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アルゼンチン・京王杯・ファンタジー・みやこ、今年は呪いの4本立て。

  • 2015年11月05日(木) 12時00分


今年も「呪いのウィーク」がやって来た!
アルゼンチン共和国杯・57キロの呪い
京王杯2歳S・1人気出遅れの呪い
ファンタジーS・1人気取りこぼしの呪い
みやこS・奥秩父の呪い

去年は3本立てだったけれど、今年は呪いの4本立てだ。
みやこSだけなんの呪いもないのは不憫に思い、一生懸命探してみたら、どうにかこうにか呪い的なものが見つかったので、仲間に加えてみた。これでG1の狭間にまとめて行われる4重賞すべてを呪いでくくれることになった!

言うまでもなく、ここでの「呪い」はアメリカで語り継がれている「ヤギの呪い」や「バンビーノの呪い」に影響を受けてのものだ。この時期、アメリカではメジャーリーグのワールドシリーズが行われているから、この手の呪いのエピソードをたびたび目に耳にして、何度か聞いていたら、いつの間にか乗っかってしまっていた。そんな感じだ。
ちなみにヤギの呪いのカブスは今年もワールドシリーズ進出一歩手前で負けて、ヤギの呪いを解除することは出来なかった。そのワールドシリーズもロイヤルズの圧勝(4勝1敗)ですでに終わってしまった。日本人選手が登場しないと静かなもんだ。

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アルゼンチン共和国杯・57キロの呪い
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「アルゼンチン共和国杯で57キロを背負わされると、基本的には勝ち負けできない。最高で3着まで」

「ただしそれでも57キロで1着した馬は、G1で勝ち負けできるポテンシャルあり」

57キロ馬の成績
この21年間で、2-0-5-28。

1着馬はトーセンジョーダン、フェイムゲームの2頭。
トーセンジョーダンはその後天皇賞秋を1着した。
フェイムゲームはその後天皇賞春をクビ差2着した。

つまり、アルゼンチン共和国杯で57キロを背負わされると、なかなか勝ち負けできないし、あっても3着までだけど、のちにG1を勝てるような逸材だったら、57キロでも1着できる、ということだ。

そのアルゼンチン共和国杯に今年は5頭の57キロ馬がいる。

ヒラボクディープ 5歳牡馬
フラガラッハ   8歳牡馬
マイネルフロスト 4歳牡馬
ラブイズブーシェ 6歳牡馬
(ロサギガンティア 4歳牡馬・賞金的に出走微妙)

賞金的に足りないロサギガンティアを除外すると4頭になる。

はたして、この中にG1で勝ち負けできる逸材はいるのか?
勝った2頭は、4歳で、人気があって、数は少ないながらも、それなりに濃い東京実績があった。
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トーセンジョーダン 4歳 1人気1着 前走アイルランドT(オープン)2人気1着
当時の東京成績1-1-0-0(共同通信杯2着)

フェイムゲーム 4歳 2人気1着 前走オールカマー4人気6着
当時の東京成績1-0-0-1(ダイヤモンドS1人気1着)
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ヒラボクディープ 5歳 前走丹頂S(OP)5人気1着
東京2-0-1-4(青葉賞1着)

フラガラッハ   8歳 前走日経賞7人気5着
東京2-0-0-6     
   
マイネルフロスト 4歳 前走オールカマー9人気9着
東京1-0-1-2(ダービー3着)

ラブイズブーシェ 6歳 前走新潟記念5着14人気
東京0-1-0-2(目黒記念2着) 

4歳という項目からマイネルフロスト以外の馬は消せてしまうけれど、例外の余地を逃したくないので、5歳以上の馬も書き出してみた。

ヒラボクディープは青葉賞1着があるけれど、東京での馬券圏外が4回もあるのが物足りない。ラブイズブーシェはもう6歳で、これ以上のノビシロは難しそうだ。この2頭はあっても3着までとしていいのではないか?
残るは4歳のマイネルフロストだけど、この馬も少々物足りない。東京云々ではなく、ダービー3着以後の成績がなんだか物足りない。G1で3着することはあっても、G1で勝ち負けするとは思いにくい成績だ。ただし予想オッズでは、美味しそうなところにいる。

ヒラボクディープ 7人気
マイネルフロスト 8人気
ラブイズブーシェ 9人気

勝ち負けありきではなく、3着ありきで◎にするならマイネルフロストは悪くない成績と人気だ。それはヒラボクディープやラブイズブーシェにも言えるけれど、4歳のノビシロの部分を考慮するとマイネルフロストを取りたくなる。

というわけで、今年も57キロ馬は勝ち負けが難しい!と声高らかに歌い上げたいけれど、そもそも人気がない馬ばかりなので、胸を張っては言いにくい。

と同時にもう1つ気になることがある。
3歳のレーヴミストラルが出走するのだ。
ハンデは55キロ。
ここはひじょうに興味深い。

なぜならこの時期は古馬に対して2キロ減が定番で、3歳の55キロは古馬の57キロとも言えるからだ。

そもそも3歳馬がアルゼンチンに出走するのが最近は少ない。マル外馬に出走制限があった10年以上前は、貴重な重賞レースとして、3歳のマル外馬がけっこう出走していたけれど、その制限が撤廃されてからは、3歳の出走そのものが減ってしまった。この10年で5頭しか出走してない。

成績は0-0-1-4
3着したのは9人気で51キロだったコスモヘレノスのみ。最高ハンデも54キロまでで55キロの馬はいなかった。

つまり今年のレーヴミストラルは超久々のハンデ55キロ馬なのだ。

そうなると気になるのは3歳55キロ馬たちの成績だ。3歳の55キロも呪いの対象なのか、そこも気になる。

この30年で、3歳で55キロを背負った馬は4頭いて、成績は2-0-0-2。

00年アドマイヤボス 1人気10着 55 東京初
98年ミラクルタイム 5人気10着 55 東京1勝(500万1着)
97年タイキエルドラド 1人気1着 55 東京2勝(1600万1着)
94年マチカネアレグロ 2人気1着 55 東京2-2-0-0(オープン1着 G2・2着)

1着か10着。東京実績の濃い馬が1着している。
3歳55キロは呪いというよりも2択、丁半だ。
ちなみに56キロ以上を背負った3歳はグラスワンダーただ1頭で57キロだった(1人気で6着)。55キロは丁半博打としてちょーどいいのかもしれない。

レーヴミストラルは東京1-0-0-1。青葉賞1着、ダービー9着。
勝ってもおかしくないように思えなくもない。ここで勝ち負けして、松田博厩舎最後のジャパンカップに行きたいかもしれない。そうやって青葉賞を勝って、ダービーに出た。ならばジャパンカップではなく、ここで買うべきか。
休み明けの馬がアルゼンチンでは1着できてないのは気になるけれど、予想で4人気ならば、乗れる2択、悪くない丁半だ。

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アルゼンチン共和国杯 注目馬
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マイネルフロスト 3着で。
レーヴミストラル 1着で。

マイネルフロストは青葉賞6着、ダービー3着の4歳馬で、レーヴミストラルは青葉賞1着、ダービー9着の3歳馬。
対照的な感じも丁半ぽくっていい。どちらにしようかな? どちらにもしないでおこうかな? あとは人気を見て決めよう。

他に気になってる馬
メイショウカドマツ
アルバート

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京王杯2歳S・1人気出遅れの呪い
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京王杯2歳Sの1人気は本当によく出遅れる。
なんだってこんなにまた!
と思うほど1人気が出遅れる。

この10年で8回出遅れ(出負け)していて、現在5年連続で出遅れ(出負け)中。

一昨年は鞍上がムーアだから、大丈夫と思ったら出遅れた。あのモーリスで出遅れて6着だった。
それを受けて、去年はもはや出遅れる前提で1人気を心配したら、1人気ニシノフラッシュ(田辺)は出負けして、3着だった。
モーリスもニシノラッシュも前走はちゃんとスタートしていた馬で、改めて震え上がったのだった。

ここ5年の1人気馬の成績(すべて出遅れ・出負け)
14年 ニシノラッシュ 田辺 3着
13年 モーリス    ムーア 6着
12年 テイエムイナズマ 池添 9着
11年 モンストール  柴田善 4着
10年 オルフェーヴル 池添 10着

去年は3着に来たけれど、モーリスやオルフェーヴルでも挽回できなかった。1人気から買うにはリスクがすぎる。

今年1人気になりそうなのはモーゼスかシャドウアプローチ。

モーゼス 柴田善 前走新馬1着 3-2-2 出遅れなし
シャドウアプローチ Cデムーロ 前走ききょうS1着 6-5-4 出遅れなし。

モーゼスは新馬1戦のキャリアだけに前走出遅れなかったとしても心配だ。馬名もモーリスみたいで悪夢が蘇る。
シャドウアプローチは3戦のキャリアがあるけれど、新馬初戦で出遅れて2着に負けている。

うむ、今年も1人気になった方を呪いで処理してしまおう。

京王杯2歳S・注目馬
アドマイヤモラール 田辺は一昨年1着、去年3着。田辺って、得意重賞ができつつあるような気がしている。京成杯AHも4年連続馬券になっている。東京の芝も見えてないか?
キングライオン シュタルケが合ってるかも。

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ファンタジーS・1人気取りこぼしの呪い
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この10年の1人気馬成績1-2-2-5。
5回の馬券圏外のうち4着が4回。5着が1回。
3着〜5着が7回。取りこぼしが多いのがわかる。

1人気になるような馬は、次走で阪神JFを見据えている馬が多いから、京都1400の外回りのここで控える競馬を試したくなるのかもしれない。

今年の1人気はおそらくブランボヌール。
函館2歳を差しで圧勝(0.6)した馬がここで取りこぼすとは俄に信じがたいけれど、ブランボヌールは賞金的には足りているから、ここで何かを試す競馬をして、先達の馬同様に取りこぼすと決めつけるのはありだ。430前後と小さい馬だから、阪神JFを見据えて、重めに作ってくるかもしれない。

一方4人気は3-3-0-4。1人気から買うなら4人気から買ったほうがお得だ。

ファンタジーS・注目馬
キャンディバローズ この馬が4人気だといいな。

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みやこS・奥秩父の呪い
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ダートのレースは1、2人気の馬が激突するケースが多い。
だから1、2人気のワンツーが少ない。その最たる例が旧ジャパンカップダート、現チャンピオンズCだ(本当に1、2人気のワンツーがない!)。

チャンピオンズCの前哨戦でもあるみやこSも1、2人気のワンツーは少ない。
過去5回中ワンツーしたのは第1回のみだ。

第1回 1着2人気 2着1人気 3着9人気(以下、人気省略)
第2回 1人気 4人気 5人気
第3回 1人気 3人気 5人気
第4回 2人気 7人気 1人気
第5回 2人気 9人気 4人気

激突して、共倒れもないのがわかる。どちらかは踏ん張って、勝つ。
つまり1人気か2人気のチョイスを間違えなければ当たるというわけだ。

予想では
1人気 ダノンリバティ
2人気 クリノスターオー

どちらが弾き返されるのかな…。

こう書くと、みやこSで激突してるのは1、2人気だけみたいに思われるけれど、全馬がチャンピオンズ出走を目指して(?)、激突し合ってるのもわかる。

それは過去5回中3回で、奥秩父(単100倍以上)の人気薄が奮闘していることからも伝わって来る。
10年 単147.9倍 14人気 アドマイヤスワット 4着
12年 単122.2倍 11人気 タガノロックオン  4着
14年 単321.8倍 16人気 イッシンドウタイ  4着

惜しい! もうちょっと。
もうちょっとで馬券になったのに…………!!!
そんな買ってた人の地団駄な呪い。

みやこS注目馬
スリータイタン
ワンダーアシャード
エーシンモアオバー
アスカノロマン

とりあえず予想で人気のない馬を並べてみた。
今年は12頭しか登録がないから、予想の段階で単100倍を超えそうなのはスリータイタンしかいない。っていうか出走するのだろうか? それもわからない。
正直、足りないと思うけど、この馬は後方待機のはずで、11頭の乱戦が巻き起これば、どうだろう? 無理かな?

ワンダーアシャードは予想では2番目に人気のない馬。っていうか、ワンダーってつくだけで、ダートでは何かしでかすような気になってしまう。ただ花園Sに出走しそうで、出てくるかは微妙だ。出てくれば買ってみたいけれど、どうだろう? 出走するかな?

エーシンモアオバーは沖厩舎の関西馬で、すでに9歳なのに京都ダートの経験がない! 出てくれば人気はないだろうから買ってみたいけど、どうだろう? 本業の地方巡業の合間の調整出走かな?

アスカノロマンは4-2-0-3の京都ダートならばまだ見限れない。去年のみやこSは10着に負けたけれど、前走の平安Sは15着に惨敗したけれど、立て直されていれば、どうだろう? まだわからない……。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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