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NARグランプリ2015のゆくえは?

  • 2015年12月18日(金) 18時00分


◆東京大賞典の結果を踏まえての投票を

 今年も残すところ2週間を切った。JRA賞では、今年無敗のまま日本・香港でGI計3勝のモーリスが年度代表馬になるのではという意見が多い。あとは有馬記念の結果次第ということにもなるのだろう。

 地方競馬でも残すGI/JpnIが東京大賞典だけとなったところで、NARグランプリ表彰馬の候補馬について探ってみたい。

『交流重賞回顧』の浦和記念のところでも触れたが、ひとまず年度代表馬については、ハッピースプリント(大井)がJpnIIの浦和記念を勝ってくれたことで有力候補となってひと安心。16日に行われたJpnIの全日本2歳優駿では残念ながら地方最先着が3着だったため、年度代表馬はハッピースプリント、もしくは東京大賞典の結果次第ということになりそうだ。東京大賞典にはハッピースプリントのほかにも、JpnIIIのマーキュリーCを制しているユーロビート(大井)、浦和記念2着のサミットストーン(船橋)などが出走を予定していて、いずれかが勝てば年度代表馬に選ばれる可能性が高い。

 2歳牝馬は、例年であれば大晦日の東京2歳優駿牝馬の結果待ちということになるが、JpnIIIのエーデルワイス賞から北海道2歳優駿を連勝したタイニーダンサー(元北海道)でほぼ決まりだろう。すでに地方の登録は抹消され中央に移籍予定となっているが、NARグランプリは地方所属時の記録で選定される。

 逆に難しいのが2歳牡馬。北海道2歳優駿で2着だったスティールキング(北海道)はJpnIの全日本2歳優駿で9着。その全日本2歳優駿で地方最先着の3着だったアンサンブルライフ(浦和)には、地方全国交流の平和賞勝ちがあるので有力候補となりそう。全日本2歳優駿は無念の取消となったポッドガイ(川崎)にも地方全国交流の鎌倉記念のタイトルがあり、6戦無敗ということでは評価されるだろう。

 3歳馬はここまでのところ、牡馬・牝馬ともにグレードを勝った馬がいない。牡馬では、南関東の三冠でも今年は確たる中心馬不在という結果。羽田盃を制したストゥディウム(船橋)が秋には水沢に遠征したダービーグランプリも制したが、掲示板外も少なくないためどう評価されるだろうか。

 3歳牝馬では、グランダム・ジャパン(GDJ)3歳シーズンの女王となったトーコーヴィーナス(兵庫)が後半は今ひとつの成績。浦和・桜花賞とロジータ記念(いずれも地方全国交流)を制したララベル(大井)には東京ダービーで牝馬最先着の4着あり、有力候補となりそうだ。

 4歳以上牡馬は、最初に年度代表馬のところで触れたとおり。牝馬はGDJ古馬シーズン優勝のサンバビーン(北海道)は、GDJ対象レースで2勝を挙げたが、重賞勝ちはその2つだけ。ダートグレードで3着以内に入ったのはノットオーソリティ(船橋、クイーン賞3着)だけで、地方全国交流のしらさぎ賞勝ちもあるので、評価の対象になるだろう。

 ばんえいでは、最高峰のばんえい記念に加え北見記念も制したキタノタイショウが最有力。ほかに、古馬重賞3勝を含め重賞4勝のオレノココロ、古馬重賞2勝のフジダイビクトリー、世代限定だがイレネー記念とばんえい菊花賞を制しているセンゴクエースらも候補として挙げられそうだ。

 短距離馬は、24日の兵庫ゴールドトロフィーに有力馬が出走予定。ポアゾンブラック(北海道)はJpnIIIで2着が2回。ラブバレット(岩手)はJpnIIIのクラスターC3着に加え地方全国交流の笠松グランプリを勝利。ルックスザットキル(大井)は3歳ながらスーパースプリントシリーズ・ファイナルの習志野きらっとスプリントを制した。この3頭のいずれかが兵庫ゴールドトロフィーを勝てば文句なしだが、2着3着でも評価されるだろう。

 最優秀ターフ馬は、今年ここまでのところ中央のオープン以上で3着以内に入った地方馬がいない。盛岡の芝で重賞3勝のレジェンドロック(岩手)、同2勝のロゾヴァドリナ(岩手)、エゴイスト(岩手)は、いずれも地方全国交流の重賞勝ちを含み、それが評価の対象となるかどうか。

 ダートグレード競走特別賞は、地方で実施されたダート交流重賞のみが評価対象となり、ここまでGI/JpnIを唯一2勝しているホッコータルマエ(JRA)が一歩リード。東京大賞典の出走予定馬の中では、コパノリッキー(JRA)、ワンダーアキュート(JRA)が勝てば2勝で並ぶことになる。

 ところでJRA賞の最優秀ダートホースでは、ホッコータルマエとコパノリッキーがGI/JpnIをそれぞれ2勝とリード。チャンピオンズCで両馬をまとめて負かしたということでは、サンビスタにも票が入りそうだ。JRA賞の投票では、有馬記念が終わるとすぐに投票用紙を送ってしまうという方が少なからずいるという話を耳にしたことがあるが、JRA賞の投票権があるという方々におかれましては、今年こそは東京大賞典の結果を踏まえての投票をお願いしたい。

1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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