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太の進言がバシバシ的中! 直近のベストレース回顧

  • 2015年07月21日(火) 18時00分
小牧太

今回のテーマはレース回顧。はたして好調の理由とは!?!


今回のテーマは、6月後半から7月中旬のレース回顧です。ゴールドベルやシュウジでの勝利や、米子Sのオリービン(2着)など、今週の競馬につながるヒントも!? 最近は、騎乗馬に対する進言がことごとくハマっている小牧騎手。はたして好調の理由とは!?
(取材・文/不破由妃子)


“走る!”と思った馬は、みんな頑張ってくれてるね

──今回は、まず6月27日から7月12日のベストレースを伺いたいと思います。

小牧 そうやなぁ、その期間やったらゴールドベルやね。気持ちのいい勝ち方やった。外枠が気になったけど、うまく収まったね。

──この馬は、5勝中4勝が小牧さんです。

小牧 そうみたいやね。うまくタメが利くからか、中京は走るわ。それに、僕もうまいこと乗ってるよ(笑)。あとは夏場がいいんでしょう。前回、ハナに行ってたから、どうなるかな…と思ったんやけど。

──(前走で騎乗した)四位さん、逃げてましたね。

小牧 だって、前回はスタートが良かったもん。あれだけ出たら行くと思うよ。

──6月28日に3歳未勝利を勝ち上がったカペナは、4月に3着したあと、小牧さんがブリンカー着用を進言された馬ですよね?

小牧 そうそう。思った通りでしたわ。ガラッと変わったわけではないけど、なかでも前回(7月12日・中京12R・3歳上500万下5着)はすごく効いていた。正直、全然付いて行かれへんかなと思ってたけど、頑張って5着まできてくれたからね。これなら500万でも十分やれますわ。

──確か、ジョーアラタ(6月27日・阪神6R・3歳未勝利1着)も、小牧さんが距離延長を進言された馬では?

小牧 そうそう! この前(7月11日・中京9R・茶臼山高原特別3着)も強かったねぇ。出遅れていなければ勝ってたわ。前に行くつもりで2000mにしてもらったんやけどね…。出遅れた(苦笑)。

──以前はずっとマイルを使っていた馬ですよね。で、小牧さんが「もっと長いほうが…」と。

小牧 そうやね。当時はなんかもう馬が怖がって、競馬を止めるような感じがあったんでね。

──ここのところ、小牧さんの読みがハマってますね。

小牧 うん。やっぱり“走る!”と思った馬は、みんな頑張ってくれてる。進言させてもらったことも、その通りになってるね。

──新馬では、シュウジが人気に応えて順当に勝利。

小牧 ちょっと行きたがるところがあるから、そこは気になるんやけど、なんにせよ次(7月25日・中京2歳S・芝1600m)やね。次にどういう競馬をするかや。ただ、強いのは強いよ。初戦ではスピードが全然違ったからね。現状の印象では、マイルになってどうか…といったところ。お兄ちゃん(ツルマルレオン)よりスタートも行きっぷりもいいし、次が楽しみやね。

──あと、オリービンで2着だった米子Sへの質問がいくつかきていまして…。

小牧 ああ、あれは逃げるつもりはなかったんやけど。スタートが飛び抜けて良かったから、抑える必要はないなと。

──「最後の直線で周囲を見渡しているように見えたのですが、後方の馬を確認していたのですか?」と。

小牧 内にスマートレイアーがいるのはわかってたから、気にしながら乗ってたんです。進路というより、スマートレイアーがどこから割ってくるのかなっていうのを気にしてたんですわ。一瞬、外にきたから僕も外に出たんやけど、また戻って内から伸びてきた(苦笑)。結局、力が違ったね。

──オリービンにとって初めての逃げる競馬でしたが、逃げることに迷いはなかったですか? 

小牧 決めてかかっていたわけではないけど、行きたがったら行こうとは思ってた。もともと行く馬がいなかったからね。たぶん行くんじゃないかなぁとは思ってたけど、スタートも良かったし、そこは逆らわずに。

──最近は、スタート次第で臨機応変に…と、よくおっしゃっていますが、米子Sの競馬もまさにそうですよね。以前の小牧さんだったら、抑えていた可能性もありますか?

小牧 どうやろ…、いや、抑えていたかもね。最近は確かによう前に行ってるわ。いい意味で開き直っているというか、これで負けたらしょうがないっていう競馬を心掛けているつもりです。

──それがいい結果に繋がっているレースが多いように思います。

小牧 そうやね。捨て身と言うと聞こえは悪いけど、自分としては攻めてるつもりです。

──「米子Sのように少頭数で前に行く馬がほとんどいないような極端なレースでは、どのような戦略を立てられるのですか?」という質問もきています。少頭数の戦い方ということですね。

小牧 どうしてもスローペースになるからね。そうすると、前が有利になるよね。それ以前に、オリービンはスタートがいいし、行きっぷりがいいんでね。行ってしまうかもしれんなぁとは思いつつ、好位2、3番手での競馬をイメージしてたんやけど。

──ハナも視野に…ということですか?

小牧 うん、そうそう。さっきも言ったけど、出たなりやね。決めつけて競馬をしても、いいことないわ。だから、最近は自分の感覚を信じて、出たなりで判断しています。全部が全部、うまくいくわけやないけど、いい感じちゃう(笑)?

小牧太

全部が全部、うまくいくわけやないけど、いい感じちゃう(笑)?



【次回の太論は!?】
 宝塚記念でのゴールドシップの出遅れについて、競馬ファンや記者、評論家の間でいろいろと議論が巻き起こっているようです。しかし、出遅れの難しさを一番痛感しているのは、実際に乗っているジョッキー。はたして小牧騎手は、あの出遅れをどうとらえているのでしょうか。次回は小牧騎手が批判を覚悟で本音をぶっちゃけます!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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