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【ユーイチの眼】『ゲート問題への見解 宝塚記念とゲートシステム』

  • 2015年09月08日(火) 18時01分
祐言実行

▲宝塚記念でのゴールドシップの出遅れについて見解を語る


あれは長いGIの歴史のなかでも特例


 少々前に、宝塚記念でのゴールドシップの出遅れについて、このnetkeiba上で議論になったと聞いた。責任の所在や今後の対策について、関係者からさまざまな意見が出たそうだが、結論から言ってしまうと、あれば「不運なアクシデント」だったというのが自分の見解だ。

 馬が出遅れる理由は、ジョッキーの技量であったり、厩舎の練習不足であったり、あるいは馬の性格であったり。その時々の状況によってさまざまだ。馬はちゃんとゲートを出ているのに、ジョッキーの体が付いていけずにアオってしまう場合はジョッキーのミスだし、開いた瞬間に横を向かれてしまったりなど、きちんと駐立させられないのもそう。

 ただ、駐立に関しては、ジョッキーの扶助操作のミスで駐立が悪くなってしまうこともあるにはあるが、厳密にいえば、練習不足であることが圧倒的に多いと自分は思っている。一方で、どうにもならないのが、普段のゲート練習ではおとなしくしていても、本番ではそれができない馬。まさに、ゴールドシップのような馬だ。

 ご存じの通り、ゴールドシップは“前科持ち”だ。そういう可能性のある馬だったのは間違いないし、だからこそ、調教師もジョッキーもスターターも、最善を尽くしたはずだ。スターターを責める声もあるというが、ゲートが開いたのは、ゴールドシップが立ち上がり、着地した瞬間だった。が、次の瞬間、もう一度立ち上がってしまったのだ。それを予測しろというのは無理な話で、冷静に見て、あのタイミングが唯一、ゴールドシップが互角に出られる(可能性のある)タイミングだったと思うし、むしろゴールドシップに合わせたタイミングだったと自分は思う。

 なぜああいうことが起こってしまったか──

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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