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迷ったときは素直に先行勢!/チャンピオンズカップ

  • 2015年12月02日(水) 18時00分

■チャンピオンズC(G1・中京ダ1800m)フルゲート16頭/登録19頭


【コース総論】中京ダ1800m

・コースの要所!

★1番人気が勝率30.4%とかなりの強さ。以下はまんべんなく馬券絡み。
★枠番はほんの少し内枠優勢。直線は長いが逃げ〜先行勢が強いコース。
★前走ダ1800〜1900m出走組が好成績。騎手では勝率の高い武豊に注目。








 レースデータが非常に少ないので、今週はコースデータを「拡大版」でお送りする。16頭立てにおける平均配当は、単勝964円、馬連4333円、3連複1万7281円と低めの水準で、その要因となるのが、勝率30.4%、連対率52.7%という1番人気馬の強さだ。ただし、人気サイド一辺倒というわけではなく、10番人気以下馬の超人気薄も十分に買えるコース。1番人気から穴馬に流す馬券が、もっとも効率がいいと思われる。

 枠番別データでは、内外での成績差が非常に小さい、きわめて公平なコースであるのが見てとれる。枠を気にする必要はほぼないが、内枠である馬番1〜4番だけは、複勝率21.7%と信頼度がやや高め。ここだけは、多少プラス評価したほうがいいか。また、ダート戦ながら瞬発力の要求度が高めであるのも、意識しておきたいポイントである。

 前走距離別成績では、出走数が圧倒的に多いダ1800m組が、複勝率25.8%と好成績。ダ1600mからの距離延長組も、成績は悪くない。やや見劣るのがダ2000mからの距離短縮組で、回収率は単複ともに30%台の低水準。前走でもダ1800m戦を使われてきた組を、素直に高評価するのがよさそうだ。

 最後に騎手だが、目立っているのが武豊ジョッキーの好成績。コース全体でも[10-4-3-27]で勝率22.7%、連対率31.8%、複勝率38.6%という素晴らしい結果を残している。騎乗数は少ないが、岩田ジョッキーも複勝率40.0%と優秀で、あとはルメール、ムーア、M.デムーロなど、大舞台に強い外国人ジョッキー勢も好調。ただし、コース全体で平均人気4.9に対して平均着順11.0と絶不調なパートンは、かなり割り引いて考えたい。

【レース総論】チャンピオンズC(G1)

※今回は2012年以降に中京ダ1800mで行われたオープン特別と重賞が集計対象です

・レースの要所!

★順当決着傾向が非常に強い条件であり、ふたケタ人気はかなり買いづらい。
★外枠の好成績はデータの偏り。内外での差はほとんどないと考えるべき。
★東京のダートに似た瞬発力要求度の高さ。速い上がりが使える馬を重視。







 昨年のチャンピオンズCだけを集計しても無意味なので、同コースで行われる東海S(G2)とジュライS(OP特別)も集計対象とした。いずれも定量&別定のレースであり、雑なデータだが参考程度にはなるはず。少なくとも、JCダートのデータを引っ張り出してくるよりは、ナンボか意味があると思われる。

 まずは人気別だが、10番人気以下馬の馬券絡みは、なんとゼロ。平均配当は単勝458円、馬連4269円、3連複7424円と、コースデータよりも格段に低い。紛れのないコース形態であるため、実績馬がキッチリと能力を発揮できるのだろう。ただし、1番人気の信頼度はコースデータよりも低下しており、4〜6番人気の中穴をアタマで狙う手もありそう。いずれにせよ、ブンブン振り回すのは厳禁といえる。

 年齢別では、5歳馬が馬券に絡んだ馬の半数以上を占めるという、圧倒的な強さを見せている。逆に不振なのが3〜4歳馬だが、開催時期がバラバラのレースを一緒くたに集計しているので、あまりアテにはできない。今のところ5歳馬が強い条件で、4歳以下馬よりも6歳以上馬のほうが優勢──といったカンジで、フワッと捉えておいたほうがいい。

 コースデータと真逆の結果が出たのが枠番別成績。馬番1〜4番の信頼度がもっとも低いという結果となったが、単純に内外で比較した場合の複勝率にはほとんど差がなく、単なるデータの偏りである可能性が高い。外枠の好成績については、「能力次第で外枠でも何の問題もない」という中京ダ1800mの特徴が、別のカタチで出たのだと思われる。要するに、枠番を気にする必要ナシということだ。

 最後に脚質だが、クラスをオープンに限定したことで、瞬発力の重要性がさらに増した印象である。逃げた馬の半分が馬券に絡むなど「先行有利」ではあるのだが、上がり3F順位が6位以下の馬は[1-2-5-69]で連対率3.9%と大不振。ある程度は速い上がりを使える裏付けがないと、先行勢であっても買いづらい。ペース次第では、先行勢総崩れでの「差し→差し」決着もありうる舞台である。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 ダート戦も、開幕週だけに土曜日の結果は確認しておきたいところ。

・天候予測
 週末に天候が崩れる気配は、今のところナシ。良馬場前提でオッケイ。

・注目血統
 マンハッタンカフェ産駒◎、スペシャルウィーク産駒○

 ブライアンズタイム産駒やシンボリクリスエス産駒など、ロベルト系が強さを見せているコース。ところが、今年の登録馬にロベルト系の父を持つ馬は1頭もいない。そういう理由もあって、種牡馬別でプラス評価の対象としたのは、マンハッタンカフェ産駒とスペシャルウィーク産駒のみ。血統の字面だけでいえば、父スペシャルウィーク×母父Vice Regent系のローマンレジェンドが、もっとも高い適性を備えていそうだ。

 香港から参戦のガンピットは、父がドバイミレニアム産駒のドバウィ、母父がロイヤルアカデミー2産駒のアリロイヤルという血統のオーストラリア産馬。日本でも活躍できそうな血統構成で、Seeking the Gold系が中京ダ1800mで複勝率23.1%、回収率が単複ともに200%以上と、好結果を残しているのも怖い。さらに、オールウェザーで無敗という実績や、速い上がりで差せそうな脚質など、軽くは扱えない存在といえる。

★出走登録馬・総論×各論

 昨年のチャンピオンズCは、前半3F通過が37秒5〜上がり3F36秒5という、超スローの流れとなった。今年はさすがに昨年よりは前が流れそうだが、それでも最近のG1を見ていると、ハイペースになる気はしないというのが正直なところ。なんだかんだで、先行勢から入ったほうがいい気がしてならない。

 というわけで、確実にハナ〜2番手につけられるコパノリッキーをトップ評価。序盤で後手を踏んだ昨年は12着に大敗したが、自分の形に持ち込めば非常に強いのは、その後のレースを見てもわかる通りだ。東海SやフェブラリーSを制しているように、適度に瞬発力が要求される中央のダートが合うタイプ。JBCクラシックに続き、ここもいいレースが期待できそうである。

 二番手評価はローマンレジェンドだ。こちらも地方よりも中央のダートが向くタイプで、前走のみやこSでも僅差の3着に好走。さすがに若い頃のような勢いはないが、衰えたという印象もない。久々だった前走を叩かれて調子も上向くだろうし、このコースで1分49秒台の持ち時計があるのは、この馬だけ。昨年以上の結果が出せても不思議ではない。

 三番手に、ソコソコ人気薄となりそうなサウンドトゥルー。今年のジュライSでは、最後方から一気の脚で突き抜ける、素晴らしい脚を見せた。前走のJBCクラシックではコパノリッキーに詰め寄っており、中団で流れに乗れるようになってきたのもプラス。展開次第での一発があるなら、この馬だろう。

 ここまでの3頭が上位評価組で、以下はホッコータルマエ、ナムラビクター、ガンピット、ノンコノユメ、ロワジャルダンという序列である。ノンコノユメの末脚はバケモノ級だが、この相手関係で前走までと同じことができるかといえば、そんなことはないはず。いかにも過剰人気となりそうなタイプであり、少し割り引いて考えたほうが、好結果を呼び込めそうだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




東京11レース ジャパンカップ(G1)
1着 15ショウナンパンドラ
2着 06ラストインパクト
3着 01ラブリーデイ

( ゜д゜)俺はどんだけ馬券下手なんだあッ!
……と叫びたくもなる、素敵な馬券がこちら(自嘲)。なんで最低人気のダービーフィズが買えて、7番人気のラストインパクトが買えないんでしょーね、この人。さらに、ショウナンパンドラから流した馬単もヌケて、16時から早々とフテ寝に入ったとか、入ってないとか。しかもアンタこの前、3連単禁止って言ってたでしょーが!

※コース&血統データは2012年以降、レースデータも2012年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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