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今年の人気馬は信頼度が低めかも!?_/セントウルS

  • 2015年09月09日(水) 18時00分

■セントウルS(G2・阪神芝1200m内)フルゲート16頭/登録20頭


【コース総論】阪神芝1200m内 Aコース使用

・コースの要所!

★10番人気以下馬が複勝率7.3%と絶好調。2〜3着に来る確率はかなり高い。
★基本的に外枠優勢のコースで、馬番13〜16番がすべての項目でトップの数値。
★短距離戦にしては差し馬の強さが目立つ。人気薄の差し馬にはとくに警戒を。






 フルゲートでの平均配当は、単勝1028円、馬連5745円、3連複3万6879円と標準的な水準。3番人気以内馬が30勝をあげており好調に見えるが、勝率21.3%、連対率36.2%と、その信頼度はそこまで高くはない。注目したいのが10番人気以下馬で、こちらは複勝率7.3%という高水準。複勝回収率も非常に高く、ここをいかに拾うかが勝負の分かれ目といえる。

 馬番別成績では、外枠である13〜16番がもっとも好成績。次に信頼度が高いのが馬番9〜12番と、全体的に「外」の強さが目立つコースといえる。枠番値は内枠のほうが高いが、その差は軽微なもの。内外の差が意外なほど小さなコースであり、基本的に外枠を嫌う必要はない。これに関しては、開幕週であるのがどう影響するかだろう。

 そして脚質。短距離戦らしく、もっとも期待値が高いのはハナを切って逃げた馬である。しかし、当コースの面白い点であるのが、差し馬が非常に強いということ。単純に馬券に絡んだ数だけでいえば、差し脚質がいちばん多いのだ。複勝回収率も145%と高く、人気薄の差し馬は要チェック。「外枠から差せる人気薄」なら、なおさらだ。

【レース総論】セントウルS(G2) 過去8年

・レースの要所!

★牝馬が圧倒的に強いレース。1番人気は高信頼度も取りこぼしが多く要注意。
★コースデータ同様に外枠が優勢も、開幕週の影響か内枠も好成績でプラス。
★「5歳以下・中2〜8週・前走馬体重480キロ以上」も好走する上で重要な条件。








 コースデータの傾向からはもっと荒れそうなものだが、平均配当が単勝1171円、馬連5385円、3連複3万604円と意外に堅い、セントウルS。過去8年で1番人気が一度も勝っていないことを考えると、この数字はかなり低めだといえる。その要因が、7番人気以下馬が[1-2-3-67]と不振で、人気サイドが上位を占める結果が多いこと。なんだかんだでそれなりに堅く決まる──というのが、セントウルSというレースのようだ。

 まず目立っているのが、牝馬の強烈な強さだ。トータル[6-2-4-32]で勝率13.6%、連対率18.2%と牡馬を圧倒しており、回収率も単181%、複136%と文句なし。前走で好走している牝馬であれば、その信頼度はさらに高まる。関東馬と関西馬については、馬券に絡んだ数は関西が圧勝も、これは出走数の差によるところが大。気にする必要ナシというのが、当データ分析の判断である。

 枠番については、おおむねコースデータと同じ傾向。もっとも好成績なのは外枠である馬番13〜16番で、複勝回収率192%と爆発力の面でも高く評価できる。ただし、開幕週の影響もあるのか、内枠である馬番1〜4番もなかなかの強さ。外枠と内枠という両極端な枠番が強いという、いささか極端な結果となった。あとは、「大外」に入った馬がトータル[2-2-1-3]で連対率50.0%と猛烈に強いのも、ぜひ覚えておきたい。

 年齢別では、若い馬が圧倒的に優勢。馬券に絡んだ24頭のうち、じつに20頭までが5歳以下馬であり、6歳以上というだけで大幅割引の対象となる。そしてローテも重要で、勝ち馬はすべて「中2週〜中8週」で出走と、夏場にレースを使われてきた組。つまり、サマースプリントシリーズ組が勝つ可能性が、非常に高いということだ。逆に2着〜3着には、夏場を休養にあてていた組が来るケースが目立っている。

 そして最後に、前走馬体重別成績である。スプリント戦でもあり、ここはマッチョな大型馬が強いレース。性別を問わず「前走馬体重460キロ以上」が好走の絶対条件であり、480キロ以上の馬格を有することが望ましい。ちなみに、いちばんアツいのは「前走480〜499キロ→今回500キロ以上」というパターン。これに合致した馬は超高確率で好走しているので、今年も要チェックである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコース。絶好の馬場コンディションでのスピード勝負となりそう。

・天候予測
 読みづらい空模様で、日曜日の降水確率も高め。馬場が渋るケースも想定すべき。

・注目血統
 アドマイヤムーン産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ダイワメジャー産駒▲

 待ちに待った、秋競馬の開幕。開幕週のAコースであり、絶好の馬場コンディションでのスピード勝負となりそうだ。とはいえ、夏開催でも感じたことだが、馬場を柔らかくする方向の調整が行われていることで、開幕週でもけっこう差せる馬場である可能性アリ。わりとフラットな馬場を想定しておいたほうが、いいかもしれない。

 血統面で目立っているのが、ディープインパクト産駒の不振である。[2-2-1-21]で連対率15.4%と、コース形態やレースの流れが合っていないのは明白。ここは、サクラバクシンオー産駒やアドマイヤムーン産駒など、スプリント適性の高い種牡馬の産駒が素直に強い舞台である。必要なのは末脚のキレではなく、先行力と持久力。父、母父ともにスプリント色の強い血統を狙ったほうが、好結果を呼び込めるはずである。

★出走登録馬・総論×各論

 ヴィクトリアマイルを制してついにG1馬となったストレイトガールや、高松宮記念の2着馬であるハクサンムーン、春競馬で充実ぶりを見せつけたウリウリなどがエントリー。今のところ、ここは春の実績馬が人気を集めそうな雰囲気である。

 しかし、セントウルSは「サマースプリントシリーズ組」が勝つレース。スプリンターズSへ向けての前哨戦である組と、サマースプリントシリーズ制覇を狙っている組とでは、ここにかける意気込みも違ってくる。春の実績馬も2〜3着では押さえる必要アリだが、アタマはあくまで、夏競馬を使っている馬にこだわりたい。

 そういう背景もあってトップに評価したのが、前走アイビスSD組であるリトルゲルダだ。6歳以上馬であるのが割引材料も「中5週で出走する前走馬体重488キロの牝馬」であり、さらに阪神の芝は2戦2勝という好相性。適度に前に行ける脚質もプラス評価の対象で、ここは人気以上にやれる手応えを感じる。

 二番手評価にハクサンムーン。こちらは「2〜3着になる確率がもっとも高い馬」としての評価であることを、先にお伝えしておこう。スプリント戦における実績と、阪神芝における実績は、間違いなくナンバーワン。一昨年は1着、昨年も2着と、2年連続で結果を出しているというのは、やはり大きい。

 三番手評価はウリウリだ。夏のCBC賞制覇はもちろんのこと、阪神芝1400m内で行われる阪神牝馬Sで3着に好走しているのも、見逃せないポイントだ。ディープインパクト産駒らしからぬスプリント適性の高さを備えている馬で、出走可能な馬の中では唯一の「5歳以下牝馬」(ホウライアキコは除外対象)であるのも、大幅プラス評価の対象。絶好調の岩田ジョッキーが騎乗予定というのも、かなり魅力的である。

 人気薄では、四番手評価のミッキーラブソングと五番手評価のマイネルエテルネルが面白そうな存在。いずれもプロフィル的に、ここでの好走があっておかしくないものを備えている。ここまでが上位評価組で、以下はアースソニック、ルチャドルアスール、ストレイトガールという評価順。つまり、人気馬でデータ的にもっとも危ないのは、ストレイトガールということだ。

 例年よりも好走パターンに合致する馬が少なく、荒れる可能性が高そうな一戦。人気馬の枠番次第では、思い切ってブンブン振り回すのもアリではないか──というのが、評価を終えての印象である。トップ評価のリトルゲルダから手広く攻める系の馬券を、現段階ではオススメしておきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧





新潟11レース 新潟記念(G3)
1着 03パッションダンス
2着 06マイネルミラノ
3着 04ファントムライト

馬単1万2150円的中!

ハイどーも馬券下手です(自嘲)。大荒れになることを期待して、上位評価した3頭のうち、ひとケタ馬番を引いたパッションダンスとユールシンギングから手広く流して的中できたんですが……あまり儲かっていない。もっと開き直って、パッションダンスからひとケタ馬番だけに流す3連複や3連単を買う手もあったよーな。いずれにせよ「手広くいきすぎた」のが今回の反省点デスネ。

※コース&血統データは2011年以降、レースデータは2007年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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