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アイビスSD、気になる「穴っぽいところ」の2頭とは?

  • 2015年07月31日(金) 18時00分


◆ポイントとなる3項目

 昨年のアイビスサマーダッシュは例年より差しタイプが好走する結果になったが、それでも2着にはフクノドリームが粘った。このフクノドリームのような馬がこのレースでは買いやすいタイプで、「牝馬」「若い馬」「先行馬」がレースのポイントとなる。特に重要なのは先行力。前走で1000直以外のコースに出走していた場合、そこで4角3番手以内だったか4番手以下だったかでは、アイビスSDにおける成績が全く違う。

 昨年の覇者セイコーライコウは今年も人気になりそうだが、脚質がこのレース向きというわけではない。8歳ながら近走の内容も良く今年も馬券のどこかに入ってきそうではあるが、脚質を考えるとアタマ決め打ちの馬券は買いづらい。

 アースソニックも脚質が問題。これまでも1000直で好走している馬なのだが、すべて3着ということも意識しなくてはならない。新潟→函館→新潟という使われ方もハードだし、こちらは馬券外になることも意識したい。少なくともセイコーライコウとの組み合わせは、脚質のリスクがあるわりに配当が安いということになるので手を出しづらい。

 ベルカントは近走が奮わないうえに取り消し明けの一戦。ただ取り消しの理由は競走能力に響くものではない。若い牝馬で先行タイプというのは、このレースにどんぴしゃの条件。ここで好走できないと先々厳しいだろうし、だからこそよい競馬を期待したい。

 リトルゲルダは実績一番の牝馬で先行タイプでもあるので期待したいのだが、いかんせん最近の内容が悪すぎる。香港はかなりダメージのある遠征となったので、それが尾を引いているのだとすると、ちょっと心配だ。ただ、ここ2走の大敗がGIだったためということになれば、ここで復活の可能性もある。

 レンイングランドは3歳で斤量の絶対値が軽いのが魅力。問題は今回どのような競馬をするか。前走溜めて結果が出てしまったので同じ手でいくかもしれないが、本来の先行勝負のほうが、馬券を買う身としては買いやすい。

 穴っぽいところから2頭挙げる。まずはエーシントップ。1000直の前々走がさっぱりだったので見限られつつあるが、当時は先行勢全滅の競馬。もう一度だけヒモ穴として試してみる価値はあると思う。ただ、この馬もローテーションとしてはきつめで、デキはやや心配ではある。

 もう一頭がシンボリディスコ。このレースは格がモノを言うタイプの競走ではないので、前走条件戦組のこの馬あたりにも目を配る必要がある。新潟は1200m以上も含めてとにかく好相性。鞍上の田中勝騎手も1000直との相性は比較的良い。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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