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ラインクラフトの半弟ディクタムらがデビュー!

  • 2015年09月28日(月) 18時00分


【栗東】
◆アドマイヤビスタ(牡、父ネオユニヴァース、母レインボークォーツ、栗東・友道康夫厩舎)
 おじに2014年マイラーズCを優勝したワールドエース(父ディープインパクト)がいる血統で、2013年セレクトセール当歳にて、2700万円で落札されている。
 本馬は函館競馬場でゲート試験に合格し、一旦牧場へ戻って調整して、栗東へはノーザンファーム天栄を経て、9月4日に入厩。陣営が「あまりやるつもりはなかった」という、9月13日の坂路では4F53.0秒をマーク。この時点で能力の高さを見せていたが、それを確固たるものにしたのは9月24日のCWでの3頭併せ。前にアドマイヤバラード、後ろからシュヴァルグランと格上に挟まれた状態で道中を進んで、最後はアドマイヤバラードと並んで一杯に追われて、やや遅れ。それでも6F81.9秒という数字は時計を要する馬場状態だったこと、新馬ということを考慮すればトップレベル。坂路だけでなく、トラック馬場で速い時計が出た点も評価できるし、これで初戦から能力全開の走りを見せることができるだろう。10月3日(土)阪神芝1800mをC.ルメール騎手でデビューする予定となっている。

◆サラザン(牡、父ハーツクライ、母エービーヌードル、栗東・須貝尚介厩舎)
今週のデビュー馬

 全姉に東京芝1400mで新馬勝ちし、芝で3勝を挙げたセコンドピアットがいる血統。須貝尚介厩舎のハーツクライ産駒といえば、ジャスタウェイの印象が強すぎるせいか、どうしても期待してしまう。
 5月に栗東へ入厩して、ゲート試験に合格。その後は「成長を促す意味での放牧」(須貝尚介調教師)を挟んで、栗東へ再入厩した。坂路での追い切りを順調に積み重ねた後、9月24日はレースで騎乗予定のM.デムーロ騎手が跨って、CWでの併せ馬。マオウを追走して、最後はきっちり先着。6F83.7秒は一見すると平凡な数字だが、時計を要する馬場だったことを考慮すると速い部類。6月の坂路での併せ馬では遅れが目立っていただけに、そういった意味での成長は確実にありそう。デビュー戦は10月3日(土)阪神芝1800mを予定している。

◆トウカイメジャー(牡、父ダイワメジャー、母トウカイミステリー、栗東・安田隆行厩舎)
今週のデビュー馬

 母は現役時代に同厩舎で管理され、2011年北九州記念を優勝。近親に2009年シルクロードSを勝ったアーバンストリート(父スウェプトオーヴァーボード)がいる血統。
 9月11日のゲート試験合格後、坂路でオウケンビリーヴとの併せ馬を繰り返しており、9月24日はレースでも騎乗予定の北村友一騎手が跨っての坂路追い切り。追走した分、最後は半馬身ほど遅れるような形だったが、時計は4F54.0秒、1F12.3秒と悪くない。母は新馬勝ちできなかったが、その初仔は勝ち負けできる状態に仕上がりつつある。10月4日(日)阪神芝1400mでデビューする予定。

◆ルドルフィーナ(牡、父シンボリクリスエス、母アメーリア、栗東・松永昌博厩舎)
今週のデビュー馬

 おばに2001年スワンSなど重賞3勝のビハインドザマスク(父ホワイトマズル)、近親に2007年ヴィクトリアMを優勝したコイウタ(父フジキセキ)がいる血統。
 どちらもマイル以下の重賞で活躍したということもあり、松永昌博調教師も入厩当初はそのあたりの番組を検討していたが、追い切りを重ねるごとに長い距離にも対応できるということでデビュー予定は10月3日(土)阪神芝1800mに決定。9月24日、芝馬場での追い切りでは5F64.7秒をマーク。併せたメイショウシッポウにはきっちり先着している。馬場状態の違いはあるが、同じ芝馬場で追い切った1週前に比べると動きはしっかりしてきた。この距離でどのようなレースぶりを見せてくるか楽しみなところ。

【美浦】
◆アウェイク(牝、父ディープインパクト、母オールザウェイベイビー、美浦・斎藤誠厩舎)
 半兄ゴスホークケンは朝日杯FSの勝ち馬。6月下旬に函館でゲート試験を受け、夏場は北海道のノーザンファーム早来で成長を促した。9月上旬に再入厩してからは順調に乗り込まれ、24日の追い切りは既にデビューしている僚馬を追走して先着。テンションを上げすぎないように調整されているが、仕上がり自体は早そうな印象だ。「お姉ちゃんのディアマイベイビーは気性的な難しさがあったし、そこに気をつけながら進めてきました。今のところは許容範囲。カイバの食いが細いのは女の子らしいけど、ある程度は動けています。背中の感じがいいし、血統的にも楽しみ」と斎藤誠調教師。10月3日、中山の芝1600mを柴山雄一騎手で予定している。

◆エレクトロポップ(牡、父マンハッタンカフェ、母ロリポップガール、美浦・小島太厩舎)
 現6歳の全姉ラフレーズカフェは新馬勝ちを含め、芝1200mと芝1400mで4勝。一族からは目黒記念を連覇した他、有馬記念2着、ジャパンC2着、メルボルンC2着など国内外で活躍したポップロックが出ている。ここ2週は坂路で4F54秒台をマークしており、陣営の評価も高まっている。「力の要るタフな坂路を余力十分に上がってくる。目一杯に追ったわけじゃないし、これだけ動ければ十分。まだ緩さがあるけど、稽古通りなら走ると思う」と小島良太調教助手。10月4日、中山の芝1800mをミルコ・デムーロ騎手で予定している。

◆ディクタム(牡、父メイショウサムソン、母マストビーラヴド、美浦・木村哲也厩舎)
 半姉ラインクラフトは桜花賞とNHKマイルCの変則2冠を含め、重賞5勝。現8歳の半兄アドマイヤロイヤルはプロキオンSを勝っており、叔父に高松宮記念など重賞3勝のアドマイヤマックスがいる。「種馬が違うぶん、1歳上のバルブランシュよりも扱いやすい。どっしりとしたところがあるし、稽古を積んでいってもテンションが上がらないのはいいですね。コントロールも利くし、芝の中距離にフィットしそうなイメージ。デビュー前としては体力的にも十分だと思います」と木村哲也調教師。10月4日、中山の芝1800mを北村宏司騎手で予定している。

◆スマートアリシア(牝、父ファルブラヴ、母スマートダイス、美浦・鹿戸雄一厩舎)
 伯父にアーリントンC、京成杯AHとマイルの重賞を2勝したステキシンスケクンがいる。「ファルブラヴ産駒の牝馬らしく、ピリッとした気性で前向き。ちょっと馬体の線が細っこいけど、気性的には初戦から動けそうなタイプだと思う」と鹿戸雄一調教師。10月3日、中山の芝1600m(牝馬)を三浦皇成騎手で予定している。
 また、鹿戸厩舎からはシーサイドチャペル(牝、父シンボリクリスエス、母チャペルコンサート)もスタンバイ。同じく10月3日、中山の芝1600m(牝馬)を横山典弘騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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