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【トップ直撃】一口馬主界のLCCに!新規参入の決断と勝機/「ノルマンディー」岡田将一氏(1)

  • 2015年08月31日(月) 18時01分
ノンフィクション

▲株式会社ノルマンディーサラブレッドレーシングの岡田将一代表


名門・岡田スタッドが手掛けるノルマンディーオーナーズクラブは、現在20個の一口馬主クラブがある中で、最も新しく設立されたクラブです。岡田スタッドで長年培って来た生産育成のノウハウを活かし、さらに月会費1000円という破格の値段設定で新規開拓を進めています。一口クラブ業界への新規参入の経緯、そして今後の展開について、岡田将一代表にお話を伺いました。

(取材・文:赤見千尋)



年間10走をボーダーラインに


――ノルマンディーオーナーズクラブは2012年に設立された一番新しいクラブですけれども、設立の経緯を教えて下さい。

岡田:一口クラブをやらなくちゃいけないなということを父(岡田スタッド代表・岡田牧雄氏)がずっと思っていたんです。何よりも一番にあるのは、”競馬を楽しむ人を増やしたい”ということですね。昔は自分の夢や思いを馬に乗せて応援することができたので、ものすごく力を入れて応援したり、負けた時には悔しくて泣いたり、熱い応援の仕方をしている方が多かったと思うんです。

 今はゲームとかバーチャルな楽しみが増えている中で、なかなか馬に感化されてということが少なくなっているのかなと。馬券だけでは強い思い入れが持ちづらいですし、ジョッキーを育てる名馬、名手が育てたスターホースというような図式は、なかなか連動しにくい世の中になったっていうのはあります。

 じゃあどうやったらもっと競馬を楽しめるのかと考えたとき、一口馬主になって自分の馬を持つということは、それぞれ皆さんで独自のストーリー付けをすることができるんです。スターホースじゃなくても1頭1頭にドラマがあるので、そういう深い部分を見ていただくのに一口馬主というのは最適だと感じています。

――このタイミングで設立したというのは?

岡田:これまで培ってきた生産育成のノウハウ、馬の出走に関するマネジメントのノウハウも溜まってきて、どうやったら経済を成り立たせながら競馬を楽しむことができるのかという、そういうノウハウがわかってきたというのが大きいです。一口馬主の楽しみというのは、実入りがあって初めて成り立つことであって、継続的にやっていく中で経済が成り立つことは非常に重要なことですから。

ノンフィクション

▲「一口馬主の楽しみは実入りがあって初めて成り立つ。継続的にやっていく中で経済が成り立つことは非常に重要」


――クラブ馬主で採算が取れるというのは、なかなか難しいことのように感じますけれども。

岡田:おっしゃる通りです(苦笑)。会員の皆さまの経済を成り立たせて、尚且つクラブの方でも営業利益を上げていかなくちゃいけないわけですから、実際にやってみてそう簡単に黒字になるわけではないと実感しています。

 でも、我々がこれまでずっとこだわってやってきたのは、1頭につき年間10走するということなんです。

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