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枠番重視で内枠から前に行ける馬を!/シンザン記念

  • 2016年01月08日(金) 18時00分

■シンザン記念(G3・京都芝1600m外)フルゲート18頭/出走18頭


【コース総論】京都芝1600m外 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気が複勝率68.8%、複勝回収率105%と好成績。7〜9人気の穴馬も強い。
★枠番はやや内枠有利&外枠不利な傾向も、そこまでこだわる必要はなさそう。
★中団から差し切るのが勝ちパターン。先行勢は2〜3着で狙うのが効率がいい。






 1番人気馬の強さが目立っている、京都芝1600mの外回りコース。連対率53.1%、複勝率68.8%と3回に2回以上の確率で馬券絡みしており、回収率も単88%、複105%と超優秀。同じ上位人気でも、2〜3番人気とはまるで別モノだ。ただし、平均配当は単勝1296円、馬連8367円、3連複3万1843円と意外なほどの高さ。1番人気は間違いなく強いのだが、だからといって順当決着傾向が強いわけではないのが、面白いところである。

 人気別では、7〜9番人気が要注目。4〜6番人気と比較すると、複勝率の差はたったの2.1%と、互角に張り合っている。どちらを狙ったほうが儲かるかは、言うまでもないだろう。また、集計期間内に4勝をあげている10〜12番人気もけっして侮れずと、人気薄から流すような思いきった馬券も、ここは「アリ」のコース。1番人気をしっかり押さえつつ、そこが飛んだら配当が一気に跳ねるような買い目を構築したい。

 脚質は、ハッキリと差し優勢。4角を2〜5番手で回った好位勢と、6〜10番手で回った差し馬の複勝率はほぼ同じだが、前者が8勝に対して後者が15勝と、1着にくる確率は後者のほうが圧倒的に高い。中団やや前からキレのある末脚を繰り出せる馬を1着候補、前々で粘れそうな馬を2〜3着候補とするのが、ここでのセオリーである。あとは展開次第だが、回収率の高い逃げ馬に対するマークも、怠るべきではない。

【レース総論】シンザン記念(G3) 過去10年

・レースの要所!

★7〜12番人気の穴馬による激走多発。2番人気以内馬も高信頼度と両極端。
★多頭数になった場合の外枠は割引材料。ひとケタ馬番であれば問題なし。
★コースデータよりも先行勢が強い。芝1400mからの距離延長組が要注意。









 1着が人気馬で、2〜3着に人気薄が来る決着パターンが非常に多い、シンザン記念。2番人気以内馬がトータル[6-2-2-10]で連対率40.0%、複勝率50.0%と好成績をあげる一方で、7〜12番人気も[2-5-3-45]で複勝率18.2%と、かなり激走率が高い。これは、前述したコースデータの特徴どおりの結果。コースの特性にかなり忠実なレース結果といえる。

 枠番については、少頭数でのレースも含まれているので、アテにしづらい面もある。しかし、馬番1番が[1-3-1-5]と毎年のように馬券に絡んでいることや、1〜2枠の好成績から、内枠有利&外枠不利と結論づけたい。ひとケタ馬番であることは、このレースで好走するための必要条件。人気馬が外枠を引いた場合は、かなり割り引いて考えたい。

 脚質は、コースデータよりも格段に前有利。昨年こそ思いっきり差し決着だったが、中団待機組が届かず先行勢が残るパターンのほうが圧倒的に多い。また、前走で出走していたレースの「格」が問われないのも、シンザン記念の特徴。さすがに1戦1勝馬だとキツいが、前走が未勝利勝ちや500万下惜敗でも、十分に好走可能だ。

 馬券に絡んだ馬の半数以上が「前走芝マイル戦」出走馬で、芝1200m戦やダート戦からのローテは期待薄。意外に侮れないのが芝1400m戦からの距離延長組で、回収率はこの組がダントツで高い。あとは、前走の単勝オッズが1倍台、または10.0〜14.9倍のゾーンに好走例が多いのも、意識しておいて損はないデータ。前走で単勝20倍以上だった馬が7頭も馬券に絡んでいるように、前走人気がけっこうアテにならないのである。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース継続。5日の芝での勝ち馬はすべて4角3番手以内と、前有利の状況。

・天候予測
 冷え込みは厳しいが天候は崩れなさそう。良馬場前提の予想でオッケイ。

・注目血統
 ディープインパクト産駒◎、ダイワメジャー産駒○、タイキシャトル産駒▲、アドマイヤムーン産駒△

 この京都芝は、例年けっこう前有利の馬場バイアスになる。実際に金杯が行われた5日も、勝ち馬はすべて4角3番手以内で、2〜3着馬も10頭中9頭までが4角5番手以内という、差し&追い込み馬がほぼ全滅という極端な馬場だった。引き続きAコースであり、この傾向は今週末も継続する可能性が大。前をかなり意識した馬券を買ったほうがいい。

 血統面では、4頭の種牡馬をピックアップ。ディープインパクト産駒が京都芝1600mで強いのはよく知られるところで、実際に連対率24.6%、複勝率34.3%と、文句なしに好成績だ。あとは、ダイワメジャー産駒もコース適性はかなり高そう。複勝率と複勝回収率がともに高い、アドマイヤムーン産駒とタイキシャトル産駒も、プラス評価の対象としておきたい。

★出走登録馬・総論×各論

 変則開催でもあり、珍しく金曜日に公開となる今週の当データ分析。そういうわけで、今回は枠番や騎手が発表されてから書けるメリットを最大限に生かしつつ、論を進めたい。まず感じるのが、いかにも荒れそうなメンバー構成であり、枠番であるということ。枠番決定前の段階で上位に評価していた馬も、ほとんどがふたケタ枠番に入ってしまった。

 現在の馬場やレース傾向からも「内枠からの先行勢」を高評価すべきだが、この条件に合致するのは、伏兵と思っていたレオナルド、ロジクライくらいのもの。データ分析の上位評価組では、ピースマインドやノーブルマーズが「まだ比較的マシ」な部類か。というわけで、枠番まで含めた最終評価では、この4頭を中心に推したい。

 トップ評価はピースマインドだ。新馬戦で、朝日杯FSの覇者リオンディーズに0秒2差の2着に好走し、未勝利戦では後続に6馬身差をつける圧勝と、その素質の高さはかなりのもの。前走で緩くないペースで逃げて先行力を証明しているのも、ここでは心強い。芝2000mからの距離短縮がどうかだが、前走の単勝オッズ1.7倍、前走での上がり3F順位が4位以下であること、血統面など、プラス材料も豊富。ここも積極策を期待する。

 二番手評価にノーブルマーズ。デイリー杯2歳Sでエアスピネル、シュウジに次ぐ3着に好走して実績や先行力を、素直に評価した。末脚がそうキレるタイプではないので今回も先行策を取るだろうし、シュウジと半馬身差であれば、能力的にもそれほど差はないはず。中穴人気くらいに落ち着きそうなのも、ここではプラス材料と捉えている。

 三番手評価にレインボーライン。3枠5番という好枠番を引き当てたことで、好走の可能性がグッと高まった。阪神芝マイルの500万下を完勝してからの中1週で、キャリア6戦で前走での単勝オッズ4.0倍と、プラス評価した項目が多い1頭。スタートさえ決めれば好位にもつけられるだろうし、地力の面でもここでは上位といえる存在だ。

 四番手にレオナルド。マイル未経験やゲートといった不安材料もあるが、前走勝ちの内容やアドマイヤムーン×ガリレオという配合、枠番、前に行こうと思えば行けそうな点など、けっして侮れないプロフィールの持ち主。前々で流れに乗ってソコソコの脚が使えるという、現在の馬場にマッチした脚質であるのも、大きな魅力といえる。

 以下は、ロジクライ、アストラエンブレム、ジュエラー、スナークスカイ、ツーエムレジェンド、ドゥーカ、ラルク、ショウナンアヴィドといった評価の序列。ちょっと振り回し気味のチョイスだが、そのあたりは実際どのようなオッズとなるかで調整するつもりだ。波乱含みのレースなので、ヒモは手広く。人気馬があまりアテにできない一戦であるのは、間違いない。


■総論×各論・先週の馬券回顧





中山11レース 中山金杯(G3)
1着 05ヤマカツエース
2着 07マイネルフロスト
3着 10フルーキー

3連単1万1190円的中!

データ分析による評価が高かった4頭のうち、4番人気以内に推された10フルーキーと05ヤマカツエースを1着に固定。2着はややタイトに、3着は「人気薄の激走を期待して手広く」といったスケベ馬券を買ったところ……ほとんど儲からなかったでござるよ(反省)。

でも、ブライトエンブレムの「消し」を含めて、ジャッジ自体は大正解。09ベルーフの競走除外は想定外も、残った上位評価組3頭によるワン・ツー・スリー決着でした。馬券がド下手なのは相変わらずですが、ぜひこの調子で行きたいモンです。

※コース&血統データは2013年以降、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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