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データ的には「一強」で相手は大混戦!/マイルチャンピオンシップ

  • 2015年11月18日(水) 18時00分

■マイルCS(G1・京都芝1600m外)フルゲート18頭/登録23頭


【コース総論】京都芝1600m外 Cコース使用

・コースの要所!

★イメージよりも格段に人気薄での好走例が多いコース。大穴も狙える。
★そう偏りはなく外枠でも買えるが、もっとも期待値が高いのは内枠。
★先行馬と差し馬で信頼度の差が小さく、けっこう差し優勢といえる。






 16頭立て以上のレースにおける平均配当は、単勝1252円、馬連7531円、3連複2万6650円と、意外に高めの水準。実際に人気別成績を見ても、イメージ以上に人気薄での好走が多い。超人気薄といえる10〜12番人気でも、連対率5.1%、複勝率7.3%と狙っていけるコース。人気から穴まで、まんべんなく馬券に絡んでいるのが特徴だ。

 次に枠番だが、こちらはやはり内枠が有利。馬番1〜6番と馬番13〜18番を比較すると、連対率で4.4%もの差が出ている。平均人気の差を考えると当然の結果ではあるのだが、枠番値も内枠のほうが格段に高いわけで、やはり内枠を高く評価すべきだ。とはいえ、「外枠不利」というほどではないので、外枠を理由に割り引く必要はないだろう。

 脚質別では、4角を6〜10番手で回った馬が好調。複勝率ベースで比較すると、先行勢との差はわずか1.2%。本来はもっと差が出て当然のはずで、イメージ以上に差し優勢のコースといえそうだ。ただし、最速上がり馬の回収率はそれほど高くはなく、末脚だけで勝負できるコースではないのも事実。つまり、問われるのは「総合力」である。

【レース総論】マイルチャンピオンシップ(G1) 過去10年

・レースの要所!

★5番人気以内[8-8-6-28]と、順当決着傾向はコースデータよりも格段に強い。
★4〜5歳馬の強さが目立つ。枠番別では、「人気のひとケタ馬番」が要注目。
★天皇賞・秋からのローテなど、距離短縮組が過去10年で7勝10連対と絶好調。









 平均配当は単勝1263円、馬連4916円、3連複1万8080円と、馬連と3連複はコースデータよりもかなり低くなった。5番人気以内馬が[8-8-6-28]で連対率32.0%、複勝率44.0%という好成績を残しているのだから、それも当然の話である。1番人気の信頼度も非常に高く、基本的には順当決着傾向が強いレースといえる。

 目立っているのが、4〜5歳馬の強さだ。トータル[7-10-7-66]で3着内シェア80.0%という寡占状態で、6歳以上馬も3歳馬もイマイチ。5番人気以内馬に限れば、連対率45.2%、複勝率58.1%と信頼度は格段にアップする。軸もヒモも、狙うべきは圧倒的にココ。全体的には関西馬のほうが優勢だが、4〜5歳馬であれば関東馬でもまったく問題はない。

 次に枠番だが、コースデータ同様にやはり内枠有利。連対率や複勝率は、馬番7〜12番の「中枠」がもっとも高いのだが、これは圧倒的に高い平均人気によるものだ。きわめて低い勝率や枠番値から考えると、かなり買いづらいのが外枠。コースデータから一歩踏み込んで、内枠有利&外枠不利と結論づけたい。

 これをさらに後押しするのが、5番人気以内馬に限定した枠番別データである。人気馬が強いレースであるのは前述した通りだが、ひとケタ馬番とふたケタ馬番を比較すると、信頼度には天と地ほどの開きがある。勝率25.9%、連対率48.1%と優秀な前者を買うべきなのは自明の理で、ふたケタ馬番だと人気でも3着に取りこぼすケースが多いのだ。

 脚質については、コースデータでも感じられた「差し優勢」の傾向が、さらに強まった印象である。勝率、連対率、複勝率のいずれも、4角を6〜10番手で回った馬がトップ。先行勢も踏ん張ってはいるのだが、差し脚質の馬と比較すると、いささか分が悪い。決着パターンは「差し→先行→差し」、もしくは「差し→差し→先行」と想定する。

 あとは、天皇賞・秋や毎日王冠などからの「距離短縮組」が強いのも、マイルCSの大きな特徴。逆に、前走1400m以下戦からの距離延長は、2着〜3着にはよく来るのだがアタマは望み薄だ。また、中8週よりも長いローテで好走した馬が、過去10年で1頭も出ていないのも、意識しておきたいデータ。安田記念以来となるモーリスの扱いは、じつはけっこう難しいのである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 B→Cコース替わり。外差しが決まりやすい馬場だったが、今週はどうか。

・天候予測
 良馬場前提も日曜日の降水確率が高く、下手するとまた雨の可能性も。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、アグネスタキオン産駒○、ダイワメジャー産駒▲

 今週からB→Cコース替わり。先週は内がイマイチ伸びず、外差しがよく決まっていた印象なのだが、これでまたガラッと傾向が変わる可能性がある。土曜日のレース結果をしっかり確認して、当日のバイアスを予測したいところだ。週末まで天候は崩れないと思われるが、日曜日の降水確率が高く、またしても降雨があるかもしれない。

 血統面では、京都芝の適性が図抜けて高いディープインパクト産駒を素直にトップ評価。マイル戦でもっともアテにできる種牡馬であるのは周知の事実で、キングカメハメハ産駒ですら歯が立たない状況だ。張り合えているのは、アグネスタキオン産駒とダイワメジャー産駒。スクリーンヒーロー×カーネギーという配合のモーリスについては、正直なところ何とも言いかねる。

★出走登録馬・総論×各論

 マイルCSが「枠番」の影響が非常に大きいレースであるのは、前述した通り。同じ人気馬であっても、ひとケタ馬番かふたケタ馬番かで、評価をガラッと変える必要がある。あくまで、枠番が決まる前段階での評価序列であることを強調した上で、登録馬の各論へと入ることにしたい。

 文句なしに「買い」といえる唯一の存在が、天皇賞・秋からのローテで臨むイスラボニータだ。上位人気の一角に推されるのは確実で、臨戦過程から実績に至るまで、ケチをつける部分はまったくなし。京都での出走は意外にもこれが初めてだが、クセの強いコースではなく、何の心配もないと思われる。ひとケタ馬番さえ引けば、好勝負必至である。

 難しいのが以下の序列だが、二番手評価は昨年の2着馬であるフィエロだ。重賞未勝利ながら、一線級を相手に常に好走を続けており、地力はここでも上位。京都芝[1-4-2-0]でマイル戦[4-2-1-4]と、ここはベスト条件である。不器用な脚質がどうかだが、前走でも上がり最速と、そのキレは一級品。「また2着か3着」という可能性も大だが、上位には確実に食い込んできそうだ。

 そして、三番手がロゴタイプである。好位から安定した取り口のレースができるのは大きな強みで、今週からのCコース替わりは大きな福音となりそう。結果的にかなりのハイレベル戦だったオールカマーで、先行して4着に残しているのも、高く評価できる。皐月賞以来となる久々の勝ち星をここでゲット──という可能性も十分にありそうだ。

 四番手に、昨年の覇者であるダノンシャーク。7歳と高齢ながら、前走の毎日王冠でも0秒3差の4着に好走しているように、衰えは見られない。京都芝での実績は素晴らしく、ここで「もう一発」があって驚けない1頭。昨年同様、岩田ジョッキーらしい内ラチ沿いからの強襲を期待したい。

 以下は、モーリス、アルビアーノ、サトノアラジン、ケイアイエレガント、ヴァンセンヌという評価順。モーリスの評価が低くなったが、予定していた毎日王冠を回避したというのは、やはり痛い。その能力の高さは評価するも、今回に関してはリターンよりもリスクのほうが大きいと判断。枠番によっては、スパッと「消し」での勝負も面白い。


■総論×各論・先週の馬券回顧




京都11レース エリザベス女王杯(G1)
1着 12マリアライト
2着 18ヌーヴォレコルト
3着 08タッチングスピーチ

トップ評価だったヌーヴォレコルトから素直に流せば……とか、思わずタラレバを言いたくなる最近のハズレっぷり。NO.1予想ではガラッと評価を変えましたが、そっちもダメだったという情けなさデスヨ。ココでの馬券があまりにも当たらないので、とりあえず年末まで「3連単禁止」の方向で。このままではアタイ……年を越せないっ!

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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