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船橋ナイター1年目の効果は?

  • 2015年12月11日(金) 18時00分


◆まだまだ入場人員を伸ばせる可能性

 今年も残すところ20日ほどとなって、南関東のナイター競馬も今月でひとまず終わる。といっても、3月中旬の大井開催からまたナイターが始まるので、もはや南関東は1、2月に一時的に昼間開催になるだけと言ったほうがいいかもしれない。

 そして今年6月に満を持してスタートした船橋のナイター開催も、ひとまず今日(12月11日)で一段落。交流重賞のクイーン賞が行われた9日に競馬場に足を運んだが、メインレースあたりが摂氏5度という気温にもかかわらず、パドックやスタンド内ではファンの熱気が感じられるほどだった。

 川崎や大井で12月開催までナイターを延長した当時は、「そんな寒いときにナイターやってどうするの?」と感じたファンも多かったようだが、今ではあまり違和感もなくなった。まして近年では南関東でもネット(電話)投票が売上全体の50%を超えるようになり、多くのネット投票のファンには季節や天候などは関係ない。

 あらためてナイター開催になって以降の船橋競馬場のデータを見ると、最初のナイター開催となった6月の5日間開催では、もの珍しさや宣伝効果もあり、入場人員は前年同期比で233.4%、売上も136.8%という伸びだった。その揺り戻しか7月の入場人員は前年割れとなったが、それ以外は順調に推移した。

 地方競馬全国協会から発表されているデータが今のところ10月までなので、ナイターがはじまった6月から10月からのデータ(1日平均)で見ると、売上では前年比で129.1%という伸びを見せた。南関東の他主催者が概ね110%前後だったのと比較すると、やはりその伸びは大きい。

 また同じく6〜10月の入場人員(1日平均)では、前年比で128.5%。ネット時代にあって全国的に入場人員では苦戦するなか、この伸びはナイター効果といえそうだ。とはいえ、船橋競馬場は、JR京葉線、京成本線という2つの通勤路線の駅から徒歩圏だが、大井競馬場と比較するとアフターファイブを楽しむというファンの割合は少ないように感じた。そういう意味では、アフターファイブの人たちに途中下車してもらうための努力をすれば、まだまだ入場人員を伸ばせる可能性は残しているように思う。

 ようやく実現した船橋ナイター開催は、人によって捉え方はさまざまだと思うが、期待どおり、もしくは期待以上の効果があったといってよさそうだ。ただこうした割合での伸びが来年以降も続くものではないということは言うまでもない。2年目の船橋ナイター開催には、今年以上に「競馬場に行きたい」と思わせるような施設(特に飲食関係)やファンサービスの充実に期待したい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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