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何かがあるなら立役者は外国馬!/ジャパンカップ

  • 2015年11月25日(水) 18時00分

■ジャパンC(G1・東京芝2400m)フルゲート18頭/登録19頭


【コース総論】東京芝2400m Cコース使用

・コースの要所!

★1番人気が非常に強く回収率の面でも優秀。1着には人気サイドを狙うべき。
★イメージ以上に内枠有利。とくに1着馬は、圧倒的に内枠のシェアが高い。
★もっとも信頼できるのは差し脚質。最速上がり馬の強さも目立っている。






 1番人気を筆頭とした人気サイドが、猛烈に強い東京芝2400m。16頭立て以上の多頭数でも、1番人気馬は連対率55.7%、複勝率72.1%という、図抜けた信頼度の高さを誇っている。回収率も人気馬としては非常に高く、迷わず「買い」といえる珍しいケース。少なくとも1着馬に関しては、人気馬を狙ったほうが絶対にいい。

 次に枠番別成績だが、イメージ以上に内枠の成績がいいことを強調しておきたい。広々としたコースで有利・不利はあまりなさそうなのだが、勝率で比較すると内枠は中枠の2倍以上、外枠の3倍以上も高いという、圧倒的な強さを見せている。また、回収率や枠番値ベースでの比較でも、もっとも優秀なのは内枠だ。枠番を理由に評価を割り引く必要はないが、内枠を引き当てた馬は相応にプラス評価すべきである。

 そして脚質面では、直線の長いコースでもあり、やはり差し馬の強さが目立っている。勝率・連対率・複勝率のいずれも、4角を6〜10番手で通過した馬がトップ。先行勢もそれなりには粘っているが、連対率にこれだけ差があると、差し優勢という結論は揺るがない。そして、最速上がりの馬が勝率38.6%、連対率57.9%という超優秀な成績を残しているのも、注目すべきポイント。末脚のキレが、勝利に必要不可欠なコースといえる。

【レース総論】ジャパンC(G1) 過去10年

・レースの要所!

★コースデータ以上に人気馬が強い。7番人気以下馬はその時点で期待薄。
★内枠有利の傾向が加速。連軸や1着軸は、ひとケタ馬番から選ぶのがベター。
★好位勢が好成績で追い込み脚質は不振。









 人気馬が強いという傾向は、レースデータになってさらに加速。7番人気以下[1-1-3-103]で連対率1.9%、複勝率4.6%と、馬券に絡んでいる馬の大半が6番人気以内である。平均配当も、単勝972円、馬連2669円、3連複1万8395円と低めの水準で、近年の波乱傾向はきわめて弱め。あとは、牝馬の強さや関西馬の強さも目立っている。

 まず驚かされるのが、近年のジャパンカップにおける高齢馬の弱さである。今年もゴールドシップなどが人気を集めると思われるが、6歳以上馬はトータル[0-1-2-43]で連対率2.2%、複勝率6.5%と絶不調。傾向的には、ほぼ来ないといっても過言ではない。5歳以下馬であるのは、好走必要条件のひとつだ。

 また、コースデータでも解説した「内枠有利」の傾向も加速。馬番1〜6番は、平均人気8.6に対して平均着順7.9と素晴らしい結果を残しており、勝率も10.0%とぶっちぎりの高さを誇る。5番人気以内に限定したデータでは、内枠の勝率の高さがさらに顕著に。ひとケタ馬番とふたケタ馬番では、人気サイドであっても勝率は「2倍」違うのである。また、センター枠番の不振も、押さえておきたいポイントである。

 そして脚質については、超ハイレベル戦であるためか、コースデータよりも前が残る傾向アリ。ハナに行った馬は全滅しているが、信頼度は4角を2〜5番手で回った馬がトップとなった。上がり最速馬の強さはコースデータと同様だが、それでも後方に置かれると勝てないのが、このレース。前走、4角を6〜10番手で回っていた馬がもっとも好成績で、前走での最速上がり馬がアテにならないのも、攻略のカギといえそうだ。

 データを掲載していないところでは、東京芝G1での好走実績が重要であることや、前走G1組以外はほぼ「消し」であること、天皇賞・秋の上位人気馬が猛烈に強いこと、過去10年で勝っている日本人ジョッキーが武豊・岩田康誠の2名だけであることなども、重視したいところ。外国馬の取捨に関しては、当日のオッズが「3番人気以内」であるかどうかが判断基準だが、今年この条件をクリアしそうなのはイラプトくらいか。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 今週もCコース継続。先週は脚質を問わないフラットな馬場だった印象を受ける。

・天候予測
 週末に天候が崩れることはなさそう。良馬場前提で問題なし。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、ネオユニヴァース産駒▲、ゼンノロブロイ産駒△

 先週の競馬からは、かなりフラットな状況にありそうな東京芝コース。開催が進んで傷みも見られるが、劇的に内が残るわけでも、外が伸びるわけでもない。また、今週は雨の心配をしなくて済みそうなのが何より。馬場や枠番による紛れの少ない、ガチンコのハイレベル戦が期待できそうである。

 血統面はハーツクライ産駒をトップ評価。それに続くのがディープインパクト産駒、ネオユニヴァース産駒、ゼンノロブロイ産駒と、おおむねイメージ通りの結果だ。キングカメハメハ産駒やステイゴールド産駒は「可もなく不可もなし」といったところで、血統面での後押しはないと考えたい。

 外国馬について、詳しくは専門家にお任せするが、少しだけ触れておこう。日本の特殊馬場に対する適性がもっとも高そうなのは、やはりドバウィ×Caerleonという血統のイラプト。他の3頭と比べると一枚ほど「血統的に軽い」という印象を受ける。また、コーフィールドCで2着、メルボルンCで4着と豪州の馬場をこなした実績のあるトリップトゥパリスも、母系に入る血が好印象。意外にやれておかしくなさそうである。

★出走登録馬・総論×各論

 国内勢は天皇賞・秋の覇者ラブリーデイに、今年の3歳女王ミッキークイーン、稀代のクセ馬ゴールドシップなど、錚々たる面々が顔を揃えた。そして外国勢も、フランスのイラプト、イギリスのトリップトゥパリス、ドイツのイトウとナイトフラワーと4頭が来日。とにかく「堅い」のひと言に尽きる近年のジャパンカップだが、そろそろ波乱決着や、外国馬の一発があっておかしくない頃である。

 ……と、穴狙いでもしそうな気配を醸し出しておいて言うのもアレだが、トップ評価は素直にラブリーデイである。そもそも今年は、東京芝G1実績を持つ馬の登録が少なく、天皇賞・秋を勝ったこの馬は、その時点で高評価に。臨戦過程や実績、自在性の高さや競馬センスの良さなど、総合力の高さはぶっちぎりでナンバーワンだ。

 逆に、買いづらいのがゴールドシップだ。ダービーで5着に入っているが、それ以外に東京芝G1での好走実績はなし。一昨年のジャパンカップでも15着に惨敗しており、陣営もコース適性が低いからこそ、ここまで東京を避けてきたわけである。さらに年齢なども割引材料で、真面目に走ったとしても苦戦必死というのが、当データ分析の判断。買うならここではなく、次の有馬記念だ。

 というわけで、二番手評価はショウナンパンドラ。天皇賞・秋で4着に好走したことで、ジャパンカップ勝利がグンと近づいた。2走前に勝ったオールカマーもかなりのハイレベル戦で、3走前は宝塚記念3着と、今年の充実ぶりは素晴らしいもの。自慢の末脚が生きる展開にでもなれば、一気に突き抜けるケースも十分に考えられる。

 三番手評価は、外国馬のイラプト。血統的にもっとも「アリ」であるのは前述した通りで、あとは本当に馬場適性があるかどうか。イチかバチか系の評価だが、スッと好位につけられるセンスの良さや良馬場実績などから、外国馬による一発があるならこの馬。能力的にも遜色はないとみている。

 四番手評価にミッキークイーン。臨戦過程、東京芝G1での好走実績、目下の勢い、さらに53キロの軽量など文句なしで「買い」の1頭だが、古馬とは初対決、牡馬とは未勝利戦以来であるのは、忘れてはならない事実。女傑ジェンティルドンナに続く存在になれるかどうか、現時点では半信半疑といったところだ。

 以下は、サウンズオブアース、トリップトゥパリス、ワンアンドオンリー、アドマイヤデウス、ダービーフィズといった評価順。多少なりとも紛れがあるなら、その立役者は日本馬ではなく外国馬──というのが、現時点での見立てだ。外国馬が「消し」ジャッジならば、人気どころを素直に買うのがベター。枠番も加味しつつ、最終的な判断を下したい。



■総論×各論・先週の馬券回顧





京都11レース マイルCS(G1)
1着 16モーリス
2着 10フィエロ
3着 05イスラボニータ

( ゜д゜)蛯名ああああああああっ!
……というコバヤシの絶叫(もしくは悲鳴)が、イスラボニータがスタートで後手を踏んだ瞬間、WINS札幌B館3階で響き渡ったとか。あの遅い流れで、よく3着まで追い込んだものだと感心デスヨ。そして、モーリスさんの強さにもびっくり。この臨戦過程や枠番で圧勝しちゃうんだから、バケモノ級。我が不明を恥じるばかりです。

※コース&血統データは2010年以降、レースデータは2005年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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