ショウナンパンドラも躍動感ある動きを披露
3日間開催の影響で、今週の追い切りは26日に集中。忙しいのは承知しつつも、カメラを持って、しっかりと追い切り画像も撮影しないと、と思っていたら、なんと電池切れ。以前ならすごく焦って、バッテリーの充電器を家まで取りに帰ろうかどうしようか悩んだりしましたが、今日のように、席を離れる時間が全くなければ、悩むこともなく、撮影を断念。そのため、トレセンニュースや当コラムの追い切り画像も古いものしかなく、ユーザーの皆様にはご迷惑をおかけします。
しかし、撮影がないと、追い切りに集中できるので、それはそれで新しい発見というか、これが本来の姿なのかな、なんて思ったりもしました。でも、カメラを向けて感じることができる追い切りの雰囲気もあるだけに、どっちもメリット、デメリットがあるという感じ。それにしても、ゴールドシップの追い切り時にはEコース脇の撮影台に山盛りの人。やっぱり注目度はNo.1の怪物ですね。
【JC/ラブリーデイ】
前走時の最終追い切りはCWで併せ馬遅れ。この評価に頭を悩ませましたが、あのレース結果を考えると、遅れても同入でも気にすることはなかったんだろうなという感じ。それまでの調教過程が重要なのかも知れませんが、この馬に関しては、今が充実モードであることは間違いありません。
最終追い切りはCWで4F追いになることは想定済み。ただ、併せ馬を行ってくるかどうかは未知だったので、馬場にアッシュゴールドとともに登場した時はここまで負荷をかけてくるんだという感じ。それでいながら、直線最後は楽な手応えで相手を交わしていったので、文句のつけようがない動きでした。追い切り本数が多いわけではないので、ここがメイチという感じはありませんが、余力がある状態での最高の状態。そんな印象です。
文句のつけようがない動きだったラブリーデイ(11月19日撮影)
【JC/ミッキークイーン】
前走後、ノーザンFしがらきに放牧に出るのは想定の範囲内。ただ、もっと早く帰厩するのかと思いきや、意外と遅かったので、前走の反動なのか、と疑ってかかりました。しかし、1週前のCWでは軽快というか、豪快な動きを見せていましたし、むしろ馬体回復が課題だった頃に比べると、雲泥の差という感じ。
最終追い切りはCWで単走でしたが、最後はしっかり追われてフィニッシュ。時計は4F54.3秒、1F12.1秒。数字的にはこんなものかなという感じですし、もちろん見た目の動きも評価できます。あとは牡馬混合のG1で流れが速くなった時に、この追い切り本数で対応できるかどうか。そこに尽きると思います。
流れが速くなった時に対応できるかどうかに尽きるミッキークイーン(11月19日撮影)
【JC/サウンズオブアース】
京都大賞典の後、ひと息入れて、ここを目標に調整を進めてきました。中間に坂路での追い切りを積み重ねるのはいつものこと。個人的には、いつからCWで時計を出し始めるのか気になっていましたが、さすがに今回はレース間隔もあくので、1週前からM.デムーロ騎手が跨って、CWで追い切っています。
そして、最終追い切りも同じくジョッキー騎乗のCW追い。併せ馬を追走していましたが、7F標識あたりから、前を追いかけたがる走りを見せていたので、これはヤバイなと思っていたら、案の定、向正面で追い抜いてしまいました。それから、また相手に抜いてもらって、直線は外から差す形。出入りのある動きだったので、最後まで脚が続くか危惧しましたが、そのあたりはさすがに調教。きっちり伸びてはいました。時計も6F83.0〜5F69.2〜4F54.5〜3F39.6〜1F12.1秒なら悪くないと思いますが、やっぱり向正面での動きを見てしまうと、実戦での走りにいいイメージが湧きません。
向正面での動きを見てしまうと、実戦での走りにいいイメージが湧かないサウンズオブアース(11月18日撮影)
【JC/ゴールドシップ】
2週前追い切り、北村浩平調教助手が跨ったCWでの追い切りでは、なにか嫌気を差しているのかなという印象の走りでしたが、1週前追い切りで横山典弘騎手が跨ると全く違った印象。2週前に出していた舌は、1週前でしっかりと収められていたので、これで大丈夫、と思いたいところでしたが、この馬は信用していいのやどうやら。そんな気持ちで最終追い切りを待ちました。
ジョッキー騎乗で、前に2歳2頭を目標においてのCW追い切り。その動きもそうですが、個人的には馬場入りした時に楽しそうにキャンターを始めたので、この時点で最高評価をすべきだろうなとは思っていました。思ったとおり、前を走る馬を追いかけるでもなく、やめるでもなく、本当に気分よく走っていました。ゴール板を過ぎてからも自分で力を抜いていましたし、多分、ジョッキーはすごくいい感触を得たのではないでしょうか。
このイメージで競馬をしてくれるようなら、返し馬もこの追い切りの時と同じようにスムーズなキャンターを見せてくれるはず。個人的にはそこに視線を注いでからレースを迎えたいと思います。
本当に気分よく走っていたゴールドシップ(11月20日撮影)
【JC/ショウナンパンドラ】
この馬の調教の好走凡走判断は1週前追い切りを重視します。4Fで速い時計を出すか、ラスト1Fが11秒台をマークするか。今回はどちらかといえば、後者に近いパターンで仕上げてきています。11月18日の坂路が1F12.0秒、11秒台ではないものの、2F24.4秒ですから、後半にしっかり負荷をかける追い切りでした。
そして今回の最終追い切り。ラスト1Fが最速になっていない前走時に比べて、かなりラスト1Fの時計が速くなりました。客観的な数字に加えて、主観的な動きとして評価したいのが「落鉄」。調教VTRを見ていただければ、左前が落鉄しているシーンを確認できると思います。これは後肢が前にぶつかって落鉄したのではないかと想像できますが、ということは、それだけ後肢の踏込が深い、可動域が広いということ。それが原因だと思えるくらい、躍動感があってダイナミックなフットワーク。今が絶好調ということで間違いないでしょう。
今が絶好調ということで間違いないショウナンパンドラ(11月20日撮影)
◆次走要注意
・11/22 京都 マイルCS【ヴァンセンヌ】(6人/14着)
秋2戦の大敗よりも、前走天皇賞(秋)組がマイルCSで好成績を残していることが人気になった要因でしょう。また、安田記念2着という実績も評価されたのかも知れません。ただ、松永幹夫調教師は以前から左回りでのパフォーマンスの高さを評価していたので、今回は過剰人気だったと思います。
よって、今後も左回りならまだまだ違った結果を期待することができそう。個人的には中京競馬場の高松宮記念なんて舞台も面白いと思います。
[メモ登録用コメント] [マイル以下]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け
・11/23 京都 2歳未勝利【トウショウジャイロ】(2人/2着)
ダートを使うプランは以前からあったので、芝からの転戦は問題なかったと思います。ただ、久しぶりということもあり、1コーナーから2コーナーに入るところで頭を上げるシーンがあったり、3コーナーでは後続からのプレッシャーがあったりと、惨敗しても不思議ない道中の流れでした。
それを最後は差を詰める脚を見せたわけですから、能力は完全に上位。個人的には芝でもマイル以上の距離で走れるような気はしますが、もちろんダートでも大丈夫でしょう。
[メモ登録用コメント] [芝ダート不問]最終追い切りが坂路でラスト1F最速ラップなら勝ち負け
◆今週の追い切り特報
・【ブルドックボス】
26日はホッコータルマエの調教パートナーを務めましたが、本当に素晴らしい動きでした。この馬が余力十分の動きだったからこそ、タルマエも最後まで強い負荷をかけることができたわけですし、この馬にとっても良い追い切りになったはず。貴船Sは除外になってしまいましたが、今後、ダート重賞は勝てる馬です。