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質問殺到!阪神JFの「京都に行った件」を語る

  • 2016年01月19日(火) 18時00分
小牧太

今週からは通常運転の『太論』。まずは年明けのレース回顧から…


長らくイベントのレポートが続きましたが、今週からは通常運転。ユーザーからの質問がたまりにたまっている『太論』ではありますが、まずは年明けのレース回顧から。年末のGIにも話が及び、あの阪神ジュベナイルFの回顧も。「京都に行った件」についても、裏話を披露してくれました。
(取材・文/不破由妃子)


年明けにひとつ勝つまでは焦りがあるよ

──今年は3日間開催が終わった時点で3勝。なかでも初勝利(1月9日・京都4R・13番人気コージェント)は強烈でしたね。

小牧 スタートを出てハナにいけたらいい勝負になるかもしれんなとは思ってた。前回はトモを滑らせて、出遅れたんですわ。この前もいく馬がいたから、すんなりいけるかなぁと半信半疑だったんやけど、けっこういけてね。ハナにいったら強かったわ。

──強かったですよね。とても13番人気馬の競馬とは思えませんでした。

小牧 でも、クラスが上がったら、そう簡単にはいけないと思うなぁ。もちろん、いければ楽しみやけど。

──初勝利が13番人気。いきなりやってくれましたね。

小牧 人気は関係ないけどね。勝ちは勝ちやし、何番人気だろうとうれしいもんやで。でもまぁ、3勝できたのは計算外やったね。それより、初日(1月5日・京都9R・初夢S)のエノラブエナは絶対に勝てると思ってたんやけど…。全然ダメやったわ。

──あの馬は難しそうですねぇ。

小牧 うん、難しいね。その前、2着、2着ときていたから、絶対に崩れることはないと思ってたのに。今までにないくらい完璧な乗り方やと思ったんだけどなぁ…。申し訳ないけど、敗因がようわからん。

──生き物ですから当然といえば当然ですが、気持ちや調子の波が激しいのかもしれませんね。

小牧 調子かもしれんねぇ。なにしろ、返し馬でむっちゃおとなしかったから。“あ、ひょっとして今日はダメかも…”と思ったら案の定やった。体調なのか気持ちの問題なのか…わからんね。

──3歳新馬のレインボーフラッグは強かったですね。

小牧 うん。あの馬は走るわ。もともと走るのはわかってたんやけど、正直、初戦はどうかなと思ってた。真面目に走らんし、跳ね回ったりしてヤンチャなんですわ。でもまぁ、レースにいって良さが出たね。久しぶりにいい馬が当たった感じ(笑)。

──直線で前に取り付くときの脚がすごく速かった。

小牧 そうそう、直線に向いてからは余裕でした。直線に向くまではね、コーナーでハミを外したときに、ちょっと遊ぶ面を見せたりして。コーナーで叩いていたでしょ?

──そうでしたね。走るという手応えは、調教の段階で感じられたんですか?

小牧 うん。金曜日にゲートから出しただけなんやけど、そこで乗り味の良さを感じて。素質はあると思う。1頭だけすごい脚やったからね。

──続いてはケントオー(1月11日・京都10R・新春S)。後方からの競馬になりましたが、直線は前が開くまでジックリ待って。

小牧 出遅れがかえってよかったんやね。いつもの競馬をしていたら、たぶん勝てなかったんちゃうかな。出遅れて、なおかつ内枠だったのもよかったと思う。勝つときはあんなもんやねん。今、調子がいいんやろうね。

──まだ始まったばかりではありますが、小牧さんご自身の調子はいかがですか?

小牧 最終日(1月11日)はよかった。とりあえず、年明けにひとつ勝つまでは、ジョッキーはみんな焦りがあるよ。今年は、なんとか1日1つ勝てるように乗っていきたいね。

──最近の『太論』はイベントのレポートが続いていたので、ここで改めて有馬記念以外の12月のレース回顧を。やはり、阪神ジュベナイルFについての質問が多くて…。

小牧 ああ、あれね(笑)。結局、再審査を受けずに放牧に出たわ。もともと口の右側が切れていて、もう無理やった。だから、ハミを着けるのも痛くて嫌がってね。それが原因やね。なんせ返し馬ができんかったもん。でも、ハナを切れば、周りに馬もおらんし、ラチ沿いを走れるから大丈夫かなと思ったんやけど。でも、(傷に)当たってしまったんやろうね。

──レース前から口が切れていることはご存じだったんですか?

小牧 知ってたけど、僕も含めて誰もあんなことになるとは思っていなかった。口が切れること自体は珍しいことではないからね。ただ、あんなふうにコントロールが効かなくなることは滅多にない。よっぽど痛かったんやろうなぁ。

──下がっていったときは、てっきり故障したのかと思いました。

小牧 うん。僕自身、怖いことはなかったけど、みんなの邪魔をしてしまったから、本当に申し訳なくて。たくさん迷惑を掛けてしまったけど、ほかの馬や騎手にケガをさせずに済んだのが何よりやね。それだけは本当に良かった。あんなことは初めてやね。

──下がり始めてからはどんな心境だったんですか?

小牧 「あー! あぁ…」って(笑)。もうそれに尽きるね。で、勝ったルメールがまた「京都に行った」とかいうもんやから、変に話題になってしまって(笑)。競馬を知らん人は、本当に(京都に)行ったと思ってるからね。

──えっ!?

小牧 ほんまやで。そのあと、ゴルフに行ったときに、「本当に京都に行ったんですか?」って真面目に聞かれたわ(笑)。

──「京都に行った件」(笑)も含め、ルメールの勝利ジョッキーインタビューについては質問がいくつかきていまして、「インタビューでルメールがやたらと“コマキサン、コマキサン”と言っていたところを見ると、かなり仲が良さそうですね。お二人のエピソードがなにかあれば教えてください」というリクエストも。外国人ジョッキーは、みなさん小牧さんに親しみを持っていますよね。

小牧 うん。なんでやろね。僕が優しいからかな(笑)。

── 一緒に食事に行ったりされるんですか?

小牧 ルメールは…あ! 一度呼んだことあるわ。酔っぱらって(笑)。もともと豊くんに電話をしたんやけど、そのときたまたまルメールとご飯を食べていたみたいで、そのあと合流したんやわ。

──ちなみに、小牧さんはどなたと一緒にいたんですか?

小牧 僕は安藤(勝己)さんと飲んでいて。

─えっ!? めっちゃ豪華な組み合わせじゃないですか!

小牧 まぁ例のごとく、僕はほとんど覚えてないんやけど(笑)。
小牧太

まぁ例のごとく、僕はほとんど覚えてないんやけど(笑)


【次回の太論は!?】
 まだまだ続くルメールのエピソード。ジョッキーの新年会で披露したルメールの“持ちネタ”とは!? そのほか、年末年始のお話や、ユーザーからの質問などなど、次回の太論も盛りだくさんの内容でお届けします!
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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