行く気なら先手を取ることも可能な枠順であり、鞍上チェンジにも不安はない
直線1000mは初挑戦だが、十分すぎるほどの適性があると推測して、4歳牝馬
ベルカント(父サクラバクシンオー)に期待したい。
3歳春に桜花賞トライアルを好位から抜け出して勝ったあとは【0-0-0-7】の不振。まして前回は枠順確定後の出走取り消しだが、不成績は自身の体調、距離、相手関係など、さまざまな要因が重なったためで、早熟タイプのカベに当たったわけではないと思える。
連敗中でも、昨秋のスプリンターズSの内容は少しも悲観するには及ばない。ムキになって先手にこだわることなく好位のインで我慢し、直線は先頭に並ぶ場面があった。発表は良でも実際は渋馬場。内から伸びている。外に回って勝ったスノードラゴンとは0秒1差だけ。馬場状態を考えれば、大好走だろう。
桜花賞トライアル時もそうだったが、ムキになって飛ばす馬ではなく、新潟の直線1000mに不可欠な道中のタメが、最初から利く自在型である。ベースになる1200mの持ち時計1分07秒8は平凡だが、新潟の芝は地盤からの整備方法が変わり、超高速のコンディションではなくなってきている。他場の前半ハロンを楽に33秒1-3で行ければ、合格だろう。
父であるサクラバクシンオー産駒の牝馬は、08-09年にカノヤザクラが連勝している。引いた枠は、幸運にも外から2番目。行く気なら、先手を取ることも可能な枠順であり、ミルコ・デムーロ騎手なら、鞍上チェンジにも不安はない。
この重賞、最近10年間に牝馬が7勝もする「夏の牝馬重賞」に近く、過去14回、牝馬が馬券圏内に入らなかったことが1度もないのも、枠順や、斤量を考えると、ベルカント向きのレースを暗示している気がする。たまたま両隣りは出足の良くないライバルでもある。ふつうに出るとき、ムリすることなく先頭集団の外につけられるはずである。
昨年、小差3着の
アースソニックと、まだ陰りなしの昨年の勝ち馬
セイコーライコウ。もう1頭
ヘニーハウンドが相手本線。以下はオッズを見つつの押さえ。