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価格、売却率ともに昨年を上回るのではないか、と見る向きもあり、期待が高まる

　国内最大規模を誇る1歳市場の「サマーセール」(HBA日高軽種馬農協主催)が、8月24日(月)より始まる。このほど、上場馬名簿も完成し、各購買者や関係機関に送られてきた。4日間の日程で、追加分(八戸市場、セレクトセール、セレクションセールの欠場、主取馬)を含め、1334頭がエントリーしてきた。

　牡733頭、牝601頭という内訳で、昨年の名簿記載頭数1237頭から、約100頭も増加している。今日現在で、24頭の欠場馬が発表されているものの、昨年の上場頭数が1133頭と、上場率が91.6％であったことを考えると、今年も同程度ならば、だいたい1220頭程度の上場が見込まれる。

　かなりの数である。このうち、日高管内からの上場申し込みが圧倒的に多く、胆振や青森、宮城などからのエントリーは70頭いるかどうかといったところ。つまり大半が日高産馬であり、その多くが1軒の牧場から複数の申込みである。現時点で、売らなければならない1歳馬の大半がここに出てくると考えられる。

　因みに、2014年度生産の現1歳馬は、日本軽種馬協会発行の全国馬名簿によると、全国で6424頭。うち日高管内が5022頭となっており、サマーセールには、このうち約4分の1の頭数が上場されることになる。

　4月ブリーズアップセール、5月千葉トレーニングセールと北海道トレーニングセール、また7月に入ってからの八戸市場、セレクトセール1歳、セレクションセールと、今年は続けて好成績を残してきており、巷では、かなり1歳馬の需給バランスが取れてきているとも言われる。セレクトセール、セレクションセールで1歳馬を購買できなかった層が、サマーセールに来場してセリに参加すると、価格、売却率ともに昨年を上回るのではないか、と見る向きもあり、期待が高まる。

　1334頭の種牡馬別内訳は、カネヒキリの39頭(牡27、牝12)がトップで、以下、サウスヴィグラス37頭(牡22、牝15)、メイショウボーラー37頭(牡23、牝14)、ヴァーミリアン36頭(牡18、牝18)、ロージズインメイ33頭(牡15、牝18)、サマーバード33頭(牡21、牝12)プリサイスエンド31頭(牡17、牝14)、ケイムホーム30頭(牡14、牝16)、ナカヤマフェスタ30頭(牡19、牝11)と続く。

　これらはいずれも、日高で繋養されている種牡馬で、2014年度産駒も多い種牡馬たちだ。全国馬名簿にはカネヒキリ産駒が100頭、サウスヴィグラス118頭、メイショウボーラー86頭、ヴァーミリアン99頭、ロージズインメイ92頭、サマーバード82頭、プリサイスエンド66頭、ケイムホーム69頭、ナカヤマフェスタ70頭の記載がある。サマーセール上場頭数と産駒総数との相関関係は必ずしもないが、生産者の立場からすると、同じ種牡馬の産駒が多ければ多いほど、比較される対象が増えることになるわけで、ある種のやりにくさは感じるところだ。

　また、本年初産駒が2歳を迎える種牡馬では、アンライバルド4頭、エーシンフォワード3頭、カジノドライヴ25頭、キャプテントゥーレ9頭、ダノンシャンティ10頭、前記のナカヤマフェスタ、バンブーエール1頭、ビービーガルダン1頭、ベーカバド19頭、ワークフォース6頭という内訳になっている。

　さらに初年度産駒が1歳を迎える新種牡馬は、アイルハヴアナザー7頭、アーネストリー4頭、エイシンアポロン1頭、オウケンブルースリ4頭、キタサンカムイデン2頭、キングズベスト13頭、前記サマーバード、ジョーカプチーノ6頭、スズカコーズウェイ1頭、ストリートセンス10頭、スマートファルコン21頭、タートルボウル8頭、ディープブリランテ21頭、トビーズコーナー11頭、トランセンド17頭、トーセンホマレボシ23頭、ヒルノダムール6頭、フリオーソ26頭、リーチザクラウン11頭、ルーラーシップ6頭といった顔ぶれだ。

　今回のサマーセールで、おそらく最も注目を集めるのは、785番「ユニ」のはずで、父ディープインパクトの牝馬はこの馬1頭だけ。8月26日の3日目に登場することになっている。リーディングサイアーランキング上位馬の産駒はサマーセールの場合相対的に数が少ないだけに(キングカメハメハ産駒はゼロ、ハーツクライ4頭、ステイゴールド1頭、ダイワメジャー6頭)、なおのこと希少価値が高そうだ。ひじょうに楽しみである。