【栗東】
◆アドマイヤキズナ(牡、父ハービンジャー、母アドマイヤオウカ、栗東・友道康夫厩舎)
母系には2010年ジャパンカップなどG1で2勝を挙げたローズキングダムがいる血統。ハービンジャー産駒はこれが2世代目になるが、初年度産駒であるスティーグリッツやエトランドルは同厩舎の管理馬。前者は菊花賞にも出走しており、父産駒には実績がある厩舎といってよいだろう。
友道康夫調教師は「ハービンジャー産駒っぽくなくて、軽い感じのコンパクトな馬体。追い切りでもいい感じで動けているので、デビュー戦から楽しみなタイプですね」と評価。個人的には先週デビューした同厩舎のアドマイヤダイオウよりは追い切りの動きが地味に見えるので、そのあたりがどうか。11月19日のDPでは5F63.9秒で動けていたので、ウッドチップでもこのくらい動けるようなら。11月29日(日)京都芝1800mを藤岡康太騎手でデビューする予定となっている。
◆ノンゼロサム(牡、父Speightstown、母Winendynme、栗東・西園正都厩舎)
5月には栗東でゲート試験に合格。デビュー戦も決まっていたが、成長痛のようなもので無理をせずに一旦放牧に出て様子を見ることになった。11月に栗東へ戻ってきているが、順調に追い切りを積むことができている。
11月15日の坂路では4F53.8秒をマーク。「5月の時点で出たとこ勝負だと思っていた馬ですからね。これくらい動けて当然だとは思いますが、一旦緩めるところがあって、最初の追い切りでこの数字を出しているのですから立派。20日にはゲートの確認も行いましたが問題ありません」と西園正都調教師。11月28日(土)京都ダート1400mを戸崎圭太騎手でデビューする予定。
◆サンテルモ(牡、父ヴィクトワールピサ、母エヴィータアルゼンティーナ、栗東・高野友和厩舎)
半姉サンタエヴィータ(父Smart Strike)はダート1800mで2勝。母は現役時代にオールウェザーのG1を制している。
本馬は9月24日にゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、10月27日にノーザンファームしがらきから再入厩している。11月から坂路での追い切りを積み重ねており、11月18日には坂路で一杯に追われて、4F54.6秒、2F24.8秒をマーク。追い切るごとに2F時計を詰めており、徐々に態勢が整ってきたという感じ。デビュー戦は11月29日(日)京都芝1800mを武豊騎手で予定している。
◆エスニックジュエル(牝、父キングカメハメハ、母ペニーブラック、栗東・安田隆行厩舎)
母系に2008年天皇賞(春)を制したアドマイヤジュピタや2006年日本ダービー2着のアドマイヤメインがいる血統。
本馬について「牝馬にしては馬格があるタイプ。繋ぎの立っている馬なので、ダート適性があると思います。20日にはゲートの駐立を確認しましたが、素直で大人しく対応していましたね」と安田隆行調教師。11月19日の坂路では、同じ2歳新馬と併せてきっちり先着、4F53.8秒をマークしている。11月28日(土)京都ダート1400mを鮫島克駿騎手でデビューする予定となっている。
【美浦】
◆ジェロディ(牡、父ディープインパクト、母アイランドファッション、美浦・手塚貴久厩舎)
2歳上の半姉パシフィックギャルは夏の福島で新馬勝ちを飾り、アルテミスS2着、フラワーC2着と早くから重賞戦線で活躍した。3歳上の半姉アイズーオンリーも新馬勝ちを飾っており、4歳上の半兄オーシャンドライブはダートで3勝した。「500キロを超す大型馬で少し余裕がある感じだけど、馬っぷりはいいですね。稽古の動きにも合格点を与えられます。ノドの弱さが気になるけど、そこを除けば水準以上の能力を持っていると思いますよ」と手塚貴久調教師。デビュー戦は11月29日、東京の芝1800mをライアン・ムーア騎手で予定している。
◆スカイホープ(牡、父キングカメハメハ、母メイウインド、美浦・国枝栄厩舎)
アグネスタキオン産駒の母は経験馬を相手にデビュー勝ちを飾った。一族には重賞2勝(函館記念、新潟記念)のトランスワープ、AJCC2着のインテレット、さらに遡れば2002年のマイルCSを制したトウカイポイントなどの活躍馬がいる。先週の追い切りでは評判馬のケイブルグラム(21日のメイクデビュー東京で5着)を相手に優勢の動きを見せていた。「バランスのいい体つきをしているし、稽古の反応も良かった。いつも元気で前向きな気性だし、初戦から動けるんじゃないかな」と国枝栄調教師。11月28日、東京の芝1600mを北村宏司騎手で予定している。
◆ソーアメージング(牡、父ネオユニヴァース、母ソーマジック、美浦・田村康仁厩舎)
シンボリクリスエス産駒の母はアネモネSを勝ち、桜花賞でも3着に好走した。9月中旬に入厩してから約2カ月、じっくりと調教を重ねてきた。ひと追い毎に時計を積めてきており、動き自体も良化している。「口向きの矯正を含め、長く厩舎に置かせてもらって十分に乗り込んできました。まだ緩さがあるけど、初仔にしては母譲りの立派な馬格をしています。いいモノを持っていることは確かだし、先を見据えて大事に育てていきたいですね」と田村康仁調教師。11月29日、東京の芝1800mをクリストフ・ルメール騎手で予定している。
◆ピックミータッチ(牡、父ゼンノロブロイ、母レジェンドトレイル、美浦・藤沢和雄厩舎)
一昨年のセレクトセールに上場され、6000万円で落札された。母の半姉に1993年のマイルCSを制したシンコウラブリイがおり、一族にはキングストレイルやコディーノなど藤沢和雄厩舎で活躍した馬たちがズラリと並ぶ。「春に入厩したときは心身ともに頼りなかったし、牧場に戻して秋まで待機しました。ずいぶんと逞しくなったし、別馬のように良くなりましたね。いいスピードがありそうです」と津曲大祐調教助手。11月29日、東京の芝1800mを北村宏司騎手で予定している。