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人気馬をどう買うかが勝負の分かれ目!/セントライト記念

  • 2015年09月16日(水) 18時00分

■セントライト記念(G2・中山芝2200m)フルゲート18頭/登録17頭


【コース総論】中山芝2200m Bコース使用

・コースの要所!

★イメージよりもクセのないコース。平均配当も標準的な水準で意外に荒れない。
★信頼度がもっとも高いのは内枠も、枠番値は外枠のほうが優秀で、大差はない。
★後方に置かれた時点で期待薄。勝つには最悪でも、中団のポジションが欲しい。






 中山芝というだけでクセの強く思えてしまうが、最初のコーナーまでが長い芝2200mは、コレという特徴のないコース。16頭立てにおける平均配当も、単勝1376円、馬連5791円、3連複1万6139円と、イメージよりもやはり低めの水準だ。人気別成績からも「人気サイドが多少強い」傾向が見受けられる程度である。

 これは枠番についても同様で、信頼度がもっとも高いのは内枠である馬番1〜4番ではあるのだが、平均人気の差を考えると、これは「成績が良くて当然」の結果。ファンが「中山芝の内枠」をいかに重視しているかが、平均人気の差にハッキリと出ている。しかし、実際には内外での成績差は大きくはなく、そう気にする必要はない。

 逆に、強く意識しておきたいのが「脚質」である。4コーナーを10番手以下で回った馬はトータル[0-0-1-65]と壊滅状態。差しはそれなりに届くが、回収率の差を考えると、逃げ〜先行勢を狙ったほうが絶対にいい。軸馬はもちろんのこと、相手もできるだけ「中団よりも前のポジション」を取れる馬から選ぶようにしたい。

【レース総論】セントライト記念(G2) 中山過去9回

・レースの要所!

★人気サイドなら、1番人気よりも2〜4番人気が狙い目。中穴狙いに妙味アリ。
★複勝率トップは外枠で枠番値も圧倒的な高さ。人気薄でも狙っていきたい。
★前走重賞組が中心も前走1000万下出走組が要注意。脚質はやはり先行優勢。








 1番人気の勝率が22.2%と低いのもあって、単勝平均配当が1681円とコースデータよりもグンと高くなる、セントライト記念。人気サイドならば2〜4番人気や、中穴ゾーンを積極的に狙っていったほうがいいレースである。ただし、ふたケタ人気の超人気薄は[1-1-1-67]という成績で、回収率ベースの数値もイマイチ。大穴を狙ってブンブン振り回すのは、効率がいいとはいえない。

 注目したいのが枠番別データで、コースデータではもっとも信頼度が高かった内枠が、勝率・連対率・複勝率ともに最低という意外な結果が出ている。しかも、平均人気が8.6ともっとも高い上での結果だけに、やや割り引いて考えたほうがいいかも。枠番値がプラス0.7と非常に高い、馬番13〜18番の「外枠」を狙うのが、ここは断然オススメである。

 次に前走クラス別成績。前走重賞組が強いレースではあるのだが、人気の中心となる「前走G1出走組」がイメージほどには強くない点に、まずは言及しておきたい。トータル[3-2-1-14]で複勝率30.0%と優秀な成績ではあるのだが、その複勝回収率は58%と低く、好走しているのは人気馬ばかり。「前走1000万下〜1600万下出走組」を狙ったほうが、配当的な妙味は高いと思われる。

 あとは、「中8週よりも長い出走間隔の馬が1着で、2着に中2〜8週の夏競馬を使われてきた組」といった決着パターンが多いことや、コースデータと同じく圧倒的に先行勢が強いレースであるのも、セントライト記念の特徴。また、前走の上がり3F順位が2位以内の馬がアテにならないのも、ぜひ覚えておきたいポイントである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 引き続きBコースでの開催。開幕週から差せる馬場だった点に留意しておきたい。

・天候予測
 木曜〜金曜の降水確率が高いが、土日は晴れそう。日曜日には良馬場まで回復か。

・注目血統
 ネオユニヴァース産駒◎、ディープインパクト産駒○、ゼンノロブロイ産駒▲

 先週の京成杯オータムHでは、フラアンジェリコが最後方から直線一気で快勝。先行勢は総崩れという意外な結果となった。また、それ以外の芝レースも開幕週から意外なほど差しが届いており、今週はこの傾向がさらに強まる可能性アリだ。

 種牡馬別成績では、ネオユニヴァース産駒の強さが目立っている。勝率こそディープインパクト産駒に後れを取ったが、連対率27.5%、複勝率37.5%と信頼度は非常に高く、回収率ベースの数値も超優秀。あとは、ゼンノロブロイ産駒も好成績で、こちらも文句なしにプラス評価の対象である。勝利数トップのステイゴールド産駒よりも、ネオユニ&ディープ&ロブロイ産駒のほうを上に評価したい。

★出走登録馬・総論×各論

 ダービー2着のサトノラーゼンを筆頭に、キタサンブラック、ブライトエンブレム、タンタアレグリアなど、春の実績馬が顔を揃える今年のセントライト記念。夏競馬を使われてきた組では、ベルーフも上位人気の一角となるか。アテになりそうでビミョーにならない、なかなか悩ましいメンバー構成である。

 アレコレ迷ったが、レースデータ重視でここはキタサンブラックをトップ評価。ダービーでは14着に惨敗したが、皐月賞3着でスプリングSでも1着と、中山実績では他を一歩も二歩もリードしている。人気馬が勝つ出走パターンに合致しており、行く気になればハナに行くことも可能な先行力の持ち主。この脚質は、やはり大きな魅力だ。

 二番手評価にサトノラーゼン。2勝目を挙げるのに時間を要したが、京都新聞杯を制し、ダービーではドゥラメンテに0秒3差の2着に好走と、3歳春から急成長を見せた馬である。相手なりに走れる馬で、先行力もソコソコ備えている器用なタイプ。中山芝は未経験だが、これを理由に割り引く必要はなさそうである。

 三番手評価はブライトエンブレム。札幌2歳Sを制するなど早くから頭角を現していた馬で、順調さを欠いた面はあったが、それでも弥生賞2着、皐月賞では4着と、やはり力のあるところを見せている。中山芝での実績、さらにネオユニヴァース産駒という血統面での裏付けもアリ。器用さに欠けるが、爆発力はナンバーワンだろう。

 ここまでの3頭が上位評価組で、人気薄では四番手評価のロッカフェスタと、五番手評価のロジダーリングに期待。あとは、タンタアレグリア、レッドライジェルという評価の序列である。今年のセントライト記念は「実績馬、もしくは前走500万下」という極端なメンバー構成でもあり、あってチョイ荒れ程度というのが現時点での読み。どう買って儲けるかという、買い目の構築力が要求されるレースになりそうである。


■総論×各論・先週の馬券回顧




阪神11レース セントウルS(G2)
1着 06アクティブミノル
2着 16ウリウリ
3着 08バーバラ

期待していたリトルゲルダが内枠に。「ハクサンムーンの単勝を買う気はない→じゃあウリウリかミッキーラブソング→どうせなら人気のないほうを狙おう」という過程を経て、たどり着いたのがミッキーラブソングの単複勝負だったワケです(迷走)。もっとも、ウリウリから流す馬券を買っていたとしても、アクティブミノルは間違いなくヌケ。いわゆるドモナラズでございます……。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2007年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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