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いよいよ大詰めとなってきた2歳GI戦線(吉田竜作)

  • 2015年11月24日(火) 18時00分


◆来春のクラシックの中心になっているかもしれないリオンディーズ

 締め切りのタイミングからもまず触れておきたいのがシーザリオの6番仔・リオンディーズ。調教では派手なタイムこそ出してはいなかったが、陣営も感触を得ていたのだろう。「兄(エピファネイア)というよりも母に似ている」(前川助手)も惜しみない賛辞を贈っていた。そして、その言葉は現実のものとなった。センスよく好位につけると、前に壁が作れなかったこともあってかやや掛かり気味での追走に。4コーナーも外に膨れ気味で進出したが、体勢を整えてから追い出されるとモノが違っていた。「ほとんど追ってない。最後は緩めていた」と岩田にとってもかなり余裕のあった勝利だったようだ。兄譲りのパワーに加えて、こちらは軽い馬場でも弾けられる瞬発力がある。ひょっとするとこの馬が来春のクラシックの中心になっているかもしれない。

 さて、2歳GI戦線もいよいよ大詰め。特に牝馬の阪神JFは「これ」という中核がないまま本番を迎えることになりそうだ。恐らくは1勝馬にも出走枠は回ってきそうなのだが、各陣営としては「2勝して確実なものに」となるのは致し方ないところか。阪神JFへのステップとしてはあまり相性のよくない白菊賞だが、今年はアドマイヤリードとワントゥワンという、ファンタジーSで不完全燃焼に終わった2頭に加えて、こちらもアルテミスSで敗れたカイザーバルまで出走することになりそうだ。8着に敗れたアドマイヤは「やっぱり久々のせいかもなあ」と松田博調教師。ただ、小柄な割りに神経質な面がなく、「カイバ食いもいい」というのがこの馬のセールスポイント。攻めの動きからもかなりの能力を秘めているはずで、次はあそこまで不発に終わる事はなさそうだ。そして、ワントゥワンはアドマイヤ以上に「惜しい」と思わせる4着。「M・デムーロを鞍上に予定していたが、騎乗停止に。あの時点で運がなかったかもなあ」と天を仰いだ藤岡調教師だが、レースでは実力を再認識したよう。「馬はよくなっていたし、あそこを回ってよく詰めていた。やっぱり走るで」。当たり前だが、2勝馬としてここから本番へ臨むことができるのは1頭だけ。果たして、どの馬が優先チケットを手にするだろうか。

 そのワントゥワンと同じ年齢にして「叔母」に当たるのがジュエラー。こちらも順調に調教が進められているのだが、藤岡調教師はデビューのレースについて頭を悩ませている。「1週待てば馬場のいい阪神になるだろう? 京都は馬場も悪くなってきたから。ただ、JCの裏の芝1800メートルの新馬戦だと騎手もいないし、メンバー的にはくみし易くなりそうなんだよなあ」。ちなみに調教については「いい動きをするし、大きい馬にしては柔らかみもある。走ってくると思う」と高評価。今週の水曜日には“結論”が出ることになるだろう。

◆好調・松田国厩舎に間もなく入厩しそうなイージーゴー

 好調・松田国厩舎には間もなく好素材が入厩しそうだ。それがイージーゴー。母(ザザ)も父(キングカメハメハ)も同厩舎に所属した、いわゆる「ゆかり」の血統だ。「入厩してすぐにゲート試験をパスしたので、一度吉沢WESTに出しました。身体能力が高くて、長い距離で走ってきそう」と松田国調教師。年内にはデビューできそうとのこと。“マツクニ旋風”を確かにする存在となるか。注目しておいてほしい。

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