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シンザン記念とミスシンザン

  • 2016年01月13日(水) 18時00分
ミスシンザン

ミスシンザンの芦崎瑛海さん(左)と長山みのりさん(右)


今回のミスシンザン2人はツキに恵まれていた

 5冠馬シンザンの功績を称え、1967年に創設されたシンザン記念が、今年で50回目の節目を迎えた。シンザンの生まれ故郷である浦河町では、毎年7月の最終週に馬のイベントである「シンザンフェスティバル」を開催しており、こちらも昨年で30回目の開催となった。

 そのイベントで選出されるのがミスシンザンである。任期は1年間。2人ずつフェスティバルの直前に公募によって選ばれ、翌年のフェスティバルまで観光大使のような役目を担う。さまざまなイベントに参加しお手伝いをするが、最も重要な“お仕事”が、京都競馬場のシンザン記念表彰式にてプレゼンターを務めることである。

 今回、京都に派遣されたのは、芦崎瑛海(えみ)さん(22歳)と、長山みのりさん(21歳)。1990年の午年から始まった(と記憶している)ミスシンザンの京都行きは、過去にいろいろなアクシデントが発生したことから、最近は金曜日に浦河を出発することになっている。この時期の北海道はしばしば悪天候によって飛行機が飛ばないこともあり得るし、出発時間が遅れてしまうことも再々なので、念には念を入れて、金曜日のフライトになったというわけだ。

 シンザン記念の前日(9日土曜日)に、日刊スポーツ社の取材を受けたり、翌日の打ち合わせなどを行なう日程が定着している。加えて、昨年に引き続き、今回もまた日高中央漁協のご協力により、日高昆布1000袋(1袋50グラム入り、末端価格で約700円相当)を提供して頂いて、シンザン記念当日の朝に、日刊スポーツ社のテント横で入場者に無料配布することになっていることから、浦河町のゆるキャラ「うららん」「かわたん」役の役場職員3名を含む計9名の団体で出発したのであった。
うららんとかわたん

うららんとかわたんの日高昆布配布風景


ミスシンザン

テントで日高昆布配布をお手伝いするミスシンザンの2人


 今年は全国的に暖冬傾向のようで、浦河も今のところ例年に比べると積雪量が少ないが、京都も今回は暖かくて助かった。幸い、滞在中ずっと晴天に恵まれ、予定通りの日程をこなして11日夜に無事、浦河に帰宅できた。

 今回のミスシンザン2人はツキに恵まれていた。まず土曜日。私たち一行が控室として充てられている最上階のゴンドラからレースを観戦していると、いきなり第1レース「3歳未勝利戦」で人気薄のドゥドゥドゥが勝利を収めた。父ロージズインメイの牡馬で生産は日高町のモリナガファーム。馬主は(有)ターフ・スポート。同社に各牧場が生産馬を提供するのが愛馬会法人ターファイトクラブで、社長は中島雅春氏。この中島氏がシンザンフェスティバルの実行委員長も兼務しており、今回も私たちに同行していたため、急きょミスシンザン2人もウイナーズサークルにて口取りの記念撮影に参加することになった。
ドゥドゥドゥ

京都1Rで勝利したドゥドゥドゥ


ミスシンザン

京都1Rウイナーズサークルにて口取りの記念撮影にミスシンザンも参加


 ツキはさらに続いて、第3レースでもターフ・スポートのロイヤルクルーズ(父ヴィクトワールピサ)が勝利を収め、二度目の口取り参加が実現した。翌日の本番を控えて、ウイナーズサークルに足を踏み入れておくのは良い経験になる。

 もうひとつのツキは、日刊スポーツ社の取材を受けた際に挙げたシンザン記念の期待馬3頭(いずれも浦河産馬。メイショウシャチ、シゲルノコギリザメ、ドゥーカ)のうちの1頭シゲルノコギリザメが3着に粘ったこと。同馬の複勝は1240円もついた。

 シンザン記念は、周知の通り、浜中俊騎手騎乗のロジクライが先行するシゲルノコギリザメに残り1ハロンのところで追いつき、外から強襲してくるジュエラーを首差抑えて勝利。初重賞勝ちを収めた。父ハーツクライ、母ドリームモーメント(その父Machiavellian)という血統の牡3歳馬。馬主は久米田正明氏。栗東・須貝尚厩舎。2013年セレクトセールにて3900万円で取引された馬である。
シンザン記念

シンザン記念は浜中俊騎手騎乗のロジクライが優勝



 近年、このシンザン記念はG1戦線への登竜門として位置づけられるようになり、注目度が非常に高い重賞に昇格した。惜しくも届かなかったものの、2着ジュエラーもかなりの素質馬で、今後目の離せない存在になりそうだ。また、果敢に逃げたシゲルノコギリザメは、ゴール前で捕まってしまったが、人気薄であったことを考えたら大健闘のレース内容と言えるだろう。父スーパーホーネットというのも、かなり渋くて魅力がある。
シンザン記念

シンザン記念での表彰式のプレゼンターを務めた芦崎瑛海さん


シンザン記念

シンザン記念での表彰式のプレゼンターを務めた長山みのりさん


 表彰式では、ミスシンザン2人が滞りなくプレゼンターを務め、無事にお役目を果たした。何より、土日とも終日好天に恵まれたのは幸いであった。
シンザン記念

シンザン記念優勝のロジクライ関係者との記念撮影


【次回公開日変更のお知らせ】
 次回公開の「生産地だより」は、筆者取材のため1月21日18時の公開となります。予めご了承くださいますようよろしくお願い申し上げます。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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