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【ユーイチの眼】『世界No.1ジョッキー ライアン・ムーアの技術』

  • 2015年12月15日(火) 18時01分
祐言実行

▲週末の香港国際競走でも大活躍、写真は香港マイルを勝利したモーリスと(撮影:高橋正和)


馬が最後まできっちり伸びるのはなぜか


 モーリスでマイルCSを、アルバートでステイヤーズSを制し、ジャパンCも7番人気のラストインパクトで2着。とくにジャパンC当日のムーアは、8鞍に騎乗して4勝2着1回という成績を残し、集まった10万人の観衆を前に、その技術の高さを惜しみなく披露した。

 さらに、12月13日の香港国際競走では、香港マイルをモーリスで、香港ヴァーズをハイランドリールで制したほか、香港カップもヌーヴォレコルトで2着。世界が注目する国際競走で3戦2勝2着1回とは…。これはもう偉業といってもいいくらいだ(香港のレース分析はまたの機会に)。

 ジャパンC当日に話を戻すと、あの日はインが伸びる馬場だった。もともと外を回すタイプのジョッキーではなく、好位の馬群のなかで運ぶのが彼の基本的なスタイル。だからあの日は、彼の巧さがより発揮される馬場だったといえる。

そもそもヨーロッパは、日本以上に馬場のいいところをチョイスしていく能力が求められる競馬だ。だから、一流ジョッキーはみな馬場の見極めに秀でているわけだが、なかでもムーアは突出した能力を持っている。内々をきっちり持ってきたラストインパクトの競馬は、まさに彼の真骨頂といえた。

祐言実行

▲ジャパンC、ラストインパクトを内々から2着に食い込ませた(撮影:下野雄規)


 以前、このコラムに書いたが、自分が今、何年もかけて取り組んでいるのが、馬上で“ジャイロ(円や螺旋)”を描く動き。その動きの達人といえるのがまさにムーアで、実に洗練された“ジャイロ”を見せる。

 一見、無駄に見える動きでも、彼の場合はすべてが無駄ではない。人によっては、彼の騎乗が美しく見えない人もいると思うが、少なくとも馬はものすごく走りやすいんじゃないかと思う。

 それはなぜか。

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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

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1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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