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シュウジの小倉2歳S レース前岩田騎手に伝えた一言

  • 2015年09月22日(火) 18時00分
小牧太

今週の太論は、重賞回顧からスタート。シュウジの現時点での評価なども語ってくれました


 今週の太論は、重賞回顧からスタート。ダコールの新潟記念、ミッキーラブソングのセントウルSに加え、ユーザーからの質問に答える形で、小倉2歳Sのシュウジについても言及。岩田騎手とのやり取りや、シュウジに対する現時点での率直な評価を語ってくれました。
(取材・文/不破由妃子)


新潟記念は、3コーナーの不利がすべてやね

──今回は重賞回顧から。まずは新潟記念(ダコール6着)ですが、不利があったそうですね。

小牧 そうやねん。3コーナーでね。3、4頭が邪魔されたと思うんやけど、僕の馬が一番被害が大きかったんちゃう? 引っ張らざるを得なくなって、完全に首を上げてしまったからね。あれでもうおかしくなってしまった。なんせ一番外まで放り出されたから。馬場が渋っていたから、もともと行き脚がつかなかったんやけど、あの不利がなかったら3着くらいはあったなと。

──着差はそれほど開いてませんものね。

小牧 うん、最後はきてたからね。思った以上に、あの不利が大きかったですわ。一瞬じゃなくて、3コーナーから4コーナーにかけて、ずーっと外に持っていかれたんでね。4コーナー手前の時点で、ちょっともう厳しいかな…と思った。

──体も増えてましたね。プラス18キロでした。

小牧 馬体重を見たときガックリきたんやけど、調教師さんは「全然大丈夫。気にせんでいいから」と。確かに乗った感触として重いとは思わんかったけど、この間はなんか気が悪かったわ。馬場に出てから、今日は気が悪いなぁっていう雰囲気があったね。前走はすごくおとなしかったから。

──でも、敗因は3コーナーでの不利に尽きると。

小牧 そうやね。あれしかない。それでいて最後はきてたから、やっぱり力はあるんやなと思った。

──続いては、セントウルSのミッキーラブソング。こちらも7着とはいえ、コンマ4秒差まできました。

小牧 走るね。ただ、内枠だったらもうちょっといい競馬ができたのになと。枠順が出た瞬間、スプリンターとして今の時点では(外枠は)ちょっと厳しいなと思った。逆に、これで勝つようなら、スプリンターズSでも1、2番人気になるわと思いながらね。でも、思った以上に1200mには適性があるね。

──この馬については、改めて小牧さんとは手が合うんだなと思いました。

小牧 よく知ってるんでね、馬を。癖を知っているっていうのが僕の強みやね。今回は、馬もだいぶ付いていってくれたよ。枠順や馬場状態など条件が付くけど、重賞でもいい競馬ができそうや。

──次走は10月11日のオパールSが予定されていますね。

小牧 みたいやね。オープン特別やけど、京都はそれこそ枠順次第。内枠を引いて、できるだけ前に行きたいね。

──続いてはユーザーからの質問なのですが、「シュウジの小倉2歳Sの勝ちっぷりは、どうご覧になりましたか?」と。2馬身半差の圧勝でしたね。

小牧 相手がいなかったね。それに尽きると思うよ。みんな強い、強いって言うし、康誠も「GIを勝てそうな馬ですね」って言っとったけど、僕は現時点ではそこまで買い被ってはいないです。もちろん、強いんやけどね。小倉2歳Sも相手がねぇ。独り舞台やったやん。新馬は持ったままハナにいって、2走目の中京2歳Sも楽に行けて。強い相手に厳しい競馬をしていないからね。これからどう変わってくるかやと思ってる。もちろん、期待はしているよ。

──中京2歳Sは、時計的にも半信半疑のところはありますよね。

小牧 時計でいえば、小倉2歳Sもやろ。次は距離を延ばしてくるはずやけど、1200mを使ったことがどう出るかやね。

──シュウジについては、こんな質問もきています。「小倉2歳Sに出走したシュウジについて、岩田騎手に乗り替わるにあたって、レース前になにかアドバイスしたり、会話をしたりしましたか?」。

小牧 うん、札幌で会ったときに康誠から聞いてきたよ。でも、乗りやすい馬やから、何も言うことがなかった。「おとなしいし、乗りやすいよ」って。それだけや。

──質問の続きですが、「期待している馬がほかの騎手に乗り替わるとき、その騎手が聞いてきたりしたら、騎手同士で情報交換やアドバイスのやり取りをすることはあるのでしょうか?」と。

小牧 あるある。常に聞いたり聞かれたりするよ。まぁ正直に教えてくれてるのかどうかはわからんけど(笑)。

──やはり、駆け引きが存在するんですね。

小牧 いやいや、大抵はなんでも正直に教えてくれるよ。うるさい馬とか、癖のある馬とかはとくにね。僕も包み隠さず教えるし。なんせ命が懸かってることやからね。

──シュウジについては、「次走からは小牧さんに戻るんですよね?」といった質問も多数きています。

小牧 なんも聞いてないけど、戻ってくるんちゃう……かな。まぁ、レースが近づいてみないとわからんけど、期待半分で待っときます(笑)。
小牧太

まぁ、レースが近づいてみないとわからんけど、期待半分で待っときます(笑)


【次回の太論は!?】
 8月後半から9月中旬にかけてのベストレース、ワーストレースの回顧。なぜか芝のレースに勝ち星が集中していることについては、小牧騎手ご自身も気になっているようです。さらに、天皇賞(秋)に出走予定のヒットザターゲットについて、ユーザーからの質問に答えつつ、その手応えを語ります!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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