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鞍上が乗り替わる人気薄を狙い撃て!/毎日王冠

  • 2015年10月07日(水) 18時00分

■毎日王冠(G2・東京芝1800m)フルゲート18頭/登録13頭


【コース総論】東京芝1800m Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の連対率62.2%と高信頼度。6番人気以内が勝つケースがほとんど。
★芝2000mほどではないが内枠有利。勝率の高さが目立つ上に回収率も高い。
★好走には速い上がりが必要不可欠。4角7番手以内のポジションが欲しい。






 2コーナー寄りのポケットから、向こう正面へと斜めに進入するコース形態。このカーブ自体は緩いものだが、それでも内枠のほうがベターであるのは間違いない。平均配当は、単勝996円、馬連4989円、3連複1万9668円と低めの水準で、実際に人気別成績を見ても、人気馬の強さが目立っている。とくに、1番人気馬の強さはかなりのものだ。

 コース形態の影響もあり、馬番別ではかなり内枠有利。内枠である馬番1〜4番は、トータル[25-16-15-124]で勝率13.9%、連対率22.8%、複勝率31.1%と、図抜けて高い信頼度を誇っている。単純な内外の比較でも明らかに内が優勢で、平均人気の差を考慮しても、内が有利であるのは間違いなし。脚質を問わず、内枠重視のスタンスでいきたい。

 瞬発力勝負になることも多いコースであり、速い上がりを使えるのは、勝ち負けの必要条件。ただし、後方からの差しでは取りこぼすケースが目立っているため、中団よりも前のポジションが欲しい。「府中の千八、展開要らず」という有名な競馬格言があるが、これを過信することなかれ。今年の毎日王冠のような混戦ならば、なおさらである。

【レース総論】毎日王冠(G2) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータよりも波乱傾向が強いレース。中穴人気の好走率が高い。
★やはり内枠のほうがベター。先行勢の前残りが意外なほど多いレース。
★継続騎乗の馬が不振で、乗り替わり×4〜9番人気での出走が絶好調!









 過去10年で、1番人気が[2-2-1-5]と意外に苦戦している毎日王冠。例年ハイレベルなメンバーで行われるためか、混戦となって中穴人気の伏兵が台頭──といった決着パターンが目立っている。ふたケタ人気の超穴馬も5回の馬券絡みがあり、3連複の平均配当は5万円オーバー。ちょっと振り回し気味のほうが面白そうなレースである。

 今年は少頭数となりそうだが、それでも「内枠有利」の傾向にあるのは意識すべき。馬番1〜8番が[8-8-8-56]で連対率20.0%、複勝率30.0%であるのに対して、馬番9〜18番は[2-2-2-51]で連対率7.0%、複勝率10.5%と、後者の信頼度はガクンと落ちる。また、意外なほどに前有利で、先行勢の前残りが多いのも、しっかり意識しておきたい。

 数あるG2のなかでもトップクラスの「格」を誇るレースであるため、夏場を使われてきた組よりも、休養明けで出走する組のほうが優勢。もっとも信頼できるのは「中9週〜中24週のローテ、かつ前走が中央G1もしくは海外遠征だった馬」で、トータル[7-7-3-37]で連対率25.9%、複勝率31.5%と好成績。ただし、半年以上の休養明けとなる馬に関しては、大幅な割引が必要だ。

 面白いのが「乗り替わり>継続騎乗」であること。連対馬20頭のうち、じつに15頭までが乗り替わり騎乗なのだ。なかでも激アツなのが「乗り替わり×4〜9番人気」のパターンで、この条件に該当する馬の単勝回収率は、なんと357%もある。騎手が継続騎乗する場合は人気馬を、乗り替わる場合は中穴を狙うのが、じつは毎日王冠の儲かる買い方なのである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 開幕週のAコース。エアレーション等の影響があっても、前が有利と予測する。

・天候予測
 週末へ向けて天候が崩れそう。日曜日の降水確率が高く、道悪となるかも。

・注目血統
 なし

 開幕週の「秋の東京」であり、例年通りであれば内枠&先行勢が有利。しかし、気になるのがシャタリングマシンやバーチドレンなど、芝のエアレーションによる影響だ。開幕週から差せる馬場となるのが特徴で、今開催の東京も全開催の中山や阪神同様に、いきなり差し馬場となる可能性アリ。土曜日のレースを、しっかりチェックしておきたい。

 登録13頭すべてがサンデー系で、そのうち10頭がディープ産駒という偏りまくったメンバーだけに、父を気にする必要はまるでなし。というわけで、今回は特別にサンデー系種牡馬産駒の「母父系統別成績」を掲載している。目立っているのが、Kingmambo系やSeeking the Gold系、Forty Niner系など、母父に「日本の芝適性があるMr. Prospector系」を持つ配合パターン。あくまで参考データだが、アンビシャスやディサイファ、トーセンスターダムの適性はかなり高そうだ。

★出走登録馬・総論×各論

 モーリスの回避は残念だが、それでもイスラボニータやスピルバーグなど、非常に濃いメンバー構成。出走する全馬にチャンスがあるといっても過言ではなく、毎日王冠というレースの波乱傾向の強さを考えても、穴狙いのスタンスのほうが好結果を呼び込めるのではないか──というのが、現時点での感触である。

 枠番によってかなり評価を上げ下げするとは思うが、現時点でのトップ評価は、安田記念で激走したクラレントだ。6歳以上馬であるのが割引材料だが「鞍上が乗り替わる予定の中穴人気」であり、前走G1組であるのもプラス評価の対象。東京実績も十分で、スッと好位につけられる脚質も大きな魅力といえる。

 二番手評価にステファノス。こちらもクラレント同様に「鞍上が乗り替わる予定の中穴人気」となりそうで、海外遠征からの復帰初戦であるのも、毎日王冠ではプラスに働く材料だ。G1級に張り合える地力の持ち主であるのは、2走前〜前走で証明済み。差し馬場になるようであれば、こちらをトップ評価にするのもアリだ。

 三番手にグランデッツァ。こちらは前走がG3の七夕賞で東京芝の実績にも欠けるが、毎日王冠が意外なほど「前が残るレース」であるのは、前述した通り。自分のカタチに持ち込めた場合の強さは、過去のレースで証明済みだ。東京替わりが理由で人気を落とすようなら、なおさら買いたくなる。

 そして、四番手に3歳馬アンビシャス。現3歳世代でもトップクラスの能力馬であるのは、とんでもなく強かった前走内容からも明らか。毎日王冠と好相性の3歳馬×鞍上の乗り替わり×母父エルコンドルパサーという血統面など、ここはかなり買い材料の多い一戦である。地力に関しても遜色はないと見て、上位の一角に推したい。

 以下は、イスラボニータ、エイシンヒカリ、ヴァンセンヌ、スピルバーグ、リアルインパクトといった評価順。「鞍上の乗り替わる人気薄」をちょっと高く評価しすぎている気がしないでもないが、これくらい思い切った評価のほうが、大混戦の今年は面白いはず。あとは、枠番と人気がどうなるか次第。オッズ次第では、ガツン!と大勝負してみたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中山11レース スプリンターズS(G1)
1着 02ストレイトガール
2着 04サクラゴスペル
3着 06ウキヨノカゼ

ハイ、見せ場すらない大ハズレ。個人的には「スローだからこそ差せた」という考えで、もっと先行勢がガリゴリやり合って欲しかったなあ……という残念な思いでいっぱいデスネ。しかし、サクラゴスペルとウキヨノカゼが来て3連単10万馬券とは、皆さんホントに馬券が上手い(感嘆)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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