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馬の個性と騎手の適性

  • 2015年07月24日(金) 12時00分


騎手それぞれに良さが

 先週の函館記念、岩田騎手上手かったですね。

 初コンビとは思えない騎乗振り。前半にモタモタしやすいダービーフィズを中団よりも前目でレースを運び、ソツのない立ち回りで勝利へと導くのですから、本当に凄いの一言です。今年の函館のリーディングを独走しているわけですが、園田時代に培われた小回りコースと力のいる馬場での経験がフルにいかされているように感じます。

 よく一般的に、「どの騎手が1番上手なの?」という質問を受けますが、騎手それぞれに良さやウィークポイントがあり、一概に巧さの順位を付けられないところはある気がします。例えば岩田さんで言うと、少しズブイ馬や小回りコース、力のいる馬場、大舞台での思いっきりの良さなど天性の巧さと勝負勘がありますし、横山典弘騎手は気性の激しい馬や気難しさのある馬、折り合いに苦労する馬などドンピシャ。

 また外国人騎手で言えば、ルメール騎手とデムーロ騎手は真逆のタイプで、牝馬でイライラするタイプや広いコースはルメール騎手向き、反対に少しズブイ馬やオトコ馬で掛かるタイプ、小回りコースはデムーロ騎手といった感じがします。それゆえ予想をする上では、どのコースでどんなタイプの馬か?それを理解した上で騎手との適性を考えるのがベストなのかも?

 特に最近は乗り替わりの多い時代。それゆえ、よりその点の想像力が重要となる気がします。

 そしてその逆も言え、乗り替わりの多い時だからこそ初コンビとの相性のイメージがわきにくい時は、乗り続けているコンビで勝負することも1つ。やはり重賞戦線ともなると瞬時の判断が物を言うところも。この夏で言えば、ティーハーフの国分優作騎手がそう。スタートで遅れるも慌てず冷静な判断ができたのは騎乗数を重ねてのもの。

 騎手との適性か?経験値か?コンビ力か?予想を推理する上で最終的に騎手は最も重要なファクターとなるだけに、先週の函館記念を終えてジックリと考える要因だと感じました。

 皆さんは、どう思われますか?それではまた来週お逢いしましょう。
 ホソジュンでしたぁ。

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愛知県蒲郡市出身。JRA初の女性騎手として96年にデビュー。2000年には日本人女性騎手初の海外勝利を挙げ、01年6月に引退。 現在はホース・コラボレーターとして、フジテレビ系『みんなのKEIBA』などに出演。

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