いかにも瞬発力タイプといった配合の馬は、とくに危なっかしい。
★出走登録馬・総論×各論 登録してきた20頭のうち、じつに16頭までが6歳以上馬で、残りの4頭が5歳馬という極端な年齢構成。勢いのある馬は見当たらず、グランデッツァ、レコンダイト、トウケイヘイローなどが人気の中心となりそうなのだから、この時点でかなり荒れそうな雰囲気だ。コースやレースの傾向からも、一筋縄ではいかないこと間違いなしといえる。
もっともアテにできそうなのは「1番人気に推された場合」の
グランデッツァだ。距離延長組でこそないが、ハンデ57キロ、関西の6歳牡馬、さらに先行脚質と、プラス評価の多さが目立っている。アグネスタキオン×マルジュというパワーのありそうな血統面も、いい方向に出そう。ぜひ、内枠が欲しいところだ。
そして、もう1頭の条件付き注目馬が「出走できた場合」の
ヒラボクディープ。前走エプソムCからの距離延長で、これは好走率の高いローテ。スタートをうまく決めて前走のような競馬ができれば、なおさら面白い。出走が叶っても人気にはならないだろうし、青葉賞以来となる重賞制覇が、ここであってもおかしくはない。
三番手評価は
トウケイヘイロー。屈腱炎からの復帰緒戦となった前走でもスピードを見せたが、やはりまだデキが本物ではなかったはず。58キロのトップハンデもここでは歓迎材料で、ゴールドヘイロー産駒のコース成績の良さも見逃せない。持ち前の先行力を生かして、鮮やかな復活を遂げる可能性もありそうだ。
以下はレコンダイト、メイショウナルト、ステラウインド、ユールシンギング、クランモンタナ、アルフレードという評価順。もっとも、このあたりは枠番次第、オッズ次第でコロッと入れ替わる程度の差でしかない。内枠から前に行ける馬であれば、人気薄でも積極的に買う価値のあるレース。直前まで、しっかりと吟味したい。
■プロキオンS(G3・中京ダ1400m)フルゲート16頭/登録35頭
中京ダ1400mに移設されて、今年で4年目となるプロキオンS。ふたケタ人気の超人気薄が、2012年、2014年と短期間のうちに2回も馬券に絡んでおり、順当決着傾向の強いダート重賞のなかでは、けっこう「荒れる」部類といえそうだ。
まずは、前走クラス別成績に注目。前走中央重賞組が[0-0-0-9]、前走1600万下組が[0-0-0-7]と全滅している一方で、前走オープン特別組が[3-2-3-14]と大活躍している。なかでも素晴らしい成績を残しているのが、前走でアハルテケSや栗東Sなど「ハンデ戦のオープン特別」を使われてきた組。もう、何よりも優先して狙うべきである。
また、今年はベストウォーリアやコーリンベリーといった交流重賞からのローテが人気を集めそうだが、こちらも[0-1-0-7]と大不振。というわけで、今回は
アドマイヤロイヤル、
キョウエイアシュラ、
タガノトネール、
レッドアルヴィスの4頭を、注目馬にあげておきたい。
■総論×各論・先週の馬券回顧
福島11レース ラジオNIKKEI賞(G3)
1着 03アンビシャス
2着 12ミュゼゴースト
3着 06マルターズアポジー
「関東の人気薄」は、12番人気のマルターズアポジーがしっかり3着を確保。しかし、筆者が買ったのは、7着に終わったストレンジクォークの単複でございました……。さらにCBC賞も、的外れな結果に終わって大赤字(吐血)。いかん、このままではジリ貧だ。
※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。